この時代のアウロラは、日本市場においては単なる弱小企業のイメージでしかなかった。【アスティル・エコスティール】がニューヨーク近代美術家永久保存モデルだという事だけしかアピールポイントが無いブランドのように感じておった。
本国でも同じような状態ではなかったのかなぁ・・・
アウロラがグングン存在感を伸ばし始めたのは、88とオプティマを投入してから。軸色の美しさから一気に市場に受け入れられた。時を同じくして数々の伊太利亜新興ブランドが美しい万年筆を作って市場参入を果たした。
EU圏が確立し、域内貿易関税が撤廃され、一気に各国の製品が縦横無尽に流通し始めた事も拍車をかけたのかもしれない。同時にM&Aが活発になり、万年筆ブランドの売り買いも活性化された。結果として筆記具が中心ではないブランドと化したMontblancなども・・・
これが経済圏確立の光と影かもしれない。もし拙者がM&Aをかけるとすれば、ブランドの【音】として魅力的な【ヴィスコンティ】じゃな。この耳障りの良いブランドをMontblancと同じような拡がりのある商品ラインナップにする・・・忘れてならないのは万年筆素材の高級化によるイメージアップ。まずはペン芯をエボナイト製にもどす・・・だめかな?
この時代の珠玉の逸品はボールペンの【テッシー・ラッカー】じゃ。拙者は緑しか持っていないが、まさに宝石のように美しい。リフィルがいまだに売られているのもありがたい。この青色インクが美しいというのは以前紹介したはずじゃ。
概してヨーロッパ系のインクは青色が美しく、黒が悪い・・・と言われていた。青が美しいのは今でもそうじゃが、黒もカランダッシュを筆頭にすばらしいものが出てきた。やはり市場がメーカーを育てるのじゃろう。爛熟市場では良い製品が出る!はやく日本の万年筆界でも爛熟を再現せねばな。
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