【 セーラー プロフェッシュナルギア 水色 】アーカイブ
この綺麗な水色の万年筆には憧れた物だが、最近で中華萬で似たようは色合いの物がいっぱい出ている。
しかも格は10%未満。もちろんペン先はスチール製だし、コンバーターもカートリッジも中国企画で、欧州標準は使えない。
しかし時間を書けて調整すれば、80%以上の書き味に出来ることは実証済み。
ただ調整にかかる時間は金ペンの倍くらいかかる。痛し痒し!
依頼主によれば、これは大阪・北浜【万年筆のモリタ】オリジナルカラーのプロフェッショナル・ギアーらしい。
非常に綺麗な水色で、パステルカラーの好きな依頼主にピッタリの軸色。
セーラー・プロフィット・大型と同じニブを使っているが、天冠と尻軸の先端をカットしているため、かなり短く見える。
ニブはMFで、セーラーでは最もプピュラーなニブ。実際、拙者もMFの書き味は気に入っている。
特にペン先全身にロジウム鍍金を施したものはインクフローが良い。
以前の阪神タイガース優勝記念モデル(白縞)と同様にな。
依頼者の感覚では、この個体は内向きの縦線に引っ掛かりがあるので、細字スタブ風の書き味に調整して欲しいとのことじゃ。
ペン先の拡大図を見ると、スリットがギチギチに詰まっている。この状態では筆圧を掛けた場合のポンプ運動が発生しにくいため、インクフローが悪い。
従ってエッジの丸めが不足していると如実に引っ掛り感が出てしまう。インクフローが良ければごまかせるがな。
もともとMF程度の太さではポンプ運動は無視し、毛細管現象だけのインクフローにして細字を演出する調整になっている。
これにポンプ運動を発生させてインクフローを向上させる必要があるわけじゃ。
こちらは未調整の状態を横から見た画像。綺麗な研ぎだが、スリットがガチガチに密着した状態で良い書き味になるような調整になっている。
スリット間隔を開けると上下、左右のエッジが表面に出てきて引っ掛かりが増してしまう。従ってここでも微調整が必要となる。
特に依頼者は筆記感覚の敏感さでは拙者の知り合いの中でも1〜2を争うほど・・・・・ということで・・・・・調整戻りの微調整も含めて調整には一ヶ月以上を要した。
こちらはセーラーのペン芯とペン先。上のペン芯をよく見ると、ペン先の左側のくぼみに対応する出っ張りがあり・・・
ここでペン先とペン芯の位置を固定するようになっている。
従って小細工は出来ない。素人が分解掃除するような場合には非常に重宝するしかけじゃ。最近はNo.146などにも同様の仕組みになっている。
この位置関係を多少変化させる調整をしていた拙者などにはやや残念なことになるがな・・・
ペン芯を良く見ると、左右非対称に空気道が設けられている。これがインク切れ【長原さんは息が詰まる状態と言ってた】を防ぐ秘密かもしれない。
これがインクスリットの調整前後じゃ。上が調整前、下が調整後。イリジウムのところが多少離れているのがわかろう。
これがポンプ作用を引き起こすのに重要な役割を持っている。
ギチギチに詰まったペン先では多少の筆圧をかけてもペン先が開かないので、表面張力によるポンプ作用が働きにくい。
そこで先端を多少開き、横からイリジウムを押す力をゼロにした。
それによって上下左右へのイリジウムの移動に要する力が軽くなり、結果としてポンプ作用が十分に働く事になるのじゃ。
こちらは、横から見た調整後の図。ひっくり返しても柔らかい書き味になるように反対側も研いでいる。
また通常筆記においてもスイートスポットが2箇所作ってある。調整前に見られた引っ掛かりは皆無。
細字でここまで書き味が良くなるとは、さすがセーラーのMFの潜在能力は凄い!
