既に気付いているかもしれんが、毎週月曜日は米国メーカーの商品を取り上げることにしている。現在は主としてカタログが中心じゃ。今週から3回に分けて1962年のパーカーの日本語カタログを紹介する。
1962年といえば、ParkerVP登場の年で、Parker 75登場の2年前。拙者が10歳のころにこのような美しいカタログがあったとは驚きじゃ。当時のParkerの勢いを感じてしまう。独逸で印刷されたPelikanやMontblancのカタログと比べてもはるかに色が良い。印刷機を発明したのは独逸人のヨハネス・グーテンベルグじゃが発明(1445年)から600年以上経てば米国の方が印刷技術は進んでしまったのじゃろう。
1962年発売のParker VPは次回に取り上げるが、表紙はParker 61。表紙の裏のフラッグシップが取り扱われる部分もParker 61。そして横にはParker 51。Parker 61と51が並んで記載されているカタログは貴重じゃな。
Parker 51の首軸取り付け部あたりはかなり安っぽい。コストカットが最も進んだシリーズ最後期のモデルかもしれない。
Parker 61でも独特の吸入方式の説明を一切していないことから類推するに、既に中押し式吸入機構か、Parker 45で採用されたカートリッジ 方式に変わっていたのかもしれない。
まったく調整する必要の無いペンと書いてある。ここでいう【調整】がペン先調整のことをさしているとすれば大嘘つきじゃが・・・当時【ペン先調整】なんて言葉が一般的に使われていたとも思われない。
とはいえ、Parker51や61のペン先は秀逸で、インクフローさえ良ければ非常に滑らかな書き味を提供してくれる。拙者も最初に使った時は驚嘆したものじゃ。今まで使ってきた60年代Montblancはいったい何だったのか!と思ったのじゃが、1時間も使っていると、その書き味に飽きてしまう・・・
書き味は絶妙なのに飽きる・・・ここが小さなペン先の限界。やはり万年筆はイリジウムの調整だけでは語れない。ペン先の弾力も飽きさせないための重要な要素なのじゃ。