第一回目のペントレの案内といっしょに押入れの中から出てきたのがこのポスターじゃ。Classic Pensが発売(当時はまだ未発売)した純銀のM1000とM800。皆このポスターに群がって熱狂したものじゃが、今改めて見てみると・・
ん? M1000がファウストで、M800がウェルテル?
M1000がマルゲリータで、M800がシャルロッテじゃよ!
下のポスターを見ると、CP6は【ペリカン ゲーテ】という表現すらある。実はCP6は発売に至る経緯の中で、クラシックペンズとペリカン社との間で、何本作るかとか、どちらが主体的に発売するかなどで、なかなか調整が付かず、発売日が遅れに遅れた経緯があったらしいのじゃが、このポスターはそれらを暗示していたのかもしれない。
CP6の画像は、この手作りポスターが日本初お目見えだったはずじゃが、みな興奮した。しかし、値段が付いていなかったことで、期待と同時に不安にもなった。めちゃくちゃ値段が高かったらどうしよう?という不安じゃ。
メーカーが作る限定品は、2万本以上作る作家シリーズをはじめとして、製作ロットが大きいため、それほどベラボウな値段にはならない。
だが製造ロットが500本となれば、どうか? いやいや500本は製造ロットとしては十分大きいのじゃよ・・・など様々な意見が飛び交った。
最終的にはリーズナブルな値段になったのじゃが、これは販売にペリカン社がからんだことで、売れていくスピードがあがり、クラシックペンズの在庫リスクが減ったためだと思われる。それまでのSheaffer、Aurora、Parkerが製造したCP1、CP2、CP3、CP4、CP5の例では製造メーカーは決して販売に積極的ではなかったような気がする。それに引き換えペリカン社は実に積極的にCP6を販売しようとしていた。特に日本では。
一販売店の企画した商品をメーカーが積極的に製造している他例は、旭光/月光くらいしか知らない。あれも日本の販売店が企画したものじゃったが、実際の販売段階では、販売店の名は一切出てこなくなっていた。こういう方法が良いのか、販売店の名を出した方が良いのかについては、メーカーと販売店との間で丁々発止の議論が実施されたのであろう。
セーラーが製造したCP7は実はものすごく素敵な万年筆であるが、セーラーが積極的に宣伝などしていない。ここまで書いてなんとなく図式がわかってきた。セーラーは万年筆製造会社。いわゆるペリカン社は万年筆の企画・販売会社であって、軸の製作やペン先の製作などは、経営破綻の時に分割した関連会社やOEM先に製造委託しているのじゃ。従ってことペリカンというロゴの入った万年筆の流通に関しては完全に主導権を握ろうとするのじゃろう。それが販売店にとって心地よいものかどうかはわからないが、消費者にとっては購入ルートが多様化され安心できる。
その昔、【若きヴェルテルの悩み】という小説を夏休みの宿題で読まされた。中学生のころかな・・・ゲーテ自身の絶望的な恋愛をテーマにした青春小説で、野球にあけくれていた拙者はまったく興味を持てなかった。感想文は仲のよかった女の子に書いてもらったがすぐにバレてしまい、恥ずかしい思いをした。その【若きヴェルテルの悩み】のヒロインがシャルロッテ。
ではマルゲリータは何者?となるが、これはゲーテの戯曲【ファウスト】で悪魔と契約して若返った哲学者ファウストが恋に陥る娘の名前らしい。すなわち;
Werther → シャルロッテ Fausut → マルゲリータ
という関係じゃ。当初は男性側の名を商品名に冠する予定だった!しかるに最終段階では女性側の名前にしたのじゃ。
やはり男性に愛される筆記具には女性の名前を冠した方が良かろうとの配慮なのであろう。これを衝撃の事実というかどうかはともかくとして、拙者を驚かすに十分なポスターであった!