2005年11月26日

スティピュラ史上最も美しい軸5

 フェンテ交流会で毎年のように作られる伝説!その第2話をかざったのがこの万年筆。拙者はスティピュラ史上最も美しい万年筆と評価している。しかし綺麗な薔薇には棘がある。なかなか苦労もさせられたものじゃ。これは見つけたら買いじゃよ。スティピュラの秘密が閉じ込められた逸品!

 日本で売られた時には特別な名前は無く【スティピュラ 991】と言われていた。限定本数が991本という間抜けな理由じゃった。スティピュラ・エトルリアという人気万年筆の発売10周年を記念して2002年に発売された。本名は伊太利亜語で10周年を意味するデチュナーレ。なるほど、インパクト弱い名前じゃ。なぜ991と呼ばれて売られたか理由がわかった。限定本数を名前にした方がインパクトはあるわな。間抜けな理由ではなく、マーケティング上のすばらしい戦略だったわけじゃ! いや皮肉ではなく今そう思った。

 この万年筆には一目ぼれ!定価が7万円と、セルロイド製の限定品としては比較的安かったのと、何よりもクラックトアイスのような模様が気に入った。またスティピュラのセルロイドモデルが初めて?というのも購入した理由。もし初めてでなければスティピュラは頓馬というしかないのじゃがな。

 いさんで購入してインクを吸入させたら、なんか吸入の感触が変。それにピストンフィラー / カートリッジ式と書いてある。何じゃそりゃ? ということで首軸を捻って中を見ると・・・・・


2005-11-26 AM Stipura_911

 大型のコンバーターを尻軸で回転するような設計になっている。そしてコンバーターをはずせばカートリッジ式になる。実は、スティピュラの回転吸入式というのは、全てコンバーターを外側から回しているのでは?と考えている。

 ノベセントは首軸は回せないが、ペン先側からピンセットでソケットを回すと内部機構がはずせる。同様にコンバーターを尻軸でまわす方式じゃ。通常の回転吸入式との見分け方は、尻軸を回した時に、MontblancやPelikanのように尻軸がせり上がっていけば回転吸入式、回転するだけならコンバーター内蔵式じゃ。これは本邦初公開!

 ふ〜ん!と思って首軸をギュッと締めたら、ピシッと音がして首軸の根元が割れた。これには焦ったね。要するにセルロイドで軸を作った経験が無かったので、強度計算が出来ていなかったのじゃろう。首軸の根元のセルロイドが薄すぎたのじゃ。

 これでは今後も危険と考え、壊れていないもう一本とともに本国に送り、首軸と胴体を接着してもらった。これでカートリッジ式には出来ないが、割れの心配もない。返ってきたものを見てみると、壊れた方はちゃんと首軸を交換した上で接着してある。接着は・・・・接着剤じゃった。自分でも出来たな。セルロイドを溶かして接着してもらうつもりじゃったのだがな。

 ペン先はBニブで、ヌルヌル調整にして、フェンテの集い2003に出品した。案の定、何人もが手に取っては感心している・・・どうですか凄い書き味ですよね・・・余裕かましてそんな話をしている場合じゃないのになぁと思っていると、やはりいらっしゃいました伝説のK氏。

 『ほう、綺麗な軸じゃなぁ。ああエトルリアか色違いを持っとる。わしゃぁ、年金生活者になったけぇ、もう万年筆は買わん。歳も取ったし、冥土の土産に書かせてつかぁせぃ。ほほう、こりゃヌルヌルしてようけインクが出るなぁ。わしゃもう万年筆はいらんけど、こんなにたくさんの人を悩ましとる万年筆を無造作に置いとったらいけん。しょうがねぇ、わしがもらいます。もう万年筆はいらんのんじゃけどなぁ』

 こうして2度目の伝説が出来た。1度目はヘミングウェイ、3度目はノベセント、そして今年は下の階に登場しただけで伝説を作った。K氏恐るべし!



