2007年02月08日

解説【萬年筆と科學】 その19

完全な万年筆の追求について述べた【第十九章】

 第一章は1926年1月号に掲載され、この十九章は1929年の1月号に掲載されている。3年間で19章分、約2ヶ月に一回の割合で掲載された勘定になる。全てが第五章とか第十章ほどのボリュームがあれば大変じゃが、この第十九章程度の内容であれば時間もかからなかったろう。

 それにしても他に参考文献も無い中で、これだけの論文を二ヶ月に一回世に出して行くのは大変じゃったろう。本業も忙しかったろうにな。blogのような【頭の中身の吐露】と、文章の組み立てが必要な論文を比べることは出来ない。頭の汗のかき方が違う。

 拙者など【脳トレ】というか【犬の散歩がわりの早起き】の代わりに【朝blog】を書いておる程度じゃ。そういえば・・・

 昨日、国会図書館付近でご婦人が犬に語りかけていた・・・【xxxちゃん、あたしを散歩させる気かぁ?そんなに早く歩かないの!】。拙者は自分で犬を飼った事は無い。元々猫派なのだが、【犬には散歩が必須!】という事が犬と暮らす事を躊躇させる最大の原因。

 ところがこのご婦人の一言で達観出来た。犬を散歩させると思うから負担なのじゃ!犬に散歩させてもらうと考えれば良い。有酸素運動を犬トレーナー様にやっていただくわけじゃ。悪くないかもしれない。しかし自由きままに行動する【猫派】の拙者には規則正しい散歩なんぞ無理だわな・・・

 【萬年筆と科學】の第一分冊は十九章で終了。第二分冊に入るとイリジウム特集といってよいほどの内容。今からわくわくする。

 そのテンションを蓄積する為の準備期間なのか、この十九章を含め、これまでの数章は渡部氏のテンションは低い。この十九章など、明らかな手抜きじゃ。

 この章で渡部氏が言いたかったのはただ一つ。【萬年筆の技術は日進月歩の最中であり、2年前の理論はもはや役立たない事もある。大いに期待せよ!】じゃ。

 渡部氏の意見の中で面白いのは【手作り万年筆なんか作っているから精度も品質も悪い。機械の方がはるかに精度が良い。しかし、それでも完璧ではない・・・】というもの。当時の万年筆は現代のパソコンのようなもの。より使いやすいハードやOSがあるのに、バグが多く、遅く、使いにくいものを使う必要は無い!という的を得た指摘じゃ。ただ、マッキントッシュ・クラシックが珍重されたりもしているので、全否定するものではないはず。

 現在では持てはやされている【手作り萬年筆】が、当時は未熟な技術とされていたのは面白い。【手作りだからこそ融通が利く】という発想は無かったようじゃな。

 時代によって【評価】も変わる。過去に【紳士の小道具】であり、今や【ヲタクの手慰み物】である万年筆が、将来は【淑女の持つべきアクセサリー】に変えていかねば! それが我々の使命じゃ!

 女性諸君、バレンタインには安い【義理万年筆】を! 

 男性諸君、ホワイトデーの本命には【地味な国産万年筆】を!


解説【萬年筆と科學】 その18 
解説【萬年筆と科學】 その17 
解説【萬年筆と科學】 その16 
解説【萬年筆と科學】 その15 
解説【萬年筆と科學】 その14 
解説【萬年筆と科學】 その13  
解説【萬年筆と科學】 その12  
解説【萬年筆と科學】 その11
 
解説【萬年筆と科學】 その10 
解説【萬年筆と科學】 その9

解説【萬年筆と科學】 その8
解説【萬年筆と科學】 その7
解説【萬年筆と科學】 その6
解説【萬年筆と科學】 その5
解説【萬年筆と科學】 その4
解説【萬年筆と科學】 その3
解説【萬年筆と科學】 その2
解説【萬年筆と科學】 その1


Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(6) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 情報提供 
この記事へのコメント
こまねずみしゃん

拙者は、人生で負けても、万年筆で勝てば本望じゃ!
Posted by pelikan_1931 at 2007年02月10日 11:00
 昨年トルコを訪れたとき、アンカラのケマル・アタチュルク廟で記帳を求められたとき、モンブラン74で書いたら、係官もトルコ人の友人も驚いていました。トルコでも万年筆は普通に使われる筆記具ではないそうです。
 ケマル・アタチュルク記念館には愛用の銀製の万年筆が展示してありました。
 アンカラでは私立小学校も訪れました。1箇月の学費はトルコ労働者の1箇月分の平均賃金に相当するくらいで、コンピューターを含めてかなり高度な教育が行われているようでしたが、使っている筆記具を見せてもらったところ、鉛筆数本に消しゴムでした。
 トルコはOECDの加盟国でイスラム国家の中では今後経済発展が見込める国だと思いますし、もし筆記具を寄付するならトルコが良いのではないかと思います。


 万年筆で勝っても人生で負けてます・・・orz
Posted by こまねずみ at 2007年02月09日 23:37
ブラックデー・・・って、バレンタイン負け組みの記念日でしたな・・・

146とか149なら、DDMMで読めば、6月14日とか9月14日と読めるのですが、
万年筆負け組とは断言できないしな・・・
Posted by pelikan_1931 at 2007年02月09日 07:58
298しゃん

皆が上達すると。新しい万年筆が売れなくなるので、直った万年筆を開発途上国へ寄付するってのは?新たな筆記文化を築いてもらうわけです。
Posted by pelikan_1931 at 2007年02月09日 07:56
 では、4月14日の「ブラックデー」はどうしましょうか?
Posted by こまねずみ at 2007年02月09日 00:46
義理萬年筆・・・ そうだ!! 豆まき、えほう巻き、バレンタインデーチョコ、クリスマスケーキ・・・とくれば なんか理由を見つけて義理萬年筆や本命萬年筆が飛び交う日を作ればいいような〜♪  そんでもって・・萬年筆供養の日も作って学問の神様のところで供養  ・・集まった萬年筆で修理技術を体得・・な〜んて なると 供養になりますね (^_^)v
Posted by 298 at 2007年02月09日 00:14