ひと昔前のカタログ 【ペリカン】 その2−2
このカタログの印刷時期が判明した。時代的に1970年前後と考えていたが、最終頁の隅の方に【P-1-713G】と印刷されていた!Pelikanカタログ 第1刷 1971年3月発行 Germanyで印刷・・・ てなところだろう。
下のほうにLinkを付けた その2、その3、その4 がこれより一時代古いカタログじゃ。それと比べると同じようなモデル名だが、かなり変更が加えられている事がわかる。
一番大きな違いは販売代理店名じゃが、コレに関しては次回。
カタログとして大きく違うのは、前回まではイラストでの製品紹介で、今回は写真での製品紹介。写真製版の技術革新が進み、カラー印刷のコストが下がったのじゃろう。また前回紹介したように、利用シーンを想定させる演出も入っている。
ところで、今回紹介する男性の【万年筆の持ち方】は異常ではないか?人差し指は軽く上から押さえ気味にあてるのが通常だと思うが、親指と人差し指で挟んでいる。しかもかなり右に倒している。これでは右傾斜のオブリークを使わないとインクが出ないのではないかな?こういう持ち方をする人の万年筆を調整してみたいものじゃ。楽しそう。
M30は同じ名称でも、かなり変更が加えられている。まずはペン先。形状がまるで違う。今回のはデュポン用に作っていたペン先と形状は同じじゃな。前回のは初めて見る形状じゃった。書き味はどうなのかな?多少お辞儀しているので弾力は前回の方があるのかもしれない。もし両方を書き比べた人がいたらコメント欄に書き心地を書き込んで欲しい。
また前回の14金ペン先から18金ペン先に変更になっている。当時の万年筆巨大市場は仏蘭西であった為、仏蘭西を意識した18金ペン先を標準としたのであろう。
写真とイラストのカタログを比較してみると、はやりイラストのカタログの方が特徴を誇張して表現出来るので、購買意欲はそそられる。
次回での紹介になるがペン先のバリエーションも減っている。これは残念じゃな。
前回のカタログではM20という名称だった中堅モデルはM21と呼び名が変わった。これはキャップがライン模様からマット調に変わった為になされた名称変更だろう。その他にもペン先が14金の金色から14金プラチナコーティングになった。これによって、キャップとペン先の色のバランスがとれた。こういうモデルチェンジは大歓迎じゃ。
値段でいえば、M30は7,000円から12,000円、MK30は5,000円から8,000円、M20の4,000円に対してM21は7,000円、MK20は3,500円から6,000円。やはりモデルチェンジがあったM20 → M21 は75% Upということで、他のもの(60%~70%Up)より値上げ率が高い。
それにしても値上げ比率が高い。これは販売代理店の変更だけではなく、物価そのものが上昇していたのかも知れぬ。しかし、中国製万年筆は150円から600円で入手出来たころじゃ。そちらが爆発的に売れたのも解からないでもないな・・・
前回の記事 : ペリカン・カタログの過去記事 【ひと昔前のカタログ (ペリカン) その2−1】
以前の記事;
その1 その2 その3 その4
Posted by pelikan_1931 at 07:00│
Comments(8)│
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二右衛門半しゃん
60年代Pelikanがじゃじゃ馬というのは納得。拙者は以前、何本も叩き壊した・・・
また、カタログの読み方についておもしろく読ませていただきました。
で、手元のカタログと照らし合わせてみると同じ記載になっていました。
そこで次のことが気になりました。
この数年後(あえて隠します)のカタログと定価表を持っています、定価表は12月1日現在となっているのに対し、カタログは翌年の3月となっておりました、しかも打たれたナンバリングは3月22日、定価表にもまったく同じ数字、ということは定価表とカタログは合わせて3月に利用者向けの発送を行ったことになります。
いったい、いつ定価の改定を行っていることになるのでしょう?
(代理店が同じなのでカタログの更新が同じ3月となっていたのでこの段階で書き込みました)
そうですか、60年代モデルのペリカンはユーロボックスにありませんでしたか、返答頂きありがとうございます。
ペン本体の姿に関しては60年代モデルの方に軍配があがると思いますが、個人的には70年代の、しかも金ペン先がプラチナコーティングされていてクリップも銀色の型番だけに興味があります、使いやすくてさりげないのがお気に入りです、該当する万年筆は今回のM21とP21を別の型番と解釈して7種類、色違いを別と勘定すると全部で9種類(ペン先のバリエーションは数に入れない)です、手元にあるものはこのカタログには掲載されていませんので、また今度にします。
60年代モデルはおそらく調整無しでは使いにくくてかなわないのではないかな、という印象です、モンブランの2桁モデルや50年代イカペンの素直さとは違いじゃじゃ馬的なところがあります。
当時の人の給料の上がり方は半端ではなかったらしい。当然物価もあがっていたのじゃろうが。
時期的には、初任給が対前年比20%Upというような時期じゃから、万年筆の値段も上がっていたのかも知れんな。
二右衛門半しゃん
昨日ユーロボックスで探したが、前期のペン先のモデルは皆無じゃった。後期のペン先はDupontの物も含めると多数あるのじゃがな。
ちなみにDupontのキャップは首軸に傷を付けないようじゃ。
>それにしても値上げ比率が高い
高い方が高級というイメージを保つことが出来るとの判断ですかね〜♪
こんばんは、このカタログのペン先と前回のペン先と両方とを持っていますので僭越ながら書き込ませて頂きます。
前回のカタログのモデルもそうでしたが、今回のカタログのモデルもキャップ内部の造りが悪く、キャップを抜き差しするたびに首軸に傷が付きます。
構造上の問題なので改善はほぼ無理です、傷が付くのがイヤな方は使わない方がよろしいかと。
6月19日に管理人様が「歴代Sheafferが比較的苦手なのが、キャップのネジ切り。」と仰っていますが、ペリカンはまったく逆ということなのでしょう、従ってmintでない限り状態の良いものには出会えないはずです。
さて、書き味の方ですが、管理人様の仰るとおり前回紹介された60年代のペン先の方が弾力はあります、ただ、今回掲載されたペン先と同じタイプは14金プラチナコーティングのものしか持っていませんので単純比較はできないかもしれません。