以前なら【色抜け物】や【名前刻印物】には見向きもしなかったのじゃが、最近ではむしろそちらに惹かれてしまう。拙者は最近のモデルばかり常用しているので、逆に名前刻印のある物に出会うことが無い。その事が郷愁?に近い感情を更に深めてしまうのかもしれない。母を亡くしてから更にその傾向が強くなった。
症状はインクが時々切れる・・・そうじゃがペン先調整は完璧。OMの特徴を残しながら綺麗に研いである。ペン先とペン芯の隙間も標準的で、何ら問題は無い。首軸の形状にも問題は無い。蛇足じゃがPelikan 100の復刻品:Pelikan 1931などの限定品は、インク漏れに注意じゃ。首軸先端の円周がキャップ内部の円周とほとんど同じの物がたまにある。キャップを締める時に息が詰まっていくような感覚。これが実に良いのじゃが・・・キャップを外すと大量のインクが首軸に附着するケースが頻発する。これは首軸先端がポンプ弁の働きをして、キャップを外す際に軸内からインキを吸いだしてしまうから。この対策は簡単で、首軸先端をペーパーで削ればよい。キャップを締める際に息が詰まるような感覚が無くなるまで削るのじゃ。
Pelikan 100Nの完全分解は簡単。分解して内部を確認してみたが、ピストンにも内部機構にもダメージはまったく無い。インク窓が長い製品ではピストンを最下段まで降ろした際に、ピストンの後ろ側にインクが回りこんでいるのが見える事がある。これが嫌いな人には簡単にピストン機構が外れるPelikan 100や100Nは重宝じゃ。ちなみに100の完全復刻モデルのPelikan 1931等の限定品も同じように分解できる。右に捻って外すのじゃ。
ペン先の裏にもエボ焼けなどは見られない。販売段階で完全清掃がされていたと考えられる。ペン芯にも破綻は無い。空気の通り道、インクの通り道も問題は無い。Pelikanのペン芯の設計では、ペン芯下側の溝にはどういう役割があるのかずっと不思議じゃった。この画像を見て気付いた。スリットを通って先端まで導かれたインクが、手の熱によるインクタンク内空気の膨張等で、必要以上にペン芯先端に溢れ出した時、先端のペン芯の切れ目からスリットの方へインクがヒョイと回り込む設計になっている!インク保持機構ではなく、ボタ落ち防止機構と考えられる。
この機構上まったく問題ない万年筆にインク切れは発生しない。発生するとすれば、筆記中に筆記角度が変化し、多少内側にペン先が向いた際に、イリジウムの左側のエッジが引っ掛ってインクが紙に付かないせいだろう。そこで其処を微調整すると同時にペン先先端の詰まり具合を多少弛めて、【ペン鳴り】が発生しやすい状態に調整した。現在WAGNERでは【Pelikanのペン鳴り】がはやっているでな。