さんざん勿体をつけて登場したPelikan P1 RGじゃ。以前、拙者が最も好きなペリカンと予告したやつ。1959年から1963年までの4年間販売されて引退した。比較的製品寿命の長いPelikanの中では異例の短さだ。市場にほとんど受け入れられなかったのじゃろう。
しかし、こいつは傑作じゃよ。Montblancの60年代2桁番モデルは、P1-RGの構造を参考にして検討されたと思われるふしがある。Montblancの60年代2桁番モデルの吸入機構の簡素さを誉めたが、何のことは無いPelikanが先に実現していた。Montblancは、Fooded NibについてもP1 RGがParker 51に歯が立たないのを見てから方針変更し、Foodedではあるがペン先は隠さないという戦略に出た。
Fooded Nibの特徴【インクフローで書き味を稼ぐ】に対して【上下の動きで柔らかさも出す】というのを具えたのがMontblancの60年代2桁番モデルじゃ。これは単なる拙者の憶測じゃが、そう思われても文句言えないじゃろうな。
結果としてP1 RGは簡便なピストン吸入機構、金貼キャップ、Fooded NibをMontblancに引継ぎ大成功させ、唯一Parker51を真似した小さなペン先で失敗した。Montblanc 60年代2桁番モデルの踏み台になったというだけでもP1 RGを評価できる!
じゃが拙者が大好きなのは実は書き味なのじゃ。しかもBとかBBの平べったい書き味が良い!滑らかとかヌラヌラとかいうのではないのじゃが、日常筆記で一切のストレスを感じることがない。M800の3Bで日常筆記は出来ない。疲れてしまう。しかしP1 RGで書くと一切疲れない。また良いアイデアが湧くんじゃな。ペン先にうっとりすることが無いから。
この感覚は口では言い表せないのじゃがな、、、ちなみにこの拙者の感覚を理解していっしょに評価してくれる人にあったことは無い・・・それがまた良い。
拙者だけが友人のPelikan P1 RG。まだまだ好きでいられそう。