ひと昔前のカタログ 【Sheaffer】 その7−2
前回、インペリアルの高級モデルを紹介したが、それ以外のモデルについては、変化が無い。ただ、一番左端、すなわちフラッグシップを紹介する場所にインペリアル・ソボリンが鎮座することとなった。二番目がスターリング・シルバー軸であり、以前はフラッグシップの位置にあった金張り軸は3番目の位置に下げられている。
何故位置が逆転したのか?これにはライバルとなる製品も頭に入れて考えねばなるまい。当時のインペリアルのライバルといえば、Parker 75に間違いは無い。シルバー・インペリアルはParker 75をかなり意識して作られている。その前のタッチダウン式からカートリッジ式に変えたのも、Parker 75と比べて時代遅れのインク吸入機構と呼ばれるのを避けるためじゃろう。
しかしながらParker 75の彫りは溝の部分が黒く、濃淡がはっきりしているのに比べて、シルバーインペリアルでは濃淡が弱い。そこでインペリアル・ソボリンによって金と黒という派手な軸で目を惹こうとしたのではないか?(これは拙者の想像じゃが)。事実、インペリアル・ソボリンはかなり売れたようじゃ。拙者がアメ横に出現し始めた1985年にもずいぶんと買っている人にお目にかかった。値段はパーカー75の2.5万円に対して、ソボリン、純銀軸とも2万円ほどではなかったかと思う。1,2万円ほどで何本も購入した記憶がある。
率直に言ってインペリアルがParker 75に勝てたとは思わない。一言で言えば精巧さかげんがまったく違う。アクセサリーとしてならインペリアル、筆記具としてならParker 75。ペン先のバリエーションもParker 75が段違いに豊富だった。拙者は派手なアクセサリーが欲しかったのでParker 75には興味が湧かず、インペリアル一辺倒じゃった!
このカタログに至って初めてノン・ナンセンスが掲載された。本国での名称は Sheaffer No Noncense 【ノー・ナンセンス】である。ノーをノンとフランス的な発音で読ませたのが日本での大成功を引き起こしたのかもしれない。
ノン・ナンセンスは本国では1969年に発売されておる。【101本の万年筆】によれば、セーラーのキャンディが販売されたのは1977年のことじゃ。ノン・ナンセンスはたしか一本1000円だったと記憶しているが、この価格帯を下回るのにかなりの時間を要した事になる。
ノン・ナンセンスに字幅のバリエーションなど無かったような気もするが、たまにものすごく書き味の良い個体があり、それが楽しみで何本も購入した。おそらくは全色購入したはずじゃ。程よい太さで非常に持ちやすかった。後に分解してみてわかったことじゃが、このノン・ナンセンスとノスタルジア(8万円ほど)のペン芯は同じものが使われていた。従ってノン・ナンセンスのインクフローは上々。本当に贅沢な安物じゃった。以下はノン・ナンセンスについて書かれたHPじゃ。
http://www.penhero.com/PenGallery/Sheaffer/SheafferNoNonsense.htm
Posted by pelikan_1931 at 07:00│
Comments(17)│
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周辺Goods
ええ〜!?その一言、き、厳しいです・・・orz
みーにゃしゃん
国防婦人軍の心境じゃよ!
【欲しがりません、勝つまでは!】
遅ればせながら、拝見させていただきました!
しかも、名前も出して頂いて♪ありがとうございます。
初心者ながら是非お仲間に入れてください☆
ノン・ナンセンスというのは名前は見たことはありましたが、こういうものだったんですね〜!初めて写真をみました。
安くて、しかも書き味がいいなんて素敵なものがあったんですね〜!
いいですね〜。
それにしても、こうして定期的にインペリアルの載ったカタログを見ていると本当に欲しくなってきました!
しかも、師匠のようにペンケースに数種類並べたいな〜なんて思ってしまいます。
かっこいいですものね。
monolith6しゃん
隠れ Sheaffer ファンは、世界のコレクターS氏。
以前、雑誌にアンティークのシェーファーが好き!と書かれていました。
こりゃ私としたことが! WERGNER じゃなくて WAGNER でした!
