万年筆博士の小型エボナイト軸
2005年の10月に行われた【神楽坂における最後の万年筆博士のイベント】で注文しておいた万年筆が2006年の4月に届いた。本来は鳥取の万年筆サミットで受け取る予定じゃったが、骨折した足首が治っておらず、鳥取行きを断念する旨連絡したところ、予定より早く届いた。
キャップを締めた時に出来るだけコンパクトになること、Pilotのコンバーター50が装着出来ること、ペン芯はセーラーを使うこと、という条件でお願いしたもの。出来上がってみると、全長13�僂曚鼻�キャップを締めると非常にコンパクトじゃ。キャップを後ろに挿した時の全長は15.3�僂如�筆記するには十分な長さを確保している。
今回の依頼の目玉はイリジウムをまったく研磨しない状態で出荷いただいたこと。左の３枚の写真がその状態じゃ。まったくの未調整のため、スリットはビチビチに詰まっているし、イリジウムは玉のまま！
実は、この状態のイリジウムを見たことが無かったので、特別に頼んで未調整のものを出荷いただいたのじゃ。
拡大すると、イリジウムの取り付け方がよくわかる。
なんとイリジウムを電気溶接したままの状態じゃ。高温で解けた金の部分はイリジウムを包むように延びている。いったいどういう力が働いてイリジウムがくっついているのじゃろう？金とイリジウムが混ざり合うことは無いからなぁ・・・
いずれにせよ、わくわくしながら調整する日が来るのを待っている。その日とは、12月17日。そうWAGNER発足一周年記念の日じゃ。
それまでは、ひたすら我慢！非常に調整というか成型しがいのある丸玉じゃ。
実はまだどういう形状に研ぎ上げるか考えておらん。はて、どうしようかなぁ・・・Kugel状にするか、長刀状にするか、Zoom状にするか・・・あるいはこのまま使ってしまおうか・・・
こうやって悩んでいる時が最も楽しいのぅ。
中にはコンバーター50がキッチリと入る。その大きさぎりぎりに作っていただいた。エボナイトの素材はスティピュラ・ノベセントの青軸といっしょ。それがクリップやキャップリングなどの金属装飾を一切省くと、ここまで可愛くなる！
企画大成功じゃった。あとはどういう書き味に調整するか・・・ベタではなく一捻りしないとな・・・・さて？ 過去の万年筆博士の記事
2005-10-24 親の仇のように使う意味 万年筆博士 田中晴美 50周年
2005-10-26 最初の万年筆博士 黒水牛軸
2005-10-27 最初の万年筆博士 黒水牛軸 続き
2005-10-28 万年筆博士の鼈甲軸 あっという間に出来上がった！
Posted by pelikan_1931 at 07:00│
Comments(22)│
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万年筆
合点
ぴよぴよしゃん
URL参照してくだされ。
秘密兵器？なんでしょう？
複雑なカメラの加工は、自分で部品の図面を引いて加工は知り合いの加工屋さんにお願いしてました。(^^;;
ぴよぴよしゃん
もちろん愛用してますよ・・・してましたよかな。
秘密兵器が出来てから必要なくなったのじゃ。
師匠
グイラインダーの件、
以前、カメラの改造に嵌っていたときによく使っていましたが、
ＰＲＯＸＯＮなどの小型電動ツールが手軽で良いと思います。
これ一台で小さな面積のバフかけや、ダイカストからガラスなどのカットまでが
思うようにできます。
難点はツール(刃)の半径が小さいこと。
すこし工夫がいるかもしれませんね。
二右衛門半さん＞
Traco music pen 画像 アップしました。
http://blog.livedoor.jp/rubbish_lover007/?blog_id=1815439
Tracoのこと、ドイツの文具ブランドという以外、私も良くわからないのです。
この間，Ｓｏｅｎｎｅｃｋｅｎのカリグラフィー教本を入手したので、
自分のサインをこれでデザイン中です。でも、難しい・・・
OMAちゃん
コンバーター５０はPilot製で、回転吸入式のコンバーターじゃ。
吸入量はほんのちょっぴり・・・
２９８しゃん
Zoomの調整前のようです。
どーむしゃん
構想はだいたいできたので、お楽しみに。
二右衛門半しゃん
H.Worksで聞いた話では、細長いイリジウムを溶接していた事があるとか。
Extra Heavy Broad Italic は本物を見た事が無いので、なんとも言えんが・・・欲しい！
tenmaしゃん おひさしぶり
本当はグラインダーが欲しいんじゃがなぁ・・・
ペーパーだけで調整するのは時間がかかる。
今までとはまったく違った調整にするのでお楽しみに。
ぴよぴよしゃん
オーダーの楽しさの一つは【待つ事】ですな。
monolith6しゃん
あ、ほんとだ、Zって彫ってある。見落としてました・・・！
