Parker Sonnetは発売当初のペン先がついている物に限っては何本も購入した。柔らかいペン先に魅了されたのでな。おそらく20本以上・・・・。当初は極太専門だったが最近ではFが気に入っている。うまく調整できれば非常に良い書き味になる。しかも・・・出荷時点の調整や検品がメチャメチャなので非常に楽しませてくれる。一方ペン先を外せないので満足な調整が出来ない・・・次回こそ!との決意も生まれてくる。一発購入は危険じゃが調整を前提とすればGoodな万年筆じゃ。ペン先の設計が変わった後の物は触った事も無いので良くわからない。
このペン先は18金のF。まさに最近の拙者のお気に入りのもの。小ぶりなペン先だが、ハート穴からペンポイントまでの穂先が長い。また形状もかなり抉れた二等辺三角形になっている。またニブの厚みも非常に薄い。要するに柔らかニブの要素を兼ね備えている名品じゃ。Parker 75という、どちらかといえば剛性の高いペン先から、Sonnetの柔らかペン先に変更するにはかなり勇気が必要だったはず。Sonnetだけに社運を託す予定なら、こんなに柔らかなペン先にはしなかっただろう。【デュオフォールド復刻版】という剛性の高いペン先を持つフラッグシップの【対極としての位置】がSonnet・・・という戦略ではなかったのかな?
特にインターネットなどで海外から買う場合のSonnetの状態は酷い。日本市場で販売されるものは店舗側の検品がしっかりしていれば問題ない。インターネットで購入する場合は、こういう検品で跳ねられた物が売られるケースが多いようで、まともなものに一度も当たった事が無い。拙者に取ってはまさに極楽!なのがSonnetの通販のペン先! 普通の人には地獄かもしれない・・・
ペン先を上から見ただけでは問題は発見できない。左画像のようにペン先をひっくり返して見ると・・・地獄じゃ!ペンポイントの中央にあるべき切割りがずれていて、左右のイリジウムの大きさが異なっている!またペンポイントをペン先に取り付けている位置がずれていて見苦しい。海外から入手したり、国内オークションで入手したSonnetのペン先【F】はほとんどがこのような形状だった!拙者が万年筆店の店主なら絶対に撥ねるわな。ただし自分用であれば舌なめずりじゃ。こういうのは調整を趣味とする者にはありがたい。ただしペン先が外れないので、調整はものすごく大変・・・
調整後は左画像にようになる・・・なんて書けば簡単じゃが、今回は二度とやりたくない!と思わせられるほど大変だった。構造上スリットを開くにはスキマゲージを使うしかないが、ヨリが強すぎてスキマゲージではビクともしない。これには焦った!結局はサンドペーパーを使ってスリットを拡げた・・・というより削り出した。この方法を使うとハート穴付近よりペン芯の先端部の方がスリットが拡がってしまう。一見毛細管現象が発生しないような錯覚を覚えるが、万年筆のインクが前進するのは複数の要素の絡み合いなのでそれほど心配する事は無い。見栄えが悪いだけじゃ。
これが調整後のペン先を上から見た画像じゃ。調整前よりペンポイントは細身になっているが、スリットが拡がったのでインクフローは素敵な状態!潤沢なインクフローがあってこそSonnetの書き味が楽しめる。ヌラヌラではなくシュルシュルというのがSonnet細字の筆記音。【万年筆の書き味を演出するスパイスは紙との摩擦音】ということを改めて認識させてくれる名品じゃ。【スルヌルヌラヌラ一辺倒の極太好き】だった時代が拙者にもあった!ということがもはや懐かしく思えるようになった。いま大好きなのは【細字スタブ】の感覚なのじゃ。良い女の背中を人差し指でなぞる感じに近いかも・・・ゾクッ!