筆圧が強く、個性ある字形がお望みならうってつけの万年筆かもしれない。筆圧の低い人にとっては平凡な小型万年筆じゃが、いざ筆圧をかけて使ってみると、これが面白い。拙者も一時嵌った記憶がある。
Montblancのクーゲルとは味付けが異なり、PelikanのK【クーゲル】では通常ニブとの筆記感に差はないと言われている。今回の記事を書くにあたって秘蔵品に付いている【M】と【KF】とを比べてみたが、結論から言えばやはり【ほとんど同じ】じゃった。【KF】の方がイリジウムの溶着部分が若干厚い。が、研ぎに差は無い。書き比べてみても差は感じられなかった。個人的には【KF】のほうがイリジウムだけ見れば【別嬪】じゃな。
横から見るとペン先が大きくお辞儀している。これが独特の弾力の秘密。筆圧をかけると、かけたところだけ字幅が太くなるが、少しでも筆圧をもどすと極端に細い字幅にもどる。ずいぶん前にmonolith6しゃんが【サツマイモ文字】と表現したが、言い得て妙!髭のついたサツマイモを思い浮かべれば、どういう字形になるのかが想像出来よう。
こちらはペン先ユニットを分解した図じゃ。今回はソケットが緩くペン先がどこまでもソケット内にもぐりこんでいくという不具合もあった。代用の透明ソケットに変えた挙句に割れる・・・というこの時代の140や400にありがちな症状かと思ったが、純正のソケット!そこで別の140についていたソケットを使ってみるとキッチリ!どうやら製品誤差があったようじゃ。Pelikanにしては珍しい・・・
こちらは調整前のペン先の表。Montblancほどではないが、やはりエボ焼けはしている。同じ14金といってもNo.149やNo.146よりかなりエボ焼けは少ない。金の組成、エボナイトの組成や大きさによって焼け方は微妙に変わるのかもしれない。個人的にはMontblancの赤銅色に焼けたNo.149のペン先が好きじゃが、そのままではインクフローが悪くて使えないのが弱点。
こちらは調整前ニブの裏側。やはりエボ焼けの程度は軽い。ただし左図で見た感じよりは汚れている。例によって金磨き布でゴシゴシ擦ってピカピカに磨き上げる。このニブの根元にあり小さな孔の意味が長年わからなかったのじゃが、昨日の【萬年筆と科學】の中で紹介されたニブを曲げる時の位置固定方式の亜流かな?
こちらが磨き上げた上で、スリットを多少拡げてインクフローを改善したものじゃ。もちろん表面はピカピカに磨き上げた。140のニブは剛性が強いだけに、スリットが詰まったままだとインクがほとんど紙に付かないほど。ほんの少し切割りを拡げるだけで別物のような書き心地になる。
こちらが調整後の図じゃ。ソケットが硬くなった事によって、一番美しい位置までペン先を前進させる事が出来た。さっそくインクを入れて左から右に高速で線をひいてみると・・・キュイーンと筆記音を立て、インク飛沫を上げてくれる!大成功じゃ!この壮大な【ペン鳴り】がするペンでゆっくりと文字を書いた時の気持ちの良さは尋常ではない。はやくわざとペン鳴りを出させる技を体得したいものじゃ。今回もたまたま運良く鳴いただけじゃった・・・