そうか、みーにゃさんも入れて4人で W. A. SHEAFFER といきましょう。
monolith6しゃん
Sheafferファンなら、みーにゃ しゃん もいますぞ。
井筒屋さん、はじめまして!
このブログではシェーファーを積極的に評価しているのは、どうもPelikan_1931さん、井筒屋さんと私の3人だけのようです。
WERGNERの中にW.A.SHEAFFERでも御一緒に立ち上げましょうか?(^_^)
私もノン・ナンセンスは集めましたが、黒軸チェイシングは知りませんでした。
monolith6しゃん
たしかに拙者の握力は強かった。
かつて黄金の左と言われた輪島関の左手の握力を聞いて、え、拙者より弱いと感じたものじゃ。
しかし、握力と知力は関係ないようじゃ・・・ _| ̄|○
自慢じゃありませんが、私なんざぁ、シェーファーのニブ&ペン芯抜きに当たり、ニブ・プライヤーが基本的に不可欠です。握力と腕力が不足しているのは認めます。でも、他社と比べても余りにも固いのは事実です。特に、スティール・ニブは金ペンよりも厚みがあるのか、それはそれは固くて閉口しました。
流石に何度も分解、再組み立てを繰り返しているとゴム板程度で引っこ抜けるようにはなりますが、恐らく更に進むとスコスコになってしまうのでしょう。
ニブ・プライヤーで引き抜くと、ペン芯の櫛溝が寝てしまうこともたびたび... (T_T)。
monolith6しゃん
Sheafferのペン芯抜きにプライヤーは禁物じゃ。せいぜいゴム板。まずは左右に少し捻って多少でも動いたら引っぱる。
首軸を暖めてゆるんだら引っぱる。
なんてのをいろいろやって抜くわけじゃが、拙者苦労した記憶はあまり無いがなぁ。
あぁ、取り上げられてしまいましたね、ノン・ナンセンス。
実は密かに今、黒軸チェイシング入りを集めているところだったのです。これまで2種プラス亜種の3本を手に入れましたが、何とリンク先にある説明では、チェイシング入りだけで6種類はあったとか?!
これはまた、遠大な目標を突きつけられた思いです。何しろチェイシング入り自体に余りお目にかからない上に6種類もとは!
ところで私はかつて、カリグラフィー用のスティール・ニブを首軸からペン毎引き抜こうとしてえらい目にあいました。Pelikan_1931 さんに教えて頂いた通り、1週間水の中に浸しっぱなしにした上でやってみたんですが、それでもプライヤーで思い切り力んでも中々抜けない!しまいにはペン芯が壊れました (TT)。
kugel_149さん。
Bニブのノン・ナンセンスは噂どおり存在していたようですね!!。
それも、実際にお使いになられたそうで羨ましいです。
あのニブは嵌め殺しで抜けないと永年思っていましたが・・・ペン芯と一緒に引き抜き可能のようです。インク漏れのBニブを他の物に移植が可能です。
師匠も仰るようにBニブはお宝です、是非見てみたかったです。
kugel_149しゃん
Bニブ付のノン・ナンセンスはお宝ですな!
見てみたいです。
らすとるむしゃん
たまに書き味が良いのに行き当たったのはMじゃったかもしれんな。
なんせ1983年より以前じゃから、ペン先のバリエーションなんて知らなかったころじゃった・・・
白い軸の、Bニブのついたノンナンセンスを使っていました。
いつもいつもキャップをはずすと首軸のところにインクが漏れていて
それで、使わなくなってしまいましたが、
今思い返すと、クーゲルのような形状の玉が先端についていました。
書き味、よかったなぁ。
こんばんは。
ノン・ナンセンスの字幅のバリエーションですが、Fが圧倒的に多いようですが。Mニブを2本持っています。噂によるとBもあったと聞きますが・・・いまだ見たことは御座いません。何方か目撃情報でも御座いませんでしょうか??。
カリグラファーのものではなくきちんとイリジュ−ムが付いた物という条件です。また、ノン・ナンセンスは軸の種類も多いですね。未確認情報ですがフラット・トップの物が初期型で珍重されているようです。デラックス版の金メッキペン先はこころもち柔らかめで良いですね。