2006年11月26日

ひと昔前のカタログ　【ペリカン】　その７−１

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　左側の画像には説明文が載っている。今回のは非常に歴史に正確。カール・ホルネマンやギュンター・ワグナーに関しても間違いは無いのだが・・・

　気になる表現が一つ　【黒地に緑の縞で知られるこのペンは、日本でも戦前から人々にとってステイタス・シンボルでした】　　ほんまかいな？

　緑縞はPelikan 140とか400であって、100や100Nではマーブルグリーンじゃ。ごく一部緑縞が100Nにあるが、これは戦後と言われている。要するに戦前には緑縞軸はなかったのじゃ。万一あったとしても、ステイタス・シンボルになるほどにはポピュラーであったとは考えられない。これはいつもの凡ミスじゃな。

　Pelikanに関しては国内の広告のチェック体制が甘いのか、過去にもこういうのが多かった。この広告が出たのは1995年12月。すでに【ペリカン日本株式会社】になってからじゃ。今後のこともあるので、一度過去の宣伝文句の棚卸と修正をしておく事をおすすめする。コピーライターは煮詰まると過去のフレーズを参考にすることが多いが、その文中に間違いがあれば元も子もないからな。

　この時代にはM800の青軸は発売済、赤軸は未発売。そしてキャップトップにはプリントではないPelikanマークが付いている。そしてニブはｐｆマーク付きじゃ。BBとか３Bのペン先にとっては黄金時代じゃな。

　中央の画像の左上がハノーバーにある旧Pelikan本社の写真。写っているものはかなり古いが、色が付いている。感光の特徴からすると白黒のパンクロマティックフィルムに近い。あまりに画像が小さいのでわからないが、

�．僖鵐�ロの白黒フィルムの写真に調色した？【絵の具ではなく薬品で色付け】
�⊆命燭鮓気棒騎里某綺務┐龍颪婆麓漫�
��初期のカラー写真？

はてどれかな？Pelikanのグリーンブックの18頁に1906年の冬に写された白黒写真がある。こちらは非常にコントラストが低い。当時はまだ馬車が中心だったので、この写真とは時代があわない。この写真にはバスらしき車両が写っている。

　また以前からPelikan本社を描いた絵には詳細な影を書きこんでいない。したがって写真をベースにしないで描いた絵とは思えない。

　写真の調色で簡単なのは茶色（セピア）と青。拙者が高校生だった37年前でも調色キットが発売されていた。セピア調色キットはハンザから発売されていたように記憶している。改めて画像を見ると茶色が中心で、空の一部が水色なだけ。�，任呂覆い�と思うのじゃが、いかがかな？なんとなく木々の葉が緑色のような気もする。もしそうなら��というのも考えられる。この画像の本物を見たい！

　ちなみにTINTEの絵に出てくるペリカンとロゴのペリカンとは種類が違う。少なくともPelikan社の池で飼っていたペリカンはTINTEのペリカンではない。

　また中央画像の右下にある黄色いポスターで紹介されている万年筆ではインクは吸入できない。インク窓の上端は実測1.12�僂如�下端は0.97�僉�どんな収縮性の大きなピストンを用いてもインク吸入は不可能じゃ。

　デザインを優先したのだろうが、本物とあまりに違いすぎる。少なくともUSAでは許されまい。ポスターの左下には【ミュンヘン】との記載があるので、独逸国内向けのポスターだったのだろう。独逸はこういうポスターでのディフォルメには寛容だったのかもしれない。拙者が広報担当なら絶対にダメ出ししただろうがな。

　ずっと以前から欲しかったのは30,000円のデスクスタンド。非常に綺麗で惹かれていたのだが、どの万年筆を挿せるのか解からないのでグズグズしてる間にカタログ落ちしてしまった。本物を見たことがなかったのが敗因だった・・・。今でもたまにオークションに出るが使える万年筆の説明が無いので逡巡してしまう。


過去のPelikan Catalog記事

その６−１　　　　その６−２　　　　その６−３ 　　　　
その５−１　　　　その５−２ 
その４−１　　　　その４−２
その３
その２−１　　　　その２−２　　　　その２−３
その１−１　　　　その１−２　　　　その１−３

Story Of Pelikan 



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(16)│ このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック │情報提供 
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この記事へのコメント
http://www5d.biglobe.ne.jp/~photo/nageki.htm

愛蔵 しゃん

上のURLの画面にレシピが書いてある。ハンザは2004年に会社清算していたはずなので調色液は既に手に入らない。作るしかない。
Posted by pelikan_1931 at 2007年02月14日 19:22
初めまして。
調色キットを調べていて、こちらに辿り着きました。
突然で申し訳ないのですが、今も調色キットを売っているところはあるのでしょうか？
なかなか見つけられなくて..........もしご存知でしたら教えてください。
よろしくお願い致します。
Posted by 愛蔵 at 2007年02月14日 11:25
ねこＪしゃん

