さらにボディにはO3Bのラベルが貼られているが、どうみてもOBB。O3Bは拙者も何本か持っていたし、何本も調整したが、依頼品とはイリジウムの形状が異なっている。これはOBBと知っていながらO3Bのラベルを貼った詐欺と考えられる。ただし、その行為を行ったのが流通のどの段階かはわからない。メーカーで貼り間違えたとは考えられない。明らかにO3Bのラベルは別のものから剥がして、このNo.149に貼ったもの。貼り替え作業を行った際に発生する【皺】がラベルに入っている。メーカー出荷状態のままなら、ラベルの周囲(円周部分)が痛むもの。従ってあらぬ疑いをかけられないためには、ラベルは絶対に位置を動かしてはならないのじゃ。
No.149のなで肩クリップは人気なので、よく流通途中でいかり肩クリップと交換される場合がある。これを見抜くのは購入側が知識を持っておかねばな。No.149の年代の見分け方は文献にも記載されているが、おおむね間違っている。たくさん購入して自分なりの理論を打ち立てた方が良い。
それにしても開高健モデルのエボ焼けは美しい。拙者ならインクなど入れないで飾っておくなぁ。こんなに綺麗なエボ焼けを人工的に発生させるのは非常に難しい。開高健モデルはペン先の厚みが薄いので、裏と同時に表もエボ焼けしやすいようじゃ。ペン先をボディにセットした段階ではイリジウム先端に隙間があったのに、外すと先端は密着している。こういう場合は若干ペン芯が上に反っている。この状態が最高。ペン芯の状態は非常によい。実はこの段階で、ペン先のスリットを開いている。画像ではほとんどわからないが、すぐ上の裏画像と比較すればイリジウム付近の詰まり方に差があるのがわかろう。これはペン芯に乗せて胴体に突っ込んだ時のペン先の開きを考慮に入れてスリット幅を調整している。
これが胴体に差し込んだ状態。これイ所スリットを開くと筆圧をかめた場合にインクが逆流して書けなくなる。この状態にすれば、インクフローも字幅も未調整のO3B以上になる。ここから依頼者の筆記角度に合わせて、ガシガシと削っていく。その作業を見ると目と耳を覆ってしまう人が多い。傍目にはイリジウムを削り落とそうとしているとしか見えない。グラインダーでチャーチャーとエレガントにやるのとは違い、鬼気迫る迫力がある。ぜひWAGNERでご体験あれ!
これまでの調整記事
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2006-10-18 Sheaffer Snorkel 青/ 赤
2006-10-14 Senator President B
2006-10-11 プラチナ #3776 セルロイド 極太
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2006-09-27 Montblanc Np.146 丸善120周年記念
2006-09-23 Montblanc No.149 BBB
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2006-09-16 Sheaffer Crest 黒 & 赤
2006-09-14 Soennecken Pony
2006-09-13 Montblanc No.742-N
2006-09-09 Montblanc No.252
2006-09-07 Montblanc No.22 緑
2006-09-02 Montblanc No.744 OBBB
2006-08-31 Montblanc No.1465 高筆圧対応化
2006-08-30 Montblanc No.149 開高健モデル
2006-08-26 Montblanc No.644 グレイ縞
2006-08-23 Montblanc 1970年代 No.146
2006-08-19 Montblanc Monte Rosa
2006-08-16 Sheaffer Tuckaway
2006-08-10 Montblanc No.256 KOB
2006-08-05 Conway Stewart Floral
2006-07-29 Montblanc 1950年代 No.146
2006-07-22 Montblanc No.74改 Kugel
2006-07-15 シェーファー ノスタルジア・バーメイル
2006-07-08 シェーファー ニュー・コノソアール
2006-07-01 アウロラ 88 オールブラック