依頼主によれば、これは大阪・北浜【万年筆のモリタ】オリジナルカラーのプロフェッショナル・ギアーらしい。
非常に綺麗な水色で、パステルカラーの好きな依頼主にピッタリの軸色。
セーラー・プロフィット・大型と同じニブを使っているが、天冠と尻軸の先端をカットしているため、かなり短く見える。
ニブはMFで、セーラーでは最もプピュラーなニブ。実際、拙者もMFの書き味は気に入っている。
特にペン先全身にロジウム鍍金を施したものはインクフローが良い。
以前の阪神タイガース優勝記念モデル(白縞)と同様にな。
依頼者の感覚では、この個体は内向きの縦線に引っ掛かりがあるので、細字スタブ風の書き味に調整して欲しいとのことじゃ。
ペン先の拡大図を見ると、スリットがギチギチに詰まっている。この状態では筆圧を掛けた場合のポンプ運動が発生しにくいため、インクフローが悪い。
従ってエッジの丸めが不足していると如実に引っ掛り感が出てしまう。インクフローが良ければごまかせるがな。
もともとMF程度の太さではポンプ運動は無視し、毛細管現象だけのインクフローにして細字を演出する調整になっている。
これにポンプ運動を発生させてインクフローを向上させる必要があるわけじゃ。
こちらは未調整の状態を横から見た画像。綺麗な研ぎだが、スリットがガチガチに密着した状態で良い書き味になるような調整になっている。
スリット間隔を開けると上下、左右のエッジが表面に出てきて引っ掛かりが増してしまう。従ってここでも微調整が必要となる。
特に依頼者は筆記感覚の敏感さでは拙者の知り合いの中でも1〜2を争うほど・・・・・ということで・・・・・調整戻りの微調整も含めて調整には一ヶ月以上を要した。
こちらはセーラーのペン芯とペン先。上のペン芯をよく見ると、ペン先の左側のくぼみに対応する出っ張りがあり・・・
ここでペン先とペン芯の位置を固定するようになっている。
従って小細工は出来ない。素人が分解掃除するような場合には非常に重宝するしかけじゃ。最近はNo.146などにも同様の仕組みになっている。
この位置関係を多少変化させる調整をしていた拙者などにはやや残念なことになるがな・・・
ペン芯を良く見ると、左右非対称に空気道が設けられている。これがインク切れ【長原さんは息が詰まる状態と言ってた】を防ぐ秘密かもしれない。
これがインクスリットの調整前後じゃ。上が調整前、下が調整後。イリジウムのところが多少離れているのがわかろう。
これがポンプ作用を引き起こすのに重要な役割を持っている。
ギチギチに詰まったペン先では多少の筆圧をかけてもペン先が開かないので、表面張力によるポンプ作用が働きにくい。
そこで先端を多少開き、横からイリジウムを押す力をゼロにした。
それによって上下左右へのイリジウムの移動に要する力が軽くなり、結果としてポンプ作用が十分に働く事になるのじゃ。
こちらは、横から見た調整後の図。ひっくり返しても柔らかい書き味になるように反対側も研いでいる。
また通常筆記においてもスイートスポットが2箇所作ってある。調整前に見られた引っ掛かりは皆無。
細字でここまで書き味が良くなるとは、さすがセーラーのMFの潜在能力は凄い!
Posted by pelikan_1931 at 21:34│
Comments(4)│
mixiチェック
│
万年筆
送料が高いので、ある程度まとめて購入するのが良いようですな。
pelikan_1931様
早速のお答えありがとうございます。
早々に注文してみたいと思います!(^^)!
zaraしゃん
モンテヴェルディのコンバーターは
http://www.swisherpens.com/index.html
で販売しています。
金ペンはM400用で、こちらも同じところで買えますな。
初めてブログにコメントを書かせていただきますので、至らない点もあるかと思いますがご容赦ください。
実は小生雑誌ラピタの「ミニ檸檬」と「赤と黒」を愛用しているのですが、「カートリッジ式ではどうも・・・。」と言った具合でコンバータを使いたかったのです。
そこでこちら様のブログにございました、「モンテベルテ」のコンバータをぜひ入手したいので、入手先を教えていただけませんでしょうか?(いくらネットで検索してもうまくヒットしなかったのです。)
また最近(と言っても10月半ば頃になりますが)発売されたペリカンM205ですが、そのペン先を金ペンに変えたいのですが、金ペンをどの型番(M800用とかM600用とか・・)を買えば良いか分かりません。
皆様お忙しいとは思いますがこの2つの質問のお答えお待ちしております。よろしくお願いします。