筆記時のざらつきを分析した【第十七章】
第十七章は拙者の得意分野なので、渡部氏につっこめる部分は多々ある。【目から鱗】がまったく無い章じゃった。逆に言えば、これまでの１６章が現在でも最先端の万年筆情報である事が驚異かもしれない。
完璧な万年筆が満足すべき事項として、以下の九つをあげている。
�．ぅ螢献Ε狒納舛領蛭�
�∋�の大小
��イリジウムの研ぎ方
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��使えば使うほど書きやすくなるもの
支離滅裂である。�´��キΝЛ┐�出来上がったペン先の状態を表したもの。
�△肋�さな字を書く極細のペン先は引っ掛りやすいことを述べているだけ。すなわち極太から極細までをごったにした上で【外国性は書き味が良いが字が太い】というのは我慢ならん！らしい。外国製はほとんどが中字で接紙面積がひろいからであって、決して日本の万年筆の書き味が悪いのではない！という追加説明がしたい為の項じゃな。意地悪く解釈すれば。
これはBlog読者には当たり前として受け入れられて入るので省いても良いな。当時は必要だったろうが・・・
�い魯好燹璽機爾箸いΕ撻鸚茲魎櫃瓩訐渋さヽ�の出来のことで、メーカー側の視点。それは利用者には関係ないし、よしんばスムーサーが悪かったとしても、研ぎで修正できるので、この項の説明も省いてよかろう。
��使えば使うほど書きやすくなるのが万年筆！という主張には、拙者は断固反対する。完璧に書き癖に合わせて調整された万年筆は、使い始めが最高の書き味で、磨耗するほどに書き味は落ちていく・・・これは紛れも無い事実。手が万年筆に鳴らされていく事も含めれば言えなくも無いが、それでは【科学】ではない。
Vintage万年筆を調整していて思うのは、昔は酷いイリジウムが多かったということ。磨いても磨いても月面クレーター状態が変わらない。イリジウムに空洞があるものもあった。空洞は最近のものでは、Montblancとセーラーで経験した。
渡部氏は良いイリジウムの定義として：
★研ぎ澄ました日本刀のように青黒く光り、水も滴るばかりに見える。飛び切り硬いイリジウム、良いイリジウムで２０~３０年の耐久力がある
としている。
また中位のイリジウムとして
★幾分どんよりとして銀色い光り、青みが欠けている。柔らかいイリジウムでウォーターマン（当時）がこれにあたる
として、ことさらウォーターマンを意識した書き方をしている。
万年筆のイリジウムとして、硬いのが良いのか柔らかいのが良いのか？ 好みはわかれるが拙者は（現行）Pelikanのような【磨耗しやすいイリジウム】が好きじゃ。書き味が落ちてもすぐに再調整できる。硬いイリジウムはラッピングフィルムを消費させるだけでなかなか削れない。非効率この上ない。
それにイリジウム付きペン先で書くよりも、ハンダを付けたペン先の方が、はるかに書き味が柔らかい。問題は耐久性がまったく無い事。
以前にも話したが、柔らかいイリジウムはF1のソフトコンパウンド･タイヤのようなもので、紙を削らないで繊維の間にめり込んでいくような感覚がある。紙に吸い付く書き味になりやすいのじゃ。渡部氏は【紙あたりが吸い付くように重苦しい】と表現している。今は紙に吸い付く感覚が持てはやされるがな・・・
書き味からいえば、柔らかいイリジウムに軍配があがる。こればっかりは時代背景もある。一本の貴重な万年筆が何年もつか？というのが重要な時代には硬いイリジウムも悪くは無かったろうがな。
渡部氏は研ぎ方について衝撃的な発言をしている。研ぎには【正規型：四角研ぎ】、【長刀型】、【片刃型】があるが、長刀型を最低の研ぎと呼んでいる。いわく、【製作元ではせっかく正規型に作ったペンを、店先で見境も無く、めがね（ルーペ）も使わず、紙やすりにかけて遂に長刀型に崩すケースがある。こうなるとざらつきが直るどころか。ますます酷くなる。ペンを横に運筆する時に、かならずざらつくという致命的欠点を持つ】と述べている。
長刀は素人の研ぎとして、Pilot社内では禁止されていたようじゃ。ひょっとすると今でも禁止かもしれない。
実際、長刀は横に運筆するときにざらつく。拙者はこの音を【しゃらしゃら】と表現しているが、この筆記音が大好き。この筆記音が欲しい為に長刀研ぎの万年筆を買うくらいじゃ。それに調整で音を消す事も可能！
金ペンのイリジウムは脳天から見て七角形に研ぎ、横から見て正方形に研ぐのが正規型。これをスムーサーに入れて丸めていたようじゃ。では何故七角形にするのか？この疑問に対する答えを、めだかしゃんが仕入れてきたので、いつか披露していただこう。
解説【萬年筆と科學】 その１６
解説【萬年筆と科學】 その１５
解説【萬年筆と科學】 その１４
解説【萬年筆と科學】 その１３
解説【萬年筆と科學】 その１２
解説【萬年筆と科學】 その１１
解説【萬年筆と科學】 その１０
解説【萬年筆と科學】 その９
解説【萬年筆と科學】 その８
解説【萬年筆と科學】 その７
解説【萬年筆と科學】 その６
解説【萬年筆と科學】 その５
解説【萬年筆と科學】 その４
解説【萬年筆と科學】 その３
解説【萬年筆と科學】 その２
解説【萬年筆と科學】 その１
2007年01月25日
解説【萬年筆と科學】 その１７
この記事へのコメント
京都和文化研究所しゃん
拙者は最近、軸に興味が湧いてきた・・・おたがい影響しあっているようじゃな。
拙者は最近、軸に興味が湧いてきた・・・おたがい影響しあっているようじゃな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年01月26日 08:15
<<それでは【科学】ではない!!
感動しました！！ 萬年筆と科学を読んでいて 一番苦しい部分が ズバット 切り込まれた言葉 すっきりしました。
渡部氏には 申し訳ないのですが 拝読して 非常に苦痛部分が有り 一言で切って いただき ありがとうございます。
又【しゃらしゃら】の部分は 以前から疑問に感じてました。（解らない）軸派の私としては 目から鱗状態 非常に興味が 軸から書き味に 今回の内容 興味沸きました！！ ありがとうございました。
Posted by 京都和文化研究所 at 2007年01月25日 23:00
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