やや無骨なル・マン 100/200と比べて、Gentlemanはゴージャスだ。しかし格上の100/200が【MAN】を冠しているのに対して【Gentleman】という名を頂いている。Man と Gentleman ではどちらが紳士的なニュアンスなのかな? トイレにはGentlemanと書かれている事が多い。別に紳士以外はいってはいけないニュアンスは無いなぁ・・・
拙者、Gentlemanは日本で発売された全てのバリエーションを持っていた。ここに紹介されている物以外でも茶色のマーブル軸なども。
細身で重く、インクフローが非常に良いことから、主としてMやB付を用いていた。Watermanの細字の魅力に目覚めた最近であれば、EFやFを購入する。極細で書き味の良い大型ニブというのは以外と無い。大型ニブの場合、ペン先のスリット長も長いので、どうしても筆圧によって段差が出来、それが極細の書き味を損なわせてしまう。エラが張った大型ニブはさらに変動要素が大きい。
過去に拙者が満足した極細ペンはエラが張っていないうえに、ペン先の幅も狭く、長さも短いものがほとんど。Sheaffer ライフタイムのガチガチに硬い大型ニブは例外的に極細の書き味は良かったが、柔らかさが一切無いので、すぐに書き味にあきてしまった。SheafferのスノーケルのEFやWatermanのウォーターミナや、このGentlemanの細字はやはり一級品。もちろん国産品は対象外としての話じゃよ。
いかに書き味が良くても円筒型の軸はいつか飽きる。そして軸の太さが同じであれば、全て同時に飽きてしまう。昨日、大学1年の時に購入したPelikan 120を50年間愛用している方にお会いしたが、ペンの愛し方が違うなと感じた・・・使って愛するんじゃな。ちなみにその方は拙者の何倍もの万年筆をお持ち。数が多いから愛情が薄れるのでは無い。万年筆と思い出をLinkさせて愛している・・・拙者には到底到達できない境地じゃ。
レディ・アガサは発売されたころはまったく人気がなかったはず。ラッカー全盛時代にセルロースで模様を出したボディとケースというのがいかにも貧乏臭いと感じた人が多かったのじゃろう。
ところが、最近では発売された時代を知らない世代の人々(年齢ではなく、その時代に万年筆に触れてなかった人)が血眼になって捜している。素材を気にしなければ確かに美しい万年筆!
絵と同じく万年筆も時代とともに評価は変わる。いつ復刻要望が出るかもしれない。メーカーの方々は金型、設計図、コンバーター等の部品製造治具設計書などを無くさないように保存しておいて欲しいものじゃ。
【過去のWaterman関連記事】
2006-11-12 ひと昔前のカタログ 【ウォーターマン】 その3−1
2006-09-25 ひと昔前のカタログ 【ウォーターマン】 その2
2006-09-18 ひと昔前のカタログ 【ウォーターマン】 その1
2006-08-22 その後の【THE PEN】 その5
2006-07-18 昭和51年の【THE PEN】 その8
2006-04-08 EFのすばらしさを教えてくれたウォーターマン
2006-01-08 狂おしいまでに魅力的! ウォーターマン・リエゾン・コブラ
2006-01-19 帝国ホテルの【元】メインダイニングの名を持つ万年筆
2005-10-18 曲がっているようで真っ直ぐ! Waterman セレニテ
2005-11-22 絶頂期のWaterman Broad Nib付 W5 Green
2005-09-25 Waterman Gentleman (仏蘭西紳士)
2005-09-25 ウォーターマン パトリシアン! の ボールペン
2005-09-12 Waterman Carene メリディアンシルバー 【娘より強奪】
2005-09-04 コンコルド? はぁ〜? てな感じの Waterman Concord
2005-08-29 英国の良心 Waterman W5
2005-08-20 因縁のWaterman アルレカン【ハーレクイン】
2005-08-11 真のExecutiveの持ち物 【Waterman Edson】