#500というのは、日本でだけ存在したモデルらしい。当時の海外での名称は#400。日本では400NN復刻版が過去に販売されていた為、それと区別する意味であえて#500と呼んだのかも?
発売当初の#500についていた14金一色ニブは非常に柔らかく、MやBになると夢のような書き味!ただしEFなどは柔らかすぎて、筆圧が強い人にはどうにも使いにくかった。
拙者が最初に購入したPelikanの万年筆は#600のEF付き。初期のふにゃふにゃ18金一色ニブだったが、当時筆圧の相当高かった拙者には使いこなせず、頭にきてペン先をひん曲げてしまった。
そのあと#500を購入した。Mの中字だったがこれも柔らかくて閉口した記憶がある。ただ、茶軸についていたので、壊さず今でも持っている。今の筆圧なら夢のような書き味じゃ。
思うに、万年筆の書き味なんて、同じ人が評価しても、筆記姿勢、ペンの傾け方、眼の疲労度合い、血中アルコール率、使うインク、紙、インク残量・・・などによって評価は代わってしまうのではないか?ある時にすばらしい!と思った万年筆が、別の機会ではまったく思い通りにならない事もある。いわんや、時の経過による評価の変化は非常に大きいだろう。現在【書きにくい!】と感じる万年筆は、そのままペンケースにしまって20年も経過させれば、思いもかけず書きやすい万年筆にかわっているかもしれない・・・
人の評価と同様じゃ。悪いところを直そうとすればキリが無いが、長所を使い切るようにすれば、どんな万年筆でも案外使えるもの。それに年月を経ても万年筆は変わらないが、使い手が成長し度量が大きくなれば、使えない万年筆も頼もしいパートナーに変わる事もある。
#500の魅力あるペン先は、このカタログの時代には硬くなり、M400になって磨きがかかったように思う。拙者はPelikanの天冠がプリント / シルクスクリーンに変わってからの万年筆は持っていない。従ってPelikan 1931などの限定品についているニブから類推しているのに過ぎないが・・・もう少し銀の含有率を上げ、銅の含有率を下げ、弾力のあるペン先にし、かつ、ペン先の厚さを薄くして柔らかさをだすようにして欲しい。
特別仕様で一個3万円の特別仕様のペン先でも良い。薄くて弾力があって、書き味が柔らかいペン先を、新しいデザインの軸、最新設計のペン芯で使いたい。
拙者には万年筆に対するノスタルジーはない。ペン芯は設計の新しいほど良い。特に空気穴の設計には相当高性能のコンピュータが必要だろう。3本の穴を彫っただけのようなペン芯では満足できない。また、軸も最新の加工技術で磨き上げて欲しい・・・
しかしながら#500ではまったく無かった【貼り合わせ部分の段差】が、M450やM400の縞軸では指で触ってわかる物がある。もう少し加工精度を上げないと、お客さん逃げてしまいますよ・・・
それはともかく、この青軸の#500は欲しい!
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