なんとReformはペン先がユニット式で自由に組み合わせられるのが特徴じゃ。カタログにはEFからBBまで記載されているが、久保さんがEF、M、Bだけに○を付けているところを見ると、全部がそろっていたわけではなさそうじゃな。ユニットの仕組みは、高級モデルにおいてはPelikanと同じ方式を取っている。
それにしてもペン先ユニットを完全分解して【分解・部品とりかえの楽なペン先構造】と説明するのは画期的じゃ。いまでもそんなメーカーは無い。これは個々の部品に相当の精度が無いと実現できない。Reformは単なる独逸のマイナーブランドではない。
吸入式ペンの取り扱い方法、コンバーター式の取り扱い方法、さらにはペン先ユニットの取替え方法もカタログに記載されている。取扱説明書に記載されるのならともかく、カタログに掲載されているところに、輸入代理店の意気込みを感じてしまう。
一本の胴体で別の字幅を楽しめますよと訴求しているのじゃ。同じ事が可能なPelikanでさえ、そういう訴求の仕方はしていない。欲しければ万年筆ごと購入してくださいとやんわりと意思表示している。
しかるに1969年当時のReformは堂々とペン先ユニット交換をうたっている。やや時代を先取りしすぎた感はあるが、一気にReformが好きになってしまった。製品ではなく企業姿勢がな。
やや勇み足のところは、【ペン先の清掃】を書いてあるところ。ペン先ユニットを分解してペン先、ペン芯、ソケットにわけてしまうと、再アセンブルするにあたって、位置調整が必須となる。そこを上手く伝えないと書き味激悪ユニットを作ってしまうのじゃ・・・
しかし、久方振りに高揚させてくれたカタログじゃった。戦後最高のカタログと呼んで良かろう!