パーカーの豪華カタログの2回目は、上の4枚じゃ。一番左は通称【レインボー】と呼ばれた物。物品税の時代に3万円、消費税の時代に5万円で売られていた。完品で出てくれば10万円が相場じゃが、新品未使用でも鍍金が剥がれていることが多い。それでも8万円を下る事は無い。 左は拙者が2003年に尾道で購入したもの。頑固な店主は最終定価が5万円であっても、仕入れた時の定価は3万円なのでそれで良い!といって3万円以上受け取ろうとしなかった。これは鍍金剥れがほとんど無い超美品じゃった。現在は長期間リージェンシーを捜していた方の下へ嫁いでいる。インクを入れてガシガシ使われているそうじゃ。
それにしても虹色パターンをどうやって鍍金したのじゃろう?鍍金をかじっている身としては鍍金の塗りわけの難しさは痛感しているので不思議じゃ・・・
左から二番目の画像では、定番品の代表であった純銀軸【25,000円】とバーメイル軸【35,000円】に心を奪われる。Montblancなどは定番品は地味で、限定品は派手じゃが、Parker75に限っては定番品が一番派手なパターンじゃ。
バランスも良く、グリグリと書ける独特の筆記感は慣れてしまうとたまらない。首軸の樹脂は非常に熱に弱い。Parker75のトラブルのほとんどが首軸痩せじゃが、高温のお湯に浸けるといとも簡単に変形する。炎天下に出しっぱなしもダメ。首軸内部にインクを保持する部分があり、洗っても洗ってもインクが出てくる。お湯を入れて一挙に!なんて気持ちになるが絶対にお湯はダメ!すぐに変形してしまうのじゃ!
3枚目の画像はおそろいのボールペン。Parker75のボールペンはキャップノック式。これは携帯電話時代になって見直されてきている。一時は高級ボールペンは全てキャップ回転式になったが、片手で筆記状態にセットする必要がある携帯電話時代にはノック式のほうが良い。拙者はParker75のボールペンはたくさん持ってる。大好きじゃ!
右端の画像にはParker180が掲載されている。最新型と書かれているので日本国内投入初期のモデルじゃろう。【一本で細字と太字の両方が書けます】とあるが実際にはXFとMじゃ。当時の日本ではXFやEFを細字、Mを中字と表記していた。日本製万年筆の極細はXFよりもさらに細かったのでな。
単にインクフローが悪いから線が細くなっていただけかな?と最近思うようになってきた。事実、最近の日本製のEFは海外製のEFと変わらない線幅になってきている。これはインクフローの良い万年筆が好まれるようになって、ペン芯の設計か、出荷時のスリット調整を変えたのではないかと想像している。実際にメーカーがお客様と直接接するペンクリなどの効用が発揮されてきたのかもしれない。
ほとんど無視されることの多いParker180じゃが、ちゃんと調整した物はすばらしい書き味になる。下の赤文字の紹介記事を参考にされたし。
これまでのパーカーのカタログ
2006-08-14 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その4−1
2006-08-07 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その3
2006-07-31 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その2
2006-07-24 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−3
2006-07-17 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−2
2006-07-10 ひと昔前のカタログ 【パーカー】 その1−1
2006-06-26 昭和51年の【THE PEN】 その5
Parker 75初年度モデル関連記事
2005-07-30 Parker75の本当の初年度モデル
2005-09-19 初代Parker75再登場
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