何れにせよ一見すれば何の問題も無いように見えるのだが・・・・
ペン先部分にも違和感があるので拡大してみた。形状からして400のニブよりやや小さく、140用のニブが付いているようじゃ。書き味も140そのもの。140と400では同じ径のソケットを使うので、こういう芸当が出来る。逆もあって、140に400用のペン先が取り付けられて売られている事もある。
だが、これは不幸中の幸い。全部品が揃っているので、ピストンから心棒を抜けばOK!90度のお湯に入れて20分後に心棒を回しながら引っぱると・・・外れた!さっそく心棒を尻軸に押し込んだ。こんどはピストンの軸の内部を洗浄する必要があるので、ロットリング洗浄液を入れた超音波洗浄器にピストンを入れて約3分。
これが装填完了した状態。少しでも400に近づけるために、140のペン先をペン芯よりもかなり前に出し、首軸尖端から先に少しでもペン先が出るようにした。書いてみると、多少ゆっくりと書いても【キュイーン】というペン鳴りが発生した! すばらしい! ひょっとするとペン鳴りを出させる秘密が解かったかもしれない。確信が無いのでまだ公表はしないが・・・
店先でパーツと利用に二束三文で売られている物であっても、このように見事に復活するものもある。100年後に残っているVintage万年筆の中に400や140を残すのであれば、修理できるものは修理して、少しでも生きながらえていただく必要がある。
万年筆修理は楽しく、また後世の万年筆愛好家に対する義務でもある。出来るだけ多くの人が万年筆を修理する気持ちになっていただければ幸いじゃ。