


Lamy LF2000に出会ったのは万年筆道楽を初めてあまり時間がたっていないころ。アメ横で購入した。定価の40%引きで消費税導入前だったので、6000円で購入できた。実は4色ボールペン購入のついでに触ってみたのじゃが、その書き味の滑らかさに感激!またどれで書いても書き味に差が無いのにもビックリ。隠れた名品!なんて悦に入っていたが、後で文献を調べたら有名な品じゃった。拙者が知らなかっただけ・・・
Parker 51やLF2000のようなHooded Nibの万年筆は筆記時のペン先のズレが少ないので非常に安定した書き味となる。引っ掛かりを感じる余地が少ないのが原因であろう。またペンポイント付近までペン芯が延びているのでインクが途切れる確率も小さい。従ってインクフローが良いので自然と筆圧が下がる。
これがHooded Nibを【書き味が良い】と感じる原因。確かに一定の書き味でグリグリと文字が書けるのは気持ちが良い・・・・だが、ローラーボールの書き味に似てはいないか?という感覚を持ったあたりから・・・書き味に飽きてくるのじゃ。
平凡でそこそこ幸せな人生よりも、山あり谷ありの波乱万丈の人生の方が楽しいように、書き味にもドラマが欲しい。酷い書き味が調整によってすばらしく変わったり、人に貸したら酷くなったり、また良くなったり・・・というドラマはHooded Nibでは味わうことは少ない。やはりOpen Nibの方が面白い。
拙者がLamyで一番感心したのがLF50のニブ。Pelikanなどでも似た設計の軸を見かける。Montblancにもあった。これらは全てAurora アスティルの影響を受けている。それらの中で最も素質が良かったのはLF50だと思う。
銀座書斎倶楽部が銀座文具という名だった大昔に何本か購入した。筆記角度にあわせた調整が上手くいくと、極上の書き味になる。書き味が悪いのから良いのまでの分布図を(正規分布のように)書くとしよう。その両端が長いのがLF50で中央に狭く分布しているのがLF2000じゃ。LF50は書き味の個体差が大きく、LF2000は書き味の個体差が少ない。
現在のLF2000は21000円だが、それでも他メーカーのものと比べると安い!コストパーフォマンスの非常に良い万年筆じゃ。長い期間にわたって作られているので、実は細かなマイナーチェンジもある。それを捜すのも楽しみの一つ!
軸を洗剤で洗って乾かすと白っぽくなってしまう。手の脂がいきわたるまで待てなければ・・・ひまし油を塗ると良い。一発で元の光沢を取り戻す事が出来る。間違っても鼻の脂で代用しようなんて考えないようにな。
LF57のニブを見るとPelikan #100の白軸についていたニブを思い出す。あれと同じような焼付け塗装のようじゃ。先々週紹介したPelikan シグナム P540との軸の類似性と合わせて考えると・・・PelikanとLamyはある時期、どちらかがOEM生産していたのではないか?という疑念も生まれる。一番右の図の下から二番目に紹介されているLamy LR370というローラーボールの軸素材が、Pelikan #100の白軸に良く似ているのじゃ・・・
大量生産技術はLamyの方が優れているので、もし仮説が正しければ、PelikanがLamyに製造委託したと考えるのが自然だが、はたして真実は・・・?
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