この年のPelikanカタログでは、今回紹介する品々が最も面白いと思う。拙者も多量に買った記憶があるのだがまったく手元に残っていない。不思議じゃ・・・
まずは#250だが14金ではなく12金ペン先付となっている。なんとも中途半端な金配合!おそらくは製品のラインナップ間のグレード付けの為に、金の配合を落としたと想定される。ペン先の原価的にはほとんど影響がないはずだからな。
ちなみにPelikanでは、この後#250のペン先を14金に変えている。確か値段は据え置きだったと記憶している。その際には販売店を回ってペン先交換したという噂を聞いた。従って実は12金ペン先付の#250は数が少ない。#350という製品番号で12金ペン先付の万年筆を購入した記録が拙者の日記に残っている。それはこれより前の時代だったのかな?
当時のPelikanはデザインにもラインナップにもあまり整合性が無く、そこが魅力的じゃった。#481とペリスケは軸が透けている点を除けばまったく同じ製品。それが何故にペリスケは価格が半額なのか?デモンストレータなら逆に価格が高くても良いのに・・・と思ったものじゃ。
販売店のヲヤジさんに聞いたところ【安っぽい透明軸が1万円で売れまっかいな!】という危惧がペリカンにも販売店側にもあってこの価格設定になったのだとか。ちなみにペリスケは日本市場中心に販売されたらしく、海外では高値で取引されていた。
また現在でも、この写真の初代ペリスケは値が高い。拙者はアメ横で一本25,000円と値段を聞いたその日に、当時の日本橋丸善で5,000円で購入した。なんと古い箱から一本出てきたということじゃった。思えばPilot 65の赤軸とも同じような出会いじゃった。最近はデパートの万年筆コーナーをあまりチェックしていないが、思わぬ出会いはえてしてデパートで起こったりする・・・・
#100という3,000円の白軸も何本か購入した。おそらくはLamyサファリの真似だろうが、書き味は断然劣っていた。ただし吸入式ということもあり、インクテスト用に10本ほど購入したが、既に一本も無い。思い入れの少ない万年筆はやはり拙者のもとから去っていくのじゃろうなぁ・・・
鍍金ペンの書き味は、この当時のペリスケ用が最高!その後復活ペリスケや最近の再復活ペリスケのペン先も調整してみたが、初代のペン先が最も柔らかい。むしろ当時の#250用の12金ニブより柔らかい。通常鍍金ペンは弾力の少なさを補う為、ペン先の厚みを増している。従って鍍金ペンをペン芯から抜いて、金ペンと交換しようとしても、緩くてペン先をホールドしてくれないケースが多い。その点ペリスケは鍍金ペンであっても薄いペン先だったわけで、それが絶妙の柔らかさを演出していたのだろう。
岡山の小野万年堂の親父さんに薦められてペリスケを2本購入し、母のPilot 65青軸と交換したのは何年前だったろう。母はペリスケの書き味の方が気に入ったようだが・・・すぐに飽きたらしい。単に柔らかいペン先というのは飽きるのも早いのじゃ。やはり弾力が無いと物足りなさは残るな。
過去のPelikan関連カタログ記事
その7−1 その7−2 その7−3 その7−4 その7−5
その6−1 その6−2 その6−3
その5−1 その5−2
その4−1 その4−2
その3
その2−1 その2−2 その2−3
その1−1 その1−2 その1−3