Montblanc No.146 因縁か運命か
何度か紹介したが、拙者は自分用の初めての本格的万年筆としてMontbanc No.146を選びアメ横へ買いに行った。そして万年筆屋のヲヤジの説得でWaterman ル・マン100を買ってしまった。その後ろめたさのせいかMontblanc No.146系の調整には力が入る。
慣れているせいか調整はせいぜい2週間程度で完璧なものになる。自分用の調整で2週間というのは非常に早い。拙者のペンクリの無料調整の場合には、せいぜい1分から10分くらいの調整時間。遠慮している持ち主がOKを出したら完了となる。有料でやっている調整に必要な時間は約1週間。一度調整しても必ず調整もどりが発生する。それを微調整するには一週間かけてチェックする必要がある。持ち主ではないので、本当に微細は感覚は分らないからある程度のところで調整は終了する。
ところが自分用に調整すると、微細な部分で自分の趣味に合わない部分があれば完璧になるまで調整を続ける。別に納期が有る訳では無いのでトコトンやっちまう。そうして満足のいくレベルになった万年筆はもはや拙者にとっては興味の無い万年筆になってしまい、ペンケースに入れられることになる。ところが万年筆とは恐ろしいもので、使っていないと調整が狂う(あるいは戻る)。濡れたペン芯の上で微妙にバランスを取っているペン先は、カラカラに乾いたペン芯の上では別物のような姿になることもある。
今回初めての試みとして、自分用に調整し日常的に使っている万年筆20本と、調整が終わってペンケースに入れていた万年筆20本を取り出し、インクを注入して販売してみた。40本準備して2日間で27本がお嫁に行った。
そして日常使用していた20本は全てお嫁に行った。これは凄い事であり、困った事でもある。困ったのは自分用の完璧な調整の万年筆が無くなったため調整途中の万年筆を使わざるを得なくなった事。
凄いのは相当寝かせて筆記する拙者用に調整しておいた万年筆が全て売れたと言うことは、世の中には寝かせて書くのが好きな人が多いという発見。もっともスイートスポットを最低でも2つ、大抵は3つ入れてあるので、そのどこかに引っかかったのかもしれない。拙者の場合、漢字を書く場合と数字を書く場合でスイートスポットが違うので必然的に2つ以上は入れておかなければならない。
ここに紹介するNo.146は拙者が日常使いしていた2本じゃ。まったく目立たないし、ペン先も特殊なのでまさか売れまいとタカをくくっていたのじゃが、フッっと売れてしまった。金色の方はOBBのペン先じゃが、普通に持って書いても違和感が無く書け、かつOBBの形状は残すという難題を解決したもの。インク漏れしやすい首軸なので、中にゴム糊を充填しておいた。
銀で鍍金した方は、ペン先がクーゲルに似た形状だったので長刀風に研いでみた。反らしてはいない。ヌメ〜っとした筆記感を出すために、ペン先にはニッケル、ロジウム、銀の順で鍍金している。最後の銀がヌメ〜っとした感じを演出してくれる。


拙者のとってNo.146は調整しやすい万年筆じゃ。うまいダンサーは箒とでもダンスできるというが、拙者もNo.146ならどの時代のものでも箒に出来る(しちゃだめか)。
Posted by pelikan_1931 at 04:30│
Comments(10)│
mixiチェック
│
万年筆 |
万年筆
拙者が娘に最初に買った万年筆がMontblanc No.146赤軸のFだったが、デジタル派」の彼女は使ったのだろうか?少なくとも現在は身の回りに万年筆らしきものはない。買ったのは10年以上前だったので無くしたのかもしれん。 この赤軸はとっくに廃盤になっているが何故廃盤にし...
どうして廃盤に? Montblanc No.146 赤軸【万年筆評価の部屋】at 2006年04月07日 05:48
記事のタイトルを読めば想像つくじゃろうが、写真はMontblancの作曲家?シリーズ【Solti】を分解したもの。なぜ分解したかといえば、ペン先先端の改造をしたかったのと、ペン先交換時に試し書きしているのかどうかを確かめたかったからじゃ。 後者については【ペン先....