コンバーター50ってFalconについているものですか？
Falconのコンバーターが一番インクがはいるという記事を読んだ記憶があります。
わー！飾り気のないシンプルでコンパクトなこの万年筆は大好きですね。フローを少し抑えめの細めのSTUB（師匠のSTUBはペン先が板の用にならない所が好きです）がいいなー。ちょっともったいない気もしますが・・・
もしや来年あたりバーグナーオリジナルがいよいよ登場ですか？
でっかいイリジュウムですね！！ ポイントの大きさだけから言うと・・クロスポイントのくらいありますかね？ 設計がポイントですね （笑）
すごいですねぇ、これ。。。（￣▽￣;）
未調整のイリジウムは写真ですら初めて見ました。
経過もアップしていただけると我々も楽しめるので、是非お願いします(￣人￣)
ところでぴよぴよさん、つかぬことを伺います。
Tracoと書かれておられますがこれはメーカー名でしょうか？
近頃名前を聞いたことがあるのでどんなメーカーなのか気になります、気が向いたら説明よろしくお願いします。
モンブランのSポイントを彷彿とさせますね、尤も実物は持っていないのでなんともいえませんが・・・。
この状態から使える状態まで持って行かれるとは・・・私から見れば神業にも等しいです。私の持っているPalerVP Extra Broad Executiveニブ（幅1mm、長さ1mm弱）とほぼ同じかそれより大きそうです、Paker75内のニブの写真が掲載されている頁についてURLに入れておきました。
しかしこのURLにあるExtra Heavy Broad Italicってどんなニブなのでしょう？
確かイリジウムポイントはニブに溶接するときはpelikan_1931さんの写真の通りまん丸だったはずですよね？と、いうことはイタリックの薄いニブも溶接する際にはまん丸だったということが考えられます。
この推理はあっているでしょうか？
お久しぶりです。いつも拝読させて頂いています。
この大きさで高度の高いイリジウムだと、さぞ切り割が大変だと察します。
デカいですねぇ〜（￣ー￣）
表も裏も自由に使えるため、どんな形状にも研ぎ出せますね。
丸の状態から削ることは、通常の調節と全く異なった感覚がします。
左右からなのか、上下からなのか、全体を均一にか･…
研ぎ始めは、どこからなのか、悩みます。
どんな形が出来上がるか、ワクワク(・∀・)。
是非、仕上がりの画像を見せてください。楽しみにしています。
師匠、綺麗な軸ですね！それにイリジウムの球もとても綺麗。
この状態のまま、表面を少しだけ荒らして使うってのが良いんではないかしらと思います。
で、スタブに成るまで使い込む。100年以上はかかるでしょうね。（200年？）
それぐらい長生きして、このブログを続けてください。
私もオーダーしたい案があるんです。
太いピストンフィラーの軸に柔らかいミュージックニブを装着した物。
同じく太いピストンフィラー軸にクロスポイントのミュージック版。
今、愛用のズタボロTracoミュージックは、イリジウムがちびてほとんど無いのと、
軸が小さくてインクがすぐ無くなってしまうのです。
前者はともかく後者は出来るのかしら。
異なる会社のペン芯、それを受ける首軸、そしてコンヴァータ、一体どうやって装着可能にしているのか、とても不思議です。
ニブは元々、「Ｚ」と刻印されているんですね。あの独特の形状に仕上がっていないズーム・ニブというものを初めて拝見しました。
2005年の10月に行われた【神楽坂における最後の万年筆博士のイベント】で注文しておいた万年筆が2006年の4月に届いた。本来は鳥取の万年筆サミットで受け取る予定じゃったが、骨折した足首が治っておらず、鳥取行きを断念する旨連絡したところ、予定より早く届いた。
キャップを締めた時に出来るだけコンパクトになること、Pilotのコンバーター50が装着出来ること、ペン芯はセーラーを使うこと、という条件でお願いしたもの。出来上がってみると、全長13�僂曚鼻�キャップを締めると非常にコンパクトじゃ。キャップを後ろに挿した時の全長は15.3�僂如�筆記するには十分な長さを確保している。
今回の依頼の目玉はイリジウムをまったく研磨しない状態で出荷いただいたこと。左の３枚の写真がその状態じゃ。まったくの未調整のため、スリットはビチビチに詰まっているし、イリジウムは玉のまま！
拡大すると、イリジウムの取り付け方がよくわかる。
それまでは、ひたすら我慢！非常に調整というか成型しがいのある丸玉じゃ。
中にはコンバーター50がキッチリと入る。その大きさぎりぎりに作っていただいた。エボナイトの素材はスティピュラ・ノベセントの青軸といっしょ。それがクリップやキャップリングなどの金属装飾を一切省くと、ここまで可愛くなる！
