2006年09月24日

ひと昔前のカタログ 【LAMY】

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 いったい何時の時代のカタログだろう? LAMY 2000 が7500円とは!過去に紹介した【昭和51年のTHE PEN】ではLAMY 2000は9000円だったので、それ以前ということになる。

 LAMY2000は1966年(昭和41年)にゲルト・アルフレッド・ミュラーデザインとして発売された。その前年にプロトタイプとして作られた物の写真が【ラミーの全て】の71頁に掲載されている。

 ミュラーは拙者の父も愛用していたBRAUNの髭剃りのデザイナーでもあったようだ。どうりでLAMY2000に遭遇した際、何か懐かしい感じがしたわけじゃ!ちなみに拙者もBRAUNを20年以上愛用しておった。

 このLAMY2000は発売以来基本デザインを変えていないことでは、世界最長じゃろう。Montblanc No.149の方が長い!との説もあるが、No.149の1960年代モデルと1970年代モデルでは、ピストンの内径が異なるので、基本デザインが同じとは言い難い。

 その点、LAMY2000では変化は5%未満じゃろう。それほど完璧な出来の万年筆! 拙者はつごう6〜7本購入したが現在は一本も所有していない。調整をしなくても最初から書き味が良い!ということは、拙者にとっては調整の余地が出てこないわけで楽しめない。残念!

 最初にアメ横でLAMY2000を試筆した時の衝撃は忘れられない。非常に硬そうな形状なのに【水飴のような滑らかさを持つ書き味】じゃった。当時は研ぎ調整とインクフロー改善調整の差がわからなかったので、感激した原因がどちらにあるのかはわからない。たぶん後者であろう。

 一時は他の全ての万年筆のインクを抜き、LAMY2000にペリカンのファウントインディアを入れて使っていた。それほどまでに心酔していた万年筆なのだが、書き味が平坦なのですぐに飽きてしまう。この【飽き】はLAMY万年筆を使うときには必ず経験する。品質が安定するほど個体差が少なくなり、また、個体の中での書き味の振れ幅も小さくなる。結果として楽しめる変化要因が少なくなり、飽きてしまう。

 拙者が一番楽しめたのはLAMY profil じゃな。これは【ラミーのすべて】の90頁に紹介されている。オープンニブで個体差もあったのと、握りやすかったのでLAMY2000よりは愛用した。

 このカタログに紹介されているLAMY 25は、【ラミーのすべて】では 製品名・年代不詳として89頁に記載されている。わかってよかった!

 どうやらこのカタログは1966年から1968年ごろの物のようだ。1969年になるとLAMY design 20が発売されている。これがカタログに掲載されないわけが無いからな。


  2006-06-06 昭和51年の【THE PEN】その2  Lamy
 



Posted by pelikan_1931 at 09:00│Comments(11) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
monolith6しゃん

その差の原因をしりたいものじゃ。
内径の変化かピストンのストロークの変化か・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年09月28日 06:17
 この間、書き忘れましたが、ニブが18Kから14Kへと変更になったのと呼応するかのように、インクの吸入量が以前よりも少なくなりました。当初は1.3ccほど吸入できましたが、14Kへと切り替わって以降は、1.0ccになってしまってます。
Posted by monolith6 at 2006年09月28日 03:36
pelikan_1931さん、monolith6さん、ありがとうございました。
Posted by 二右衛門半 at 2006年09月26日 06:56
monolith6しゃん

ありがとしゃん。
Posted by pelikan_1931 at 2006年09月26日 05:28
>このあたりはmonolith6しゃんが知っているかもしれん。

 お呼びがかかったのでしゃしゃり出て参りましたが、私も実は余り詳しくはありません。自分が知る限り、1980年のペン・カタログでは、ラミー2000のニブが18Kプラチナ仕上げとして紹介されているので、14Kに切り替わったのはそれ以降だと思います。
Posted by monolith6 at 2006年09月26日 00:55
フリッツしゃん

こいつのインクフローの良さは抜群ですからな!
Parker 100が廃盤となった今となっては、ニブの出方が一番少ないかもしれんな。
Caplessはハート穴が外に出ているので対象外だな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年09月25日 06:25
私も管理人さんと同様、LAMY2000 は好きですが、今は持っていません。むしろ現代における、この万年筆の存在自体に共感し頼もしさを感じているのかもしれないなァ。それからもう一つ! このモデルは長寿であると同時に、現代に残る唯一のフーディッドニブ万年筆であること。これからも行き続けて欲しい万年筆ですね。
Posted by フリッツ at 2006年09月25日 00:59
二右衛門半しゃん

> ラミー2000、ペン先が18Kから14Kに変更になったというのはいつ頃なのでしょう?

このあたりはmonolith6しゃんが知っているかもしれん。
首軸を完全分解すると、ペン芯の上の部分に緑色の部分があるのが18金モデルだったと思う。
Posted by pelikan_1931 at 2006年09月24日 14:07
watarowしゃん

LAMYはプロダクトデザインとしては秀逸じゃ。
ただし素材的に指にフィットしないものもある。たとえばペルソナのチタン軸。あれば滑って筆記できなかった。黒軸とプラチナ鍍金軸は大丈夫だった。

いずれも書き味は均一。ペン芯に巻き込んであるので調整も難しい。
要するに調整で直せる範囲が狭いのも拙者が興味をなくした理由じゃ。
Parker 51もそうじゃが書き味が均一な万年筆は大ヒットする。が、後世での評価は今一歩になる。経年変化を調整でカバー出来ないからじゃ。

名品は歴史が決めるのじゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年09月24日 14:00
ラミー2000、ペン先が18Kから14Kに変更になったというのはいつ頃なのでしょう?
太さや長さもちょこちょこ変更されているとも書かれているのを見たことがあります。

それにしてもぺんてるが輸入元になっていたとは!
Posted by 二右衛門半 at 2006年09月24日 13:59
やあーっ、親方は、ラミーの万年筆なんてモダンデザインには、眼を向けないのかと思いこんでおりました。失礼!生け贄としては、面白くないのですね。な〜るほど、です。
「水飴のような」書き心地と聞けば、試してみたくなるのが人情。どこぞで対面してみたいものです。
Posted by watarow at 2006年09月24日 13:29