昨年度の My Pen Of The Year 2005 は、Parker グリニッジ XXBであった。記事を読み返してみると、年末の時点では【不思議と飽きない】と書かれてある。書き味が良くなるよすぐに開いてしまう拙者が珍しく半年以上使っている万年筆だったからじゃ。その後、グリニッジは画伯の下へ嫁ぎ、たまに取り出されては酷使されていることじゃろう。
2006年のMy Pen Of The Year 2006 は【セーラー・プロフィット赤軸長刀改】。これは寺内万年筆病院で入手した軸についていたZoomニブを長刀に交換したものじゃ。 上から見るとどうという事は無い形状をしている。拙者の調整にしては珍しくイリジウム先端が密着している。凝視するとわかるかもしれないが、若干のカモノハシ調整を施している。実は太字の長刀だったのじゃが、中字の長刀にまで研ぎだしている。またペン先のハート穴からイリジウムまでのペン先の表側を刻印が消えない程度の削っている。従ってハート穴から先がオリジナルよりは柔らかくなっている。
従ってイリジウム先端が密着していても多少の筆圧をかければすぐに先端が開く。つまりはポンプ運動が働き、インクフローが良い状態に、意図せずなっていたわけじゃ。 これが横から見た図。相当斜めに削っているように見えるが、なだらかな傾斜をつけている。またペン先のスリット両側のエッジも拙者の筆記角度にあわせて絶妙に調整してある。
従って長刀研ぎの特徴である【シャリシャリ】とした書き味ではなく【スルスル】とした書き味に出来た。また極上のスイートスポットは通常筆記で二ヶ所、裏面筆記で一ヶ所だが、基本的には無段階スイートスポットに近い。
調整理論がわかっていれば、時間をかけるほど書き味は良くなる。微調整を繰り返せるからな。試行錯誤でやっていると、時間と共にイリジウムが減っていくが、慣れてからの調整では【調整後半は研ぎではなく】イリジウムの位置調整に重点が置かれてくる。筆圧が低い場合には、この位置調整が成功すると、とことん気持ち良い書き味になる。
今年は喪中。年賀状を書く事も無いので万年筆を持て余し気味だが、新年の抱負はこの万年筆で書いてみようと思う。
さて来年こいつは誰に嫁ぐのかな?
皆さんの My Pen Of The Year 2006 は何だったのかな?
コメント欄で教えてくりゃれ!
My Pen Of The Year 2005
2005年の万年筆 of The Year は 文句無く 【ミニ檸檬】