2006年07月10日

ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−1

2006-07-10 Parker 1-012006-07-10 Parker 1-02 既に気付いているかもしれんが、毎週月曜日は米国メーカーの商品を取り上げることにしている。現在は主としてカタログが中心じゃ。今週から3回に分けて1962年のパーカーの日本語カタログを紹介する。

 1962年といえば、ParkerVP登場の年で、Parker 75登場の2年前。拙者が10歳のころにこのような美しいカタログがあったとは驚きじゃ。当時のParkerの勢いを感じてしまう。独逸で印刷されたPelikanやMontblancのカタログと比べてもはるかに色が良い。印刷機を発明したのは独逸人のヨハネス・グーテンベルグじゃが発明(1445年)から600年以上経てば米国の方が印刷技術は進んでしまったのじゃろう。

 1962年発売のParker VPは次回に取り上げるが、表紙はParker 61。表紙の裏のフラッグシップが取り扱われる部分もParker 61。そして横にはParker 51。Parker 61と51が並んで記載されているカタログは貴重じゃな。

 Parker 51の首軸取り付け部あたりはかなり安っぽい。コストカットが最も進んだシリーズ最後期のモデルかもしれない。

 Parker 61でも独特の吸入方式の説明を一切していないことから類推するに、既に中押し式吸入機構か、Parker 45で採用されたカートリッジ 方式に変わっていたのかもしれない。

 まったく調整する必要の無いペンと書いてある。ここでいう【調整】がペン先調整のことをさしているとすれば大嘘つきじゃが・・・当時【ペン先調整】なんて言葉が一般的に使われていたとも思われない。

 とはいえ、Parker51や61のペン先は秀逸で、インクフローさえ良ければ非常に滑らかな書き味を提供してくれる。拙者も最初に使った時は驚嘆したものじゃ。今まで使ってきた60年代Montblancはいったい何だったのか!と思ったのじゃが、1時間も使っていると、その書き味に飽きてしまう・・・

 書き味は絶妙なのに飽きる・・・ここが小さなペン先の限界。やはり万年筆はイリジウムの調整だけでは語れない。ペン先の弾力も飽きさせないための重要な要素なのじゃ。



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
ロブオしゃん

Parker51は、すぐに飽きられるほど書き味が良いとも言える。
書く以前の状態のペン先の万年筆も多いでな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年07月12日 23:27
このカタログに出ているパーカー51のステンレスキャップのものと
全く同じものを持ってます。
全体的にはかなりシンプルですが、ステンレスの加工などはきれいなので
気に入ってます。
書き味が単調というのは全く同感です。
飽きられる運命の万年筆なんでしょうか。
これならむしろボールペンの方が、ヌルヌルとした味のある書き心地かもしれません。使い込むとさらに書きやすくなる気がしますし。
Posted by ロブオ at 2006年07月12日 20:34
二右衛門半しゃん

普通は頁を変えるんじゃがな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年07月10日 18:56
おはようございます、朝から眼福です。
61の首軸取り付け部をみると、少なくとも初期型ではないな、ということはすぐわかりました。
初期型は一本のラインだけですものね。

ところで61と51がならんでいるカタログは貴重とは初めて知りました。
Posted by 二右衛門半 at 2006年07月10日 06:34