昭和51年ごろの万年筆市場はどうだったのじゃろう。製品群を見ると、そう活気があったようにも思えない。たとえば下の【その5】をクリックしてみなされ。当時のパーカーの製品群が出てくる。Parker 75は成功したモデルじゃが、Parker 180は失敗。Parker 45は売れに売れたが安価品で書き味も安いなり・・・。価格表を見るとParker 75 オパールが掲載されている。これはキャップトップにオパールがついているモデルで、ピンクっぽいのから紫っぽいのまでいろいろあった。イリジウムは手溶接でXFでもまん丸の玉がついていた。これ今では幻の逸品。しかし既に在庫限りの扱い・・・・・
要するにParkerにとっては将来の光明が見えない時。まだデュオフォールド・センテニアルの構想はなかったじゃろうしな。
それに引き換えSheafferのラインナップは充実している。既にタッチダウン式は姿を消し、全てカートリッジ式じゃが、Parker 75に比べて大柄なインペイアルは持ちやすく、また反ったニブは柔らかいペン先との誤解を与えてくれた。
Parker 75のグリグリした書き味に比べて、シャラシャラという書き味。好みの問題はあるが、当時はSheafferの方が一般には受けが良かったのではないかと思われる。
また史上最高のネーミング?と拙者が絶賛する【レディー・シェーファー】。特に632は派手好きのご婦人に非常に受けたようじゃ。ちなみに、拙者の母、義母、妻は全て【レディー・シェーファー 632】がお気に入りじゃった。たしかcrocodile149しゃんもお持ちじゃ。
左の頁での最高傑作は【シルバー・インペリアル ボールペン】。これは実にすばらしい。この細い軸にセーフティ機能が組み込まれている。クリップのホワイトドットと逆の端を押すと芯が出る。ホワイトドットを押すと芯が引っ込みポケットに挿せる。それがこの細い銀軸で出来るのは感動物。いままでに使ったボールペンで最も好きな物は?という質問には、シルバー・インペリアル or Montblanc・ボールピックスと答える。部下の異動の記念品用として合計で50本は購入したなぁ。ペンシルなら早川シャープ復刻、ボールペンならシルバー・インペリアルが異動・結婚記念品の【my定番品】じゃった。自分が欲しいものを進呈するのが基本じゃからな。
インペリアル・ソボリンも好きな万年筆じゃったが、ゴシゴシこすると表面がフケのようにハラハラと剥がれる事があるので注意が必要。ソボリンにしろインペリアルにしろ、Parker 75の格子柄を意識しているのは確かだが、斜め格子にしたため、真似してる!という評価にはならなかったようじゃ。
まだタルガ・スリムあるいはスリム・タルガと呼ばれた細軸はラインナップに入っていない。また純銀軸が模様と値段の違いで2種類ラインナップされている。日本では模様にお金を払う風習がなく、素材にお金を払う気持ちが強かったので、ライン模様より格子模様が2000円高いという価格設定の結果、売れ行きがどうなったの知りたいものじゃ。
Sheafferではその後もタルガ純銀軸は何種類か出しているが、カタログには1年に一種類しか掲載しない戦略だったと思う。【輸入筆記具カタログ】。
この時代の純銀軸はクリップが銀色なのにペン先が金色ということで、筆記時の色のバランスが悪い。拙者、ペン先をロジウム&銀で鍍金してバランスをとっている。それについてはTARGA その1 をごらんくだされ。なをTARGA その2 はインペリアル・ソボリンと同じ模様のTARGAじゃ。
昭和51年の【THE PEN】 その6
昭和51年の【THE PEN】 その5
昭和51年の【THE PEN】 その4
昭和51年の【THE PEN】 その3
昭和51年の【THE PEN】 その2
昭和51年の【THE PEN】 その1
過去のTARGAに関する投稿
TARGA その2
TARGA その1