Montblanc Solti のペン先交換完了! 【万年筆評価の部屋】at 2006年04月07日 05:44
1月17日にMontblanc Solti の分解写真を紹介した。あの段階では、BBのペン先の調整はやっていなかった。調整しないと感想は述べられないと書いていたが、やっと思い通りの調整が出来たのでご披露しよう。さすがにスキャナーだとイリジウムの場所まではピントが合わないが雰囲...
骨折は順調に回復していると考えている。少々足首を回してもなんともない。土曜日には最初のギプスを外して小さいものに変える予定。何の不安も抱えていなかったのじゃが・・・・ 一昨日、東京は土砂降りの雨。その日初めて傷が痛んだ。骨折した切れ目がわかるような鋭角....
Montblanc No.146 悦楽の14Cニブ【万年筆評価の部屋】at 2006年04月07日 05:39
ま、まるで違う書き味じゃから、両方楽しむのがいいぜよ。
日曜日に256より書き味の良いVintage No.146に遭遇。
落ち込み激しい今日この頃。
No.146,No.256ともクーゲルやBBBなどまで比較すると、それぞれ長所欠点があり面白いです。ま、好き好きということで痛み分けにしましょう。
No.146とNo.256は兄弟といわれますが、だいぶ趣が違います。
No.146はNo.149を長男とすれば次男坊ですが、No.256はNo.25x、No.26Xシリーズの長男です。通常長男には色や模様のバリエーションが無く、黒一色です。
書き味もNo.146よりはNo.256が上だと思います。
monolith6しゃん
昨晩、バーでMontblancのボールペンにPixと彫ってあるのを見せてもらいました。日本のMontblancショップで購入されたとか。
Pixの根拠についても新説が披露されましたが、確証が無いので・・・
daikoしゃん
スイートスポットをたくさん作るのはそれほど難しい調整ではありません。先日紹介した、ミニ檸檬No.256には6つつけました。表3箇所、裏3箇所です。
試し書きしているだけでは気付きませんが、実際に原稿用紙に書き込むと、インクが乾くまで待てなくて、2行目を書くときには多少ペンの後ろを持つ。3行目になればさらに後ろを持つ。
しかも上のマスを埋める時と、下のマスを埋める時とでは筆記角度が違う。従ってスイートスポットは3つくらいは必要じゃと思うがな。
無限スイートスポットを狙ったのが森山スペシャルじゃよ。
どこからでも滑らかというのは、真のスイートスポットは無いということじゃがな。筆記角度が定まらないうちは、森山スペシャルがベストじゃ。
ある程度決まってきたらスイートスポットを指定すれば研いでくれまっせ。
monolithしゃん、フリッツしゃん
こういう時には問い合わせの王者、298さんに登場いただきましょう。
こんにちは。万年筆も楽器やオーディオと同じですね、だから底が見えずに止められなくなるんだろうな・・・私の146は、とあるところで2度目の調整中ですがあまり結果を期待しておりません。それにしてもすごいお話をいつもありがとうございます。
スイートスポットが3ヶ所あるペン・・・初めて聞いた。これ常識ですか?・・いいだろうナー・・書きやすいだろうナー。
p.s.スイートスポットが3つもあるゴルフクラブがあったら・・・売れるだろうに(←バカです。)
monolith6さん、今日は。
私もつい先日ドイツから現行146型のPix刻印モデルを入手し、さるオークションで手放しました。たぶん、日本では売られていないと思います。ここの管理人さんにも、以前お会いした時に尋ねましたが、分からないそうです。
答えになっていなくて済みません。
お題から外れるのを承知でお聞きしたいことがあるんです。最近、こちらの店でモンブランの149やら146やらを手に取ってみたところ MONT BLANC - MEISTERSTUCK (No. 149) Pix - と、万年筆であるにも関わらず Pix との刻印がキャップのリングに、下手をするとクリップにまで刻印されているものに出くわします。日本でもこんな刻印のものを売っているのか、御存知の方がおられたら教えてください。あと、なぜに Pix なのかもお教え下さればスッキリするのですが。