このカタログの時代が、日本市場におけるパーカー黄金時代じゃろう。日本でバカ売れしたのはParker 51と聞いているが、実際にはParker 75の方が売れたと思われる。本数だけならParker 45の方が多かったかもしれない。
このカタログは1974年1月1日付け。このカタログを印刷していた時点では、1973年10月に発生した石油ショックのことなど頭に無かったであろう。超高度成長で、初任給が毎年べらぼうに上がっていた時代だった・・・・・
Parker 51や61、65も良いが、やはりParker 75のパチン!とキャップが締まる音は格別じゃ。万年筆は音でも楽しむ物ということを教えてくれた逸品じゃ。その後のプリミエではパチンではなく、プスンという音になってしまった。あの音と首軸の質感が低い面が改善されていたら、デュオフォールド・センテニアルの時代は来なかったかもしれない。
このカタログの右端の頁にはParker 75 プラサ・ヴァンドームのバリエーションが出ているが、前回【その2】で紹介した、ゴドロン【きらめく流星】とグレン・ドルジュ【細やかな綾織】が消えている。この2つの紋様はカランダッシュでも定番としてあった。おそらくは日本で一番受けた紋様で、すぐに売り切れたと思われる。
豊かさを象徴しているのが【ペンスタンド】じゃ。この2本挿しのペンスタンドには惚れてしまった。何故ペンスタンドにカレンダーが付いているのか? 海外の契約書には、万年筆でサインした後、日付もペンで書き入れていた。従ってすぐに目に付くあたりに日付が表示されている必要がある。当然、ペンスタンドに表示されているのが一番見やすい。そして日付をセットするのは秘書の役割。上司の机を拭き、ペンスタンドの日付をセットするのが朝一番の仕事じゃったろう。古き良き時代!
これまでのパーカーのカタログ
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2006-07-24 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−3
2006-07-17 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−2
2006-07-10 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−1
2006-06-26 昭和51年の【THE PEN】 その5
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