この一枚のカタログは、拙者に多くを語りかけてくれる。セーラー万年筆がシェーファーの総代理店をしていたころのカタログだが、左下には【SHEAFFER the proud craftmen】と書かれている。【誇り高き職人達】とでも訳せば良いかな? 【Sheafferのホワイトドットに誇りを持ってます。買って損はさせません】とでも言いたげなコピーじゃ。
ペン先はXF、F、Mしか輸入されてなかったらしい。SheafferはPFMのころから7種類のペンポイントを売り物にしていたが、このインペリアルでは輸入されていたのは3種類。拙者は10本以上のシルバー・インペリアルを購入して、一本たりともBに巡り会わなかったが、輸入されてなかったのなら仕方ない。諦めもつく・・・・しかし欲しい!
インペリアル・デラックスには【12K厚手金張】と書かれている。これはRolled Gold【金貼り】なのか、Gold Plated【金鍍金】なのか気になるところじゃ。金貼りは金の板を延ばして貼り付けることで鍍金よりもはるかに手がかかる。ただしRolled Gold【金貼り】とGold Plated【金鍍金】を厳密に分けないで、両方とも【金張り】と称していることもあった。さらにはGold Filled なんて表現もあった。
【12K厚手金張】と書かれているところがミソじゃ。鍍金なら14金鍍金以上を使うはず。従って12金を使っているのであれば、Rolled Gold【金貼り】であると考えるのが妥当!
拙者はシルバー・インペリアルにはトコトン惚れていた。アメ横で見つける度に購入していたものじゃ。Parker 75よりも優しい格子と渋い銀色が良い。また不思議とParker 75のスターリングシルバーのように黒く汚れないのも好きじゃった。残念なのはタッチダウンの吸入量の少なさ。しかしそれを補ってあまりある軸の魅力!今でもBニブ付きに出会うことを夢見ている。
当時の定価は14000円ほどじゃが、今でもMintがそれくらいの値段で入手可能じゃ。純銀軸のすばらしさと、つくりの精密さから考えれば5万円でもおかしくないほどの出来! この軸を燻してみると黒っぽくなりまた違った楽しみ方も出来る。それは日を改めて紹介しよう。