万年筆評価の部屋:豊富な模様を誇った【Packard Combo】グリーン・マーブル軸

　海外のインターネット・オークションを始めたころは、日本で手に入らない珍しい物を中心にbidしていた。日本で手に入りにくい物・・・それは安くて無名の物。その類は商売として効率が悪いのでVintage万年筆を扱う店では積極的には仕入れない。集めている人も少ないので面白い！と考えたわけじゃ。そこで選択したのがCombo。

　最初は海外との取引はおっかなびっくり・・・なんせ英語での住所の書き方すら知らなかったのでな。

　Comboに目をつけたのは良かったのだが、結構高い！ちょうど拙者がComboを買い始めたころ、海外でも３人のComboコレクターがいた。３人でころあいの良い値段で折り合っていたところに拙者が乱入したので、相場が倍以上になってしまった。現在の方がよほど安い。

　オークションの世界で相場を上げるのはほんの数人。彼らが競い合えば相場は上がる。買い手同士の協力関係が構築できれば相場は下がる。

　結局、かなり高い相場で100本ほど購入し、修理できるものは修理し、お嫁に行くものは行き、ゴミ箱に行くものは行き、17本が手元に残っている。一番本数が多いのが【Packerd Combo】。色のバリエーションが豊富で、作りが良い。軸が太くて万年筆側もペンシル側も非常に持ちやすい。

３つに分解したのが左の画像。消しゴムが新しいが、これはParker Duofoldのペンシル（0.92㎜）用の替消しゴムを削って作ったものじゃ。

　万年筆はレバーフィラーで、構造はJ-barで押さえる最もシンプルな形式。このComboのバランスは拙者の筆記スタイルにピッタリ！

　実はComboはペンシル側の機構が万年筆側の機構より重い。従って万年筆で書く状態ににしてキャップをペンシル側に挿すと、重心は消しゴムを取り付ける金具のあたりになる。これはMontblanc No.146よりも重心が後ろにある状態。拙者にとっては最高のバランスになる。

　Vintage Comboの場合、ほとんどが鉄ペンなのでニブのいたるところが腐食している。その部分を丹念に削って、磨いて、再鍍金するのも楽しみのうち。

　鍍金は鏡面でないとうまくかからない。従って鏡面出しの為の磨きが明暗を分ける。左の画像は、スチールむき出しだったペン先を磨いて、鍍金マスク液でマスクしながらバイカラーに塗り分けた。拙者はバイカラーのペン先は嫌いじゃが、自分で作る分には許せてしまう。しかし、20ドルもしなかったComboのペン先の鍍金に、1万円分以上の鍍金液を使ってしまった・・・バイカラー鍍金はムダが多い・・・慣れないと失敗も多いしなぁ・・・

　イリジウムはついていなくて、スチールのペン先の先端をペンチのようなもので、縦に摘んだような形状のペンポイント。極悪非道の書き味じゃが、多少の調整をほどこせば、重心位置が良いせいもあって、絶妙の書き味を提供してくれる。

　最近めっきり出番の減ったComboだが、研修や出張などの時には必ずこれを持っていく。落しても惜しくないから・・・というのが表の理由じゃが、裏の理由は・・・旅先での気分転換と利便性じゃ。旅行では極力荷物の数を減らしたいのでな。

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万年筆評価の部屋

2006年10月19日

豊富な模様を誇った【Packard Combo】 グリーン・マーブル軸

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