訪問者数は元々かなり多いのでさほどの変化は感じなかったが、一人当たりの閲覧記事数が増えている。
開始当初から今までの平均が3.06件/人/日、前日までの７日間の平均は3.65件/人/日に対して昨日は4.75件/人/日じゃった。
過去記事を読んでくれた方が多かったのじゃろう。　ありがとしゃん。

Lamy LF2000の書き味はPelikanと比べると変化が乏しいので、あまり利用しないと飽きる。頻繁に利用していると嵌る。さてどちらかな？
Posted by pelikan_1931 at 2006年11月27日 02:09
らすとるむしゃん

なんと万年筆は仕事場保存なのですな。
調査結果をそのうち報告くだされ。
Posted by pelikan_1931 at 2006年11月27日 02:00
最北のakiしゃん

NORD/LBは8000本以上作ったが、実質4万円ほどで入手できたらしい。
500本でどうなるか？
新しく金型をおこさず、軸色だけならなんとかなるかも？
問題はそれこそPelikanマーク。いっそなくするかな？
で、蒔絵師に書いてもらうのも手かと・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年11月27日 01:58
はじめまして
初めて書き込みさせていただきます。

以前、ペリカンの古い四角い形状のインキボトルを入手したのですが、素性がわからず不完全燃焼状態でした。
しかし、こちらで掲載されていたカタログにしっかりと掲載されていて、すっきりしましたので、お礼方、書き込みをさせていただきました。

ありがとうございました。

事後報告で申し訳ございませんが、うれしさのあまり、自分のサイトの掲示板とmixiのペリカン板に、こちらの写真とサイトに紹介させていただきました。
（teacupとmixiからの、見慣れないアクセスがあるかもしれません。すみません）

万年筆歴２年のペリカンファンですが、これからも楽しみに拝見させていただきます。
Posted by ねこJ at 2006年11月27日 00:15
今自宅なので、現物が無いのではっきりしたことは云えませんが・・・。
たしか、１００の首軸はかなり細くて１００のキャップに嵌るのはＩＢＩＳだけのようです（ラッペンは未確認）。１００Ｎのキャップには多少ネジ部分の違和感が御座いますが４００，４００Ｎ，４００ＮＮ，５００、１４０そして現行のＭ４００も嵌ると思います。
Posted by らすとるむ at 2006年11月26日 23:14
是非とも欲しいところですね。
今の800で定価52,500円でしたっけ？
10万OVERなら躊躇してしまいますが、計画実行時は是非とも参加させてください。
Posted by 最北のaki at 2006年11月26日 20:53
最北のakiしゃん

一時期、ペリカン･ジャパンの人から復活するかも？という話を聞いていたのじゃ画、トレドまでもがプリントになっては期待薄かも？

いっそ、WAGNERで500本ほど発注しようか？などと考えてしまいますな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年11月26日 20:29
らすとるむしゃん

1980年代の品なら1997年を見越した開発はしていないでしょうからかんぐりすぎでした。

ところで、100と140と400NNはペン芯の太さが同じくらいだったのですが
首軸の太さはいかがでしょう？

100用なら400NNも入るかも？　M500も入るかも？
Posted by pelikan_1931 at 2006年11月26日 20:27
プリントじゃない時代のペリカンマークがでかでかと掲載されていますね。
この時代の実物を持っていないので憧れです。

できることなら、このキャップを復刻してほしいですね。
いつかは発売してくれると信じていますが。
Posted by 最北のaki at 2006年11月26日 19:59
師匠・・・すみません。

持ってはおりません。
ちょうどこの品物が今朝ヤフオクに出品されておりまして・・・その説明文にその旨の記載がありましたものですから・・・・。どうしてビンテージ100なのか私も不思議に思いましたが、後の1931や1935シリーズを意識していたとしたら凄いことですね。でも、なぜ400シリーズでなかったのか？。高額な800サイズと100サイズの限定品用に用意したものか？。だとすると緑縞はいったい何だったんだろうか？。深すぎて・・・私には理解できません！！。
Posted by らすとるむ at 2006年11月26日 19:58
二右衛門半しゃん

おお、真鍮製キャップでしたか・・・見落としていた！
Posted by pelikan_1931 at 2006年11月26日 15:43
デスクセットもさることながら、この真鍮製キャップ付きボトルインキには惹かれますね。
Posted by 二右衛門半 at 2006年11月26日 15:36
おお、らすとるむしゃん
お持ちでしたか！

それにしてもM800はいいとしてVintage 100用とはな！　100Nではなく100用ということは、当時既にOriginal Of The Timeシリーズが企画されていたのかも？1997年に限定品として発売されたので、既に1995年にはその計画があったのかもしれない・・・深いなぁ・・・
Posted by pelikan_1931 at 2006年11月26日 10:10
師匠おはよう御座います。

そのデスクスタンドは片方がＭ800用と、もう片方がビンテージ100用のようです。緑縞のセルロイドが貼ってあるのが凄いです！！。何本分のセルロイドかな？。
Posted by らすとるむ at 2006年11月26日 08:54
 
 
 
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