2006年07月31日

ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その2

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 大いなる勘違いをしていたようじゃ。パーカー75、65、61、51、45、21が同時に掲載されているカタログは珍しい物ではなさそう。当時の日本には相当量のParker 51などの流通在庫があったようじゃ。世代の切り替えがスムーズにいってなかったのかもしれん。何故かVPはカタログ落ちしている・・・吸入機構が割れるトラブル多発が原因じゃろうな。

 Parker61/51のブレの無い書き味に慣れてしまうと、Parker75のグリグリとした書き味に(当初は)なじめなかったのかな?あるいは消費者ではなく販売側(万年筆の専門家)がParker 61/51に固執したのかもしれない。

 ともあれParker75は(その後)ものすごい勢いで売れたはずじゃ。田舎に住んでいた拙者の父親でさえ持っていたからな。

 表紙写真のフラーメには【0】マークが首軸先端に入っているが、2頁目の定番品には入っていない。Parker75はかなり頻繁にモデルチェンジを繰り返していたので、一枚のカタログに複数世代のモデルが混じるのは珍しいことではない。

 今回のカタログで一番勉強になったのは、モデル名の日本語がついていること。

フラーメ−−−−−−−情熱の炎
グレン・ドルジュ−−−細やかな綾織
ゴドロン−−−−−−−きらめく流星
エコセー−−−−−−−優雅なタータン
ディアマン−−−−−−まばゆい宝石
パルレー−−−−−−−清らかな真珠

 全てのパターンを見た事はあるが名前を知っていたのは上から3つだけ。あとは今回がはじめて聞いた名じゃ。しかも日本語解説はどれも初めて。【フラーメ】は蝋燭の炎の揺らぎを表現していると万年筆店で聞いていた。それが【情熱の炎】という抽象的な表現とは知らなかった。ほかのパターン名は実態と近いパターン名称なのじゃがな。【フラメンコ】と関係があるのかも・・・・

 パーカー75が13,000円というのにはビックリじゃ。65の金貼りの方が14,000円で高かったのか!

 パーカー75の国内最終価格は25,000円。ものすごくコストパーフォマンスの良い万年筆じゃった。首軸が痩せてしまうトラブルが無ければもっと長寿命だったかもしれない。

 この時代のParker75のイリジウムは手溶接で大きな玉をつけているとフレンド商会のおばさまから聞いた記憶がある。たしかにイリジウムの付き方は違うのだが、機械溶接であれ手溶接であれ【電気溶接】であることは確か・・・何が違うのじゃろう・・・

 手溶接と言われているものは、押しなべて細字はインクフローを絞って字幅を出している。それに対して機械溶接と言われるものは、小さいイリジウムで字幅を出している。書き味を比較すれば買ったままなら機械溶接のほうが上のはず。インクフローが渋い手溶接はイライラするじゃろう。

 ただし調整を前提と売ればがぜん手溶接が脚光を浴びる。イリジウムを調整するには玉は大きいほうが良い。一度手溶接のイリジウムを調整してみたいものじゃ。何本か持って入るがコレクションなので調整は施さないのでな。

 ああ・・・生贄が欲しい!


 これまでのパーカーのカタログ

 2006-07-24  ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−3
 
2006-07-17  ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−2
 
2006-07-10  ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−1
 
2006-06-26 昭和51年の【THE PEN】 その5

  パーカー VPに関する記事 & 75初年度モデル /  65関連記事

 
2005-09-18  Parker VP Blue  【綺麗だけど切れやすい】
 
2005-07-30  Parker75の本当の初年度モデル
 2005-09-19  初代Parker75再登場
 2005-09-20  パーカー混乱期の名品 Parker 65



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
monolith6しゃん

ありがとさん。あれが3万円だったとは。
どこでも大安売りでしたからな。
おそらくは首軸の素材を改良するのも目的だったのでしょうが、あまりにチープになって、ファンが離れましたな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年08月12日 03:17
 日本や英国、ドイツやイタリアでは14K、アメリカやフランスでは18Kでした。要するに、ペン芯に櫛溝をいっぱい付けて、首軸をもっと丸く仕上げた最終タイプのニブが付いていたタイプです。
Posted by monolith6 at 2006年08月11日 01:43
まあぼんしゃん

首軸自体が収縮して変形するのじゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年08月04日 03:55
monolithしゃん

3万円? どんなペン先でしたかな?
Posted by pelikan_1931 at 2006年08月04日 03:54
>首軸が痩せてしまうトラブルが無ければ
>もっと長寿命だったかもしれない。

私の所有する75は、首軸の金属とプラスチックの間から
インクがじわぁっと漏れて指が汚れます。
デザインは大好きなのですが最近使っていません。
首軸が痩せるというのは、
この現象の事をおっしゃっているのでしょうか?

Posted by まあぽん at 2006年08月03日 23:10
 75万年筆の国内最終価格は3万円でした。
Posted by monolith6 at 2006年08月01日 07:12
298しゃん

それはフライターです。
右から2枚目の図の一番左ですな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年08月01日 04:17
我家の45は若々しいフライター君ではなかったようです!! 尻軸が黒のプラスチックですから、ここの写真のフライターとすこーし違う  笑 いろんなバリエーションがわかって面白いですね〜♪ 
Posted by 298 at 2006年07月31日 23:38