村上富洋氏執筆の【ダンヒルナミキと蒔絵万年筆】の寄稿文には数多くの万年筆関係者が一文を書いているが、その中でアメ横マルイ商店の白井英明氏の文が興味深いので引用する。
【 当店は戦後の闇市の時代から万年筆を扱いはじめ、はや50年となります。その間、パーカー・シェーハー全盛時代からモンブラン、そして昨今のカラフルなイタリー製万年筆の登場にいたるまで、日本における万年筆の歴史を見いてきました。 以下略 】
すなわちSheafferはParkerと並んで、日本の万年筆市場でトップを並走した時期を持っていたということじゃ。昔からのSheafferファンにとっては、今の状況は寂しいものがある。
日本市場ででSheafferが失速したのは、セーラーとの提携を切った事にあると想像している。提携解消の前は、Sheafferに関する部品購入や、クリップ交換などは直接セーラーの修理部隊に電話をかけるとすぐに対応してくださっていた。
ある時、伊東屋の店頭で【ある米国メーカーが日本の代理店との提携を解消も考慮に入れて調査している】と聞いた時には、それがSheafferであるとピンときた。いくら米国メーカーでもそんな愚かな事は出来まいと経験上考えていたのじゃが、その1年後、見事に提携は解消され、それからSheafferの没落が始まった。どんなブランドでも、メンテナンス部隊が国内にいないと顧客満足度は高められないものじゃ。
左頁のSheaffer社の歴史は興味深い。VintageのSheafferにはフォートマジソンとの刻印があるので、てっきり本社もそこだと考えていたら、ピッツフィールドだったとはな。
それにしても下に示したカタロ群を見ても、いかにSheafferが日本で栄えたかがわかろう。この全盛時代に万年筆に興味を持っていたらト残念でならない。このカタログの時代はスランプ時代かな・・・・
【Sheafferのカタログに関する過去記事】
2006-07-11 昭和51年の【THE PEN】その7 【Sheaffer】
2006-07-03 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その8−3
2006-06-26 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その8−2
2006-06-19 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その8−1
2006-06-05 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その7−2
2006-05-29 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その7−1
2006-05-24 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その6−3
2006-05-21 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その6−2
2006-05-18 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その6−1
2006-05-15 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その5
2006-05-13 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その4−4
2006-05-11 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その4−3
2006-05-08 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その4−2
2006-05-05 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その4−1
2006-04-30 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その3
2006-04-29 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その2
2006-04-28 ひと昔前のカタログ【Sheaffer】その1