Posted by pelikan_1931 at 11:30│Comments(17) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
ムーミンEF551 しゃん

たしかに! 548番と556番・・・拙者は国内で購入したが・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年09月04日 22:04
ウチも最近UPしました。
番号近いですね。ウチのは556番です。
Posted by ムーミンEF551 at 2007年09月04日 21:58
しまみゅーらしゃん

そのうち東北大会をやりましょう。
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月27日 23:10
 最近、ノベセントのエボ軸を入手しました。なんとなく、やっぱりコンバーター内蔵式の回転吸入は不安がありますね。
最近のモデルなので首軸の方は心配ないようですが、ネットで見ると尻軸とコンバーターのつまみの
噛み合わせがうまくなくて空回りするのもあるとかないとか…。

 pelikan_1931さんは、この991を修理に出すとき、尻軸とつまみも接着してもらった
のですか?どーせカートリッジを使わないなら、付属の巨大コンバーターを尻軸に
固定しちゃった方がいいかな、とか思っているのですが。エボナイトとプラスチックって、
セメダインでくっつきますかね?

 スティピュラはノベセントとピノキオを持っているのですが、どっちもインク出ない…。
やっぱ、ヤフオクで入手はリスクありますね。でも、やっぱ廃盤品だとつい…(汗)。
青森県にペンクリ来てくれないかなぁ。
Posted by しまみゅーら at 2007年06月27日 11:52
比良@板後しゃん  再婚も多いが、最近ですな。失敬!

ピストン痩せに強い点は、特に伊太利亜物に言えることで、英国製は問題にならんかもな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年01月16日 07:51
師匠、【再婚】ではなく【最近】でしょう。

考えようによっては胴体をはずす手間が省けるわけですね。
またピストンの痩せにも強いとなれば我慢する価値はあろかもしれません。
Posted by 捨比良@板後 at 2006年01月15日 21:00
最近修理で預かったコンウェイ・スチュアートもカートリッジ内蔵式のブラインドキャップ式じゃった。再婚多いな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月14日 22:40
捨比良@板後しゃん

モンテグラッパにはちゃんとした吸入式もあるでな。複雑な事情があるのじゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2005年12月10日 18:14
pelikan_1931さん

モンテグラッパが内部にコンバーターを内蔵した回転吸入式もどきということは感づいていましたが、スティピュラもそうでしたか。残念。
Posted by 捨比良@板後 at 2005年12月10日 11:09
浦島しゃん

後悔を糧にして未来を獲得する・・・
実は栃木関連の魅力的な情報入手しました。詳細は後日。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月27日 17:07
Saiさん
ヤフオクのエトルリア・デチュナーレを拝見していました。
こんなところにあったとは。
教えていただき、ありがとうございました。

pelikan_1931 さん
しかし、あの日、掴み損ねたエトルリアは、モザイク模様がもっと明るい色でした。私好みでした。しかも極上の調整で、ぬ〜らぬらの極太ニブ。おまけに価格が・・・。
ううううう、思い出しちまったよぅ。
Posted by 浦島 at 2005年11月27日 16:14
Saiしゃん

デチュナーレ情報ありがとうござった。今この値段なら(予算あれば)買いですな。
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月27日 00:56
浦島しゃん

今年敵を討ったということで・・・
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月27日 00:52
はじめまして。Saiと申します。
偶然、検索中にヒットし、以来、毎日更新を楽しみにしています。

拝見して、魅力的な素材でしたので、ダメモトで
Yahooオークションで、「デチュナーレ」と
検索をかけたら、なんと、Mニブの1本が
ヒットしました。

しかし、今の財布の具合から自分では入札できそうもありません。
とほほ。とりあえず、このブログで知り得たペンなので
情報として書き込みします。
Posted by Sai at 2005年11月26日 22:02
このペンを前に余裕かまして一人前に悩んだりしていた間抜けはわたくしでございます。
そして、K氏に伝説の第二章を成さしめてしまったのでございます。
でも、伝説のキャストの一人になるのも楽しいものでございますよ。(負け惜しみ)

Posted by 浦島 at 2005年11月26日 16:38
298しゃん

kugel_149しゃんの遠縁のお寺では除夜の鐘を108以上撞くそうじゃ。そしてその寺は拙者の自宅のすぐ近所! どうりで・・・
Posted by pelikan_1931 at 2005年11月26日 10:37
>しょうがねぇ、わしがもらいます。もう万年筆はいらんのんじゃけどなぁ
凄い! いらんけど入手する・・ 万年筆好きの煩悩は108っつで収まらないかも・・ 除夜の鐘も200も300も撞くお寺におまいりしないといけないんですかねぇ  あ! そうしたら益々・・笑
Posted by 298 at 2005年11月26日 10:04