2006年11月01日

水曜日の調整報告 【 Parker Duofold International XXB 】

2006-11-01 左はパーカー・デュオフォールド・インターナショナル・マーブルグリーン軸の万年筆とペンシル。スキャナーで画像を取り込むと赤系統の濁った色が混じるが、本物は濃い緑のマーブル模様で非常に麗しい!NYに万年筆を買いに行った時に、日本では発売されていない緑軸を見つけて速攻で購入した。

 アメックスの通信販売で売られた事があるらしいが、日本市場では緑軸は売れないというジンクスがあるらしく、過去緑軸の万年筆の市販は少なかったようじゃ。緑軸の万年筆というのを凝視してみると、日本の自然の中にはほとんど存在しないような色合いの物が多い。マラカイト軸なんてのはその典型。それで違和感があって売れなかったのかもしれない。このマーブルグリーンは自然な色合いであり、日本市場でもマーブルレッドよりは受け入れられたと思うがな。

2006-11-02 インターナショナルの軸は非常に優れた設計になっている。キャップを後ろに挿しても、カタカタとキャップがぐらつかない。キャップ回転式の宿命といわれる【キャップカタカタ】が無いのでイライラしないで筆記出来る。Montblancの作曲家シリーズやPelikanのM600系はこの点で拙者の日常使いにはならない。

2006-11-03 これが調整前のXXB。XXBはExtra Extra Broadなので、Pelikan流に表現すれば3B、Montblanc流に表現すればBBB。最近のデュオフォールドはBまでしかラインナップされていない。従って拙者が今後デュオフォールドを購入する事は無い。極太ペン先こそがデュオフォールドの良さじゃからな。

2006-11-04 XXBの調整前の拡大画像が左じゃ。この角度では見えないがスリットの開きは少ない。紙に当てると円弧の一部が紙に接する感じ。イリジウムが大きい割りに線幅が細くて損したような感じがする。

 先日行われたフェンテの集いで実験してみた。1日目は調整前のXXB付軸を並べておき、2日目は調整後のペン先付軸を並べておいた。1日目でガッカリした人の半分は手に持とうともしない。残りの半分は手に持って書き、昨日と全然違うと声を上げて話した。なんと両日手に持った全員が昨日と違うと識別した。

 前日の試筆を相当真剣にやっていないと書き味なんて覚えていないはず。それを手に持った全員が指摘するとは・・・フェンテ会員恐るべし!

2006-11-05 ではどのように調整したか?この調整に時間は必要ない。必要なのは度胸だけ。320番の耐水ペーパーの上で、普段より力を入れて20文字ほど書く。それで角度を確かめて、8の字旋回や往復運動をその紙の上で繰り返し、ガガガガっと筆記角度に合わせて斜めに削る。

 この作業の直後は無残な姿になっている。ここから1200番耐水、2000番耐水、5000番耐水ときて、金磨きクロスでバフかけしてから、4000番のラッピングフィルムで表面を多少ざらつかせて、試筆。インクがスキップする角度を無くすように研磨。あとは好みの筆記感覚に合わせて表面研磨。拙者は極太の場合はシャラシャラという筆記音が好きなので、2000番の耐水ペーパーの上で本の少し表面を傷つけて筆記音を出す調整にする。最近の流行は筆記音付の調整。ぬるぬるぬらぬらの調整が多少飽きられてきているようじゃ。最近15000番のラッピングフィルムの消費量が激減している。

2006-11-06 調整前と調整中と調整後で、どれほどインクフローは字幅が違うのか確認あれ。

 全てインク壷にいれて出し、ペン芯をティッシュで拭ったあとで筆記したものじゃ。調整中というのは320番の耐水ペーパーで削った直後。この段階で線幅は太くなっている。調整済では、イリジウムの角を落すので、線幅は多少狭くなるはずだが、スリットを開いてインクがドバドバ出る状態にするので、線幅も増える。書いてみると実に気持ちが良い。問題は用途を見つけることじゃな。


これまでの調整記事

2006-10-28   Montblanc 1970年代 No.146 ああ無残! 

2006-10-25   Montblanc 1980年代前半 No.146 B   
2006-10-21   Montblanc No.149 B 至高のペン先   
2006-10-18   Sheaffer Snorkel 青/ 赤  
2006-10-14   Senator  President  B 
2006-10-11   プラチナ #3776 セルロイド 極太  
2006-10-07   Conway Stewart Churchill IB
2006-10-04   OMAS パラゴン BB   
2006-09-30 Montblanc No.254 OBB  
2006-09-27 Montblanc Np.146  丸善120周年記念 
2006-09-23 Montblanc No.149  BBB 
2006-09-20 Pelikan 140 赤 
2006-09-16 Sheaffer Crest 黒 & 赤 
2006-09-14 Soennecken Pony  
2006-09-13 Montblanc No.742-N  

2006-09-09 Montblanc No.252 
2006-09-07 Montblanc No.22 緑 
2006-09-02 Montblanc No.744 OBBB 
2006-08-31 Montblanc No.1465 高筆圧対応化 
2006-08-30 Montblanc  No.149 開高健モデル 
2006-08-26 Montblanc  No.644 グレイ縞 
2006-08-23 Montblanc 1970年代 No.146    
2006-08-19 Montblanc Monte Rosa 
2006-08-16 Sheaffer Tuckaway  

2006-08-10 Montblanc No.256 KOB   
2006-08-05 Conway Stewart Floral   
2006-07-29 Montblanc 1950年代 No.146 
2006-07-22 Montblanc No.74改 Kugel
2006-07-15 シェーファー ノスタルジア・バーメイル
2006-07-08 シェーファー ニュー・コノソアール
2006-07-01 アウロラ 88 オールブラック


Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