これまた怪しい 軸研削工程
これはGunther Wagner社(Pelikan)の社史に掲載されたPelikan 100 緑縞の製造工程、特に軸の厚みを揃える工程の写真。昨日のペン先への切割加工と違い、工程は機械化が進んでいる。一見、旋盤のバイトでも使ったかのような綺麗なクズが飛び散っているように見える。しかし・・・ こちらは、昨日の写真よりもさらにヤラセの可能性が強い。旋盤の場合削られる物を回転し、刃物を固定しておくが、この写真では削られるべき軸が一切回転していない。これは無いじゃろう!と思わず口に出してしまった。
クズの飛び散り方からして刃物は軸の真下より少し上の向こう側にあって、軸は手前からむこうに回転しているはずじゃ。
おそらくは、一旦回転させてクズを出した後で機械を止め、撮影したと思われる。かなり照明も当てていて、撮影の苦労が偲ばれる。
ペリカンの縞模様は、緑と白の樹脂の板を重ねて圧着し、それを薄く切断した板を丸くなるように曲げて貼り合わせてから研磨すると聞いた。その過程で半分以上が破棄されるほど模様の美しさにこだわっているらしい。この品質基準は今でも続いているそうじゃ。
軸押さえの手前には皮も取り付けられ、またクズを受けるためのスロープまで作られている。相当の創意工夫がなされた研磨機械じゃ。残念ながらスライスした板を丸く成型する写真は掲載されていなかった。企業秘密だったか、見栄えがしなかったか・・・じゃろう。
社史をつぶさに観察する、最も力を入れているのは、カーボン紙や封蝋やインクやクレヨンや絵の具の工程で、万年筆に関するページは少ない。まだ始まったばかりの事業分野じゃから当然といえば当然じゃな。
この写真が撮影されたのが1938年だとすると、来年で68年目。まだ同じ工程で軸が作られているというのは驚異!素材や工作機械は変わっても、その模様が人々を楽しませ続けているという事実に感動する。
一旦は縞軸の製造を止めたペリカン社に再度生産を迫ったのは日本のペリカン愛好家。彼らの熱狂が無かったら今日はなかったじゃろうな。
ペリカン倶楽部の先達に感謝! & メリークリスマス!
Posted by pelikan_1931 at 09:58│
Comments(12)│
mixiチェック
│
情報提供 |
万年筆
そういえば、マーブルの作り方は聞いたことが無い。
セルロイドなら想像出来んこともないが。
当時は緑縞はつくっていなかったとのことで、納得です。
それにしてもマーブル軸でも縞に近い模様もあったんですね。マーブル軸に関しては作り方を説明している文献は見た事がありません。
黒船しゃん、これはマーブル軸です。
ここで削っている軸は緑縞のように思われますがいかがでしょう?
256命しゃん、Pellikanは総合文具メーカーで、Montblancは筆記具メーカーじゃった。全体の資料ではPelikanじゃが、筆記具の資料ならMontblancじゃよ。ただ、社史は見たこと無いが。
Montblancファンとしては残念ですが、Pelikanは資料が揃ってますね。くやしい限りです。
298しゃん
その説はあたっているかも。競合他社を惑わすために細工したのかも。
特に英国や米国への流出には神経質になっていた時代じゃからな。
らすとるむしゃん
遠心クラッチを見た事が無いのでようわからんが、確かに軸に挿しただけなら刃物を当てれば回転が止まってしまうからな。
かなり秘密が多い工程のようじゃな。
これは・・ もしかして・・ 挑戦状では? 何人が我々の心血そそいで作る工程の真実をさぐりあてられるか? なんてね もうリタイヤされてるマイスターが時々思い出しては、ペリカン社の奥義はマイスターの手にしか相伝しないんじゃ なんてニヤリとしてたり・・ 写真は取らせるがその秘密に迫る箇所は巧みにぼかしてあるとか・・????
こちらの画像は切削途中に機械の回転を止めて写した物と思われます。
カメラマンに対する安全上の配慮なのか止めて写すのが好きのようですね。
感心した点はセルロイドの筒のチャッキングが外側ではなく内側の芯棒がきっと3片の寄り集まりで遠心力クラッチのように働き回転をはじめると膨らんで内側から筒を固定しているように思えました。もし、そうでないとするとチャッキングしない状態でのヤラセ写真の可能性があります。
黒船しゃん
拙者の記憶では、削って出来た縞軸は吸入機構をを受ける別の半透明の軸にかぶせて製品となる。すなわち装飾用じゃ。インクが直接この軸にあたるわけではない。安心せられよ。
もし軸が高速回転するのなら、軸を冷すための水のスプレーなどがありそうです。無いところを見ると、それほど高速回転では回らず、後でバフ掛けするのでしょう。
それにしても貴重な画像の数々。本物が見たいです。
しかし軸ってこんなに薄くて大丈夫なんでしょうか?インクがすぐ漏れそうです。