2006年06月23日

ひと昔前のカタログ 【ペリカン】 その2−1

2006-06-23 012006-06-23 022006-06-23 03 今回から3回にわたって、独逸で印刷されたペリカンの日本向けカタログを紹介する。1970年ごろと思われる。

 Printed in Germany と書かれているが、当時のドイツに日本語の活字があるはずも無い。おそらくは写真とイラストのみ印刷したものに、日本で日本語部分を追加印刷したのであろう。

 当時、海外では利用シーンを想定した万年筆カタログが流行していたらしく、後日紹介するMontblancのカタログも似たような設定がある。当時の日本ではReformのカタログしか利用シーンを描いてはいなかった。日本市場を狙うとすれば、ペリカンの設定シーンにはいささか無理がある。男性が女性にM30のセット【黒軸】を贈るというのは考えられない。Reformの方が自然じゃな・・・

 
Reform-1   Reorm-2   Reform-3

  一番左が表紙。2頁目のイラストは表紙にも使われている。表紙の一番左の写真の男性もこのカタログの中の別の頁に掲載されている。が、右端の女性の写真は別の頁には印刷されていない。元々のカタログにはあったが、日本版を作る際に省いたのじゃろう。この日本版カタログは16頁。印刷にはちょうど良い頁数じゃ。

 表紙写真に出てくる万年筆は全てM/P30。当時の一押しだった?

 それにしても東京での6畳一間の下宿代が1万円以下の時代に12万円のM100とか、2.4万円のM60が飛ぶように売れたとも思えない。ちょっと無理してM30というところかな。現在の貨幣価値に直すとM800程度。それなら買う人はいたじゃろう。国産万年筆もそれなりに高かったしな。M800と比べるといかにも安っぽい感じは否めないところではあるが・・・

 価格の出ているカタログを眺めていると、現在の万年筆価格は物価と比較して非常に安いと感じられる。流通が整備され、同じ万年筆を定価の3割から4割引きでも買える。昔ならそれを書きやすくなるまで使い込んでいったのじゃが、現在では最も書きやすい状態に調整した上で、定価で購入できる。

 万年筆ユーザにとってはまさに最高の時代じゃ。今後さらに万年筆ブームが高まれば、当時のような豪華なペンスタンドやアクセサリーも充実し、我らが書斎を彩ってくれるじゃろう。その時代が来るまで、このBlogは続けようと思う。


過去のペリカン関連カタログ一覧

 
その1  その2  その3  その4 



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
ちなみにお湯で煮込むのは母方の祖父のやっていた方法で、おそらくセーラーからの指導でやったのだと思います。
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月25日 13:40
なるほど!ありがとうございます!
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月25日 13:10
二右衛門半しゃん

熱湯で煮込めば、内部に気泡が発生して一時的には書けても、気泡部分が先端近くに来ると、永遠にインクが出ない状態になる。何度も泣いたものじゃ。熱湯ではなくライターであぶっったのがほとんどじゃがな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月25日 12:21
ボールペンの方はカラン・ダッシュで満足しているのであとは書けようが書けまいが、ほとんどオブジェと化したままです、ただ問題はシャープペンシルの方ですね。
1.8mmカラー芯が必要な4色ペンシルを持っています。
芯が手に入らないどころかどこのメーカーがかつて販売していたのかすら私にはわかりません。

それはそうと、最新の趣味文でボールペンが書けなくなるメカニズムが紹介されていましたよね?
あれならリフィルを熱湯で煮込めば書けるようになるのもあるのではないでしょうか?
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月24日 16:09
二右衛門半しゃん

ボールペンのレフィルだけは日進月歩。無くなった時点で軸はあきらめねばな。拙者もあきらめた、あるいは、諦めることを覚悟したものはいっぱいある。
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月24日 08:58
やはりテッシーで合うのですか?
形がよく似ているのでもしや?と思いましたが・・・私より万年筆について詳しい知り合いがこのリフィルが無い無い騒いでいましたのでまさかこんな簡単に見つかるとは思いませんでした。
ありがとうございます。
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月23日 23:55
アウロラ・テッシーのBPのレフィルとPelikanが互換性あったように思う。アウロラ テッシーのレフィルが合うかも?  って、そっちの方が手に入りにくいか・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年06月23日 06:56
おはようございます、例の本届きました。
しいていえばpakerVPがペン先は違うものの同じものを持っていますが、それ以外は全然同じものが手元にありません。
う〜ん・・。

それはともかくこのカタログも持っていますが、年代不明ですね。
ちなみにこれにでてくる60のシャープペンシルとボールペンは持っていますが、ボールペンのリフィルが手に入りません。
Posted by 二右衛門半 at 2006年06月23日 06:49