2006年12月01日

解説【萬年筆と科學】 その10

金ペンの種類を定義した【第十章】

 本章では、金ペンのペン先バリエーションを定義し、それぞれに名称を振っている。主として海外で用いられていた名前を流用したと思われる。今まで【名称】と【書いた印象】だけ記憶していたペン先の種類が体系的にまとめられている。非常に解かりやすい。縦書きの表にまとめられているが、横書きのBlogで表現するのは難しいので、EXCELでまとめ直した画像を貼り付けておく。

2006-12-01 この表に至る前に渡部氏は、金ペンの種類を色々な方面から分析して、弾力が三種類【硬・中・軟】、穂先の長さが三種類【短・中・長】、字幅が五種類【極細・細・中・太・極太】あり、それらを組み合わせて15種類のペン先に至ったと説明している。

 この視点は面白い。利用者視点ではなく100%作り手側の視点じゃ! 3×3×5=45なので、切り捨てられた組み合わせもあったわけじゃ。穂先が長くて、弾力が硬くて、極太なんて作れなさそう・・・

 現在では、ここの定義よりもさらに細かいものもあるし、消えてしまったものもある。また呼び方が変わったもの、他社では別の呼び方をしているものもある。たとえばセーラーのZ【ズーム】の研ぎは、デュオポイントとまったく同じじゃ。

 なを十章には、ほかにブックキーパー、ポスティング、ファイン、ステノグラファー、ミディアム、フォルカンの研ぎの図解と特徴、用途などがまとめられているが、それらは第十一章と合わせて報告しよう。


解説【萬年筆と科學】 その9
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Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 
この記事へのコメント
京都和文化研究所しゃん

この記事が書かれたのは1927年ごろじゃ。
その後、実験的試みが多く行われたのかもしれんな。
Posted by pelikan_1931 at 2006年12月01日 20:36
5
pelikan_1931様
渡部氏の15種類の分類 当時のニーズ対応の細かさ感心します ただ 当時もっとたくさん 種類はあった?ように思われます(番外ペン先が多い)
1930年〜の ペン先は 非常に不思議???・・・・な ペン先が 見られ 不思議?です 特にセーラーの金ペンは 何方かが 遊んだのか? 通常の逆で使用するよう 砥ぎ仕上げもの コンコルドの 原形のようなペン先 等 当時不思議な ペン先を多々見かけます。
でも 見てるだけで 思わず【にっこり】してしまいます。
Posted by 京都和文化研究所 at 2006年12月01日 08:55