2007年01月16日

ひと昔前のカタログ 【ペリカン】 その7−5

2007-01-16 012007-01-16 02 #500というのは、日本でだけ存在したモデルらしい。当時の海外での名称は#400。日本では400NN復刻版が過去に販売されていた為、それと区別する意味であえて#500と呼んだのかも?

 発売当初の#500についていた14金一色ニブは非常に柔らかく、MやBになると夢のような書き味!ただしEFなどは柔らかすぎて、筆圧が強い人にはどうにも使いにくかった。

 拙者が最初に購入したPelikanの万年筆は#600のEF付き。初期のふにゃふにゃ18金一色ニブだったが、当時筆圧の相当高かった拙者には使いこなせず、頭にきてペン先をひん曲げてしまった。

 そのあと#500を購入した。Mの中字だったがこれも柔らかくて閉口した記憶がある。ただ、茶軸についていたので、壊さず今でも持っている。今の筆圧なら夢のような書き味じゃ。

 思うに、万年筆の書き味なんて、同じ人が評価しても、筆記姿勢、ペンの傾け方、眼の疲労度合い、血中アルコール率、使うインク、紙、インク残量・・・などによって評価は代わってしまうのではないか?ある時にすばらしい!と思った万年筆が、別の機会ではまったく思い通りにならない事もある。いわんや、時の経過による評価の変化は非常に大きいだろう。現在【書きにくい!】と感じる万年筆は、そのままペンケースにしまって20年も経過させれば、思いもかけず書きやすい万年筆にかわっているかもしれない・・・

 人の評価と同様じゃ
。悪いところを直そうとすればキリが無いが、長所を使い切るようにすれば、どんな万年筆でも案外使えるもの。それに年月を経ても万年筆は変わらないが、使い手が成長し度量が大きくなれば、使えない万年筆も頼もしいパートナーに変わる事もある。

 #500の魅力あるペン先は、このカタログの時代には硬くなり、M400になって磨きがかかったように思う。拙者はPelikanの天冠がプリント / シルクスクリーンに変わってからの万年筆は持っていない。従ってPelikan 1931などの限定品についているニブから類推しているのに過ぎないが・・・もう少し銀の含有率を上げ、銅の含有率を下げ、弾力のあるペン先にし、かつ、ペン先の厚さを薄くして柔らかさをだすようにして欲しい。

 特別仕様で一個3万円の特別仕様のペン先でも良い。薄くて弾力があって、書き味が柔らかいペン先を、新しいデザインの軸、最新設計のペン芯で使いたい。

 拙者には万年筆に対するノスタルジーはない。ペン芯は設計の新しいほど良い。特に空気穴の設計には相当高性能のコンピュータが必要だろう。3本の穴を彫っただけのようなペン芯では満足できない。また、軸も最新の加工技術で磨き上げて欲しい・・・

 しかしながら#500ではまったく無かった【貼り合わせ部分の段差】が、M450やM400の縞軸では指で触ってわかる物がある。もう少し加工精度を上げないと、お客さん逃げてしまいますよ・・・

 それはともかく、この青軸の#500は欲しい!



過去のPelikan関連カタログ記事

その7−1    その7−2           その7−3           その7−4 
その6−1    その6−2    その6−3     
その5−1    その5−2 
その4−1    その4−2
その3
その2−1    その2−2    その2−3

その1−1    その1−2    その1−3



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(13) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
むむ、WAGNERに参加できればなぁ・・・
いつでも体験できますぞ!
Posted by pelikan_1931 at 2007年01月26日 08:28
ご回答ありがとうございます。
書いてみたいです。「閉口」する程の、「夢のような」
書き味を是非とも実感したいです。
最近、これそうかな?と思うものを、某海外オークションで
競り負けたのでしたが、確実に「これ」というものは何処か
に売ってないものでしょうかね。欲しいなァ。。
Posted by yassu at 2007年01月26日 02:42
yassu しゃん

書けばわかる。たしか模様でもある程度わかるはずじゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2007年01月25日 08:31
同じ#500でも、製造時期によってペン先の柔らかさが違うんですね。
違いは書いてみなければわからないのでしょうか。
Posted by yasu at 2007年01月24日 12:36
師匠。了解致しました。
Posted by M764 at 2007年01月17日 23:52
monolith6しゃん

微妙な表現ですが、独逸の【欧米化】によって、品質管理に対する考え方も多少変化したのかもしれませんな。
いずれにせよ、【Pelikan】の【ぺこちゃん化】には歯止めをかけたいですな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年01月17日 05:26
M764しゃん

拙者の場合、配偶者に言われているような気がしないでもないがな・・・使い手はもちろん配偶者じゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2007年01月17日 05:20
 某ブログにも書きましたが、こちらでも再び。

 胴軸の段差は最近の事ですが、以前から500或いは400以下の製品には、首軸が真円ではないものが結構あります。このあたりの加工精度も上げてくれないと客が逃げます。

 私は既にペリカンの新しいものに対する購入意欲をなくしました。
Posted by monolith6 at 2007年01月17日 00:00
師匠、らすとるむさん、めだかさん

こんばんは。下記文言、全く同感です。!

人の評価と同様じゃ。悪いところを直そうとすればキリが無いが、長所を使い切るようにすれば、どんな万年筆でも案外使えるもの。それに年月を経ても万年筆は変わらないが、使い手が成長し度量が大きくなれば、使えない万年筆も頼もしいパートナーに変わる事もある。
Posted by M764 at 2007年01月16日 22:18
めだかしゃん

この段差が大きいのを自慢する【段差自慢大会】でもやりますかな・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年01月16日 20:51
らすとるむしゃん

ペンに歩み寄るのは大切なことですな。
スイートスポットをみつけて、其処だけで書いてあげるのも技じゃ。
Posted by pelikan_1931 at 2007年01月16日 20:49
書き味が、持ち手の成長によって変化すること、これはどうも防ぎようがありませんね。私の場合は、昔は書きやすかったのに、今はそれほど感動しないペンが増えました。PILOT75なんか、試し書きの時に頭の中が真っ白になった覚えがありますが、今は「硬い!」と感じます。
フェンテを知り、悪魔の館を知り…、と深みにはまるほど、筆圧も落ちて、同じペンなのに書き味が変わりました。
さて、ペリカンの接合部の段差ですが、確かに新しいモノほど“わずかな”段差を感じます。某ブログで読んで以来、気になっていましたが…。手持ちの唯一の#500は、全く段差を感じません。
Posted by めだか at 2007年01月16日 10:22
カタログ紹介でもこのあたりは面白いですね!

日頃、目にしたり手にする機会が多いものですから・・・
書き味に対する評価も段々と変わっていく物のようですし、いま気に入らなくてもガッカリする必要はなく、何年か後には激変するかも知れませんネ!
それは、好みが変化することやその人の度量とか許容範囲が広がるためと思われます。書き味に対しあれやこれやと文句を言ってしまいがちですが、その万年筆にこちらから歩み寄ることも必要ですね!。また、銀勝ちの14K薄肉仕様のペン先を是非作って頂きたいです。
Posted by らすとるむ at 2007年01月16日 09:41