いったい何時の時代のカタログだろう? LAMY 2000 が7500円とは!過去に紹介した【昭和51年のTHE PEN】ではLAMY 2000は9000円だったので、それ以前ということになる。
LAMY2000は1966年(昭和41年)にゲルト・アルフレッド・ミュラーデザインとして発売された。その前年にプロトタイプとして作られた物の写真が【ラミーの全て】の71頁に掲載されている。
ミュラーは拙者の父も愛用していたBRAUNの髭剃りのデザイナーでもあったようだ。どうりでLAMY2000に遭遇した際、何か懐かしい感じがしたわけじゃ!ちなみに拙者もBRAUNを20年以上愛用しておった。
このLAMY2000は発売以来基本デザインを変えていないことでは、世界最長じゃろう。Montblanc No.149の方が長い!との説もあるが、No.149の1960年代モデルと1970年代モデルでは、ピストンの内径が異なるので、基本デザインが同じとは言い難い。
その点、LAMY2000では変化は5%未満じゃろう。それほど完璧な出来の万年筆! 拙者はつごう6〜7本購入したが現在は一本も所有していない。調整をしなくても最初から書き味が良い!ということは、拙者にとっては調整の余地が出てこないわけで楽しめない。残念!
最初にアメ横でLAMY2000を試筆した時の衝撃は忘れられない。非常に硬そうな形状なのに【水飴のような滑らかさを持つ書き味】じゃった。当時は研ぎ調整とインクフロー改善調整の差がわからなかったので、感激した原因がどちらにあるのかはわからない。たぶん後者であろう。
一時は他の全ての万年筆のインクを抜き、LAMY2000にペリカンのファウントインディアを入れて使っていた。それほどまでに心酔していた万年筆なのだが、書き味が平坦なのですぐに飽きてしまう。この【飽き】はLAMY万年筆を使うときには必ず経験する。品質が安定するほど個体差が少なくなり、また、個体の中での書き味の振れ幅も小さくなる。結果として楽しめる変化要因が少なくなり、飽きてしまう。
拙者が一番楽しめたのはLAMY profil じゃな。これは【ラミーのすべて】の90頁に紹介されている。オープンニブで個体差もあったのと、握りやすかったのでLAMY2000よりは愛用した。
このカタログに紹介されているLAMY 25は、【ラミーのすべて】では 製品名・年代不詳として89頁に記載されている。わかってよかった!
どうやらこのカタログは1966年から1968年ごろの物のようだ。1969年になるとLAMY design 20が発売されている。これがカタログに掲載されないわけが無いからな。
2006-06-06 昭和51年の【THE PEN】その2 Lamy