



まだ物品税があったころのDupontの筆記具・・・・高い! 現在の相場から考えても高いなぁ。Montblanc No.149が45,000円の時代に、Dupont Classic の純正漆黒が70,000円ですからな。エカイユ漆となるとボールペンでも59,000円じゃ。
もっとも当時のアメ横には、これより高いターガーアイなどのボールペンも鎮座し、それを【安い!】と感じて買った記憶もあるので、Dupontというブランドの価値が今よりは段違いに高かったのだろう。現在ではMontblancの方がDupontよりも高級ブランドとの認識が高いかもしれない。Montblancの戦略は大成功!
一方のDupontは一時お手ごろ万年筆のフィリアスに注力した時代があった。たしかに値段の割には驚異的な書き味やバランスを持ち重宝したが、長く愛用したいという感じではなかった。
最近のDupontの復活は既に幻の万年筆となってしまった、タージマハールに見られるように、期間限定のプレミアム万年筆をごく少量?市場に投入することによってブランド人気高揚に成功したと思われる。その後も魅力的な限定品を市場に投入している。思えばこれはPelikanが進むべき道だったのかもしれない。
このカタログの時代に関しては確信が無いが、これ以前の時代、Dupontの万年筆はPelikanがOEM生産していた。現在のMontblancの宝飾モデルや時計のデザインには同じグループのカルティエのデザイナーが担当しているという噂も聞く。デザイナーズブランドと一緒のグループに入る事によってブランド価値を高める・・・これがPelikanが進みたい道であったかもしれない。もし、筆記具だけのメーカーであったなら・・・。Pelikanが総合文具メーカーであり、独逸国内で使う学童用の万年筆を作っていたことから、独逸国内でのブランドイメージが高くなかったのかもしれない。もっとも拙者の個人的願望なのでPelikanには【大きなお世話】といわれそうじゃが・・・・好きなブランドに夢を託すのはバチ当たり ではあるまい。
拙者は何千種類もの万年筆を握ってみたが、ポルトプリュームは最も筆記時の姿が美しい万年筆の一つじゃ。エカイユと星雲系列のポルトプリュームは何本か購入したが、眺めるだけでため息が出て、一度としてインクを入れた事がない。調整を趣味とする拙者が、ペン先に手を入れなくても満足できる唯一のシリーズじゃ。
価格表には掲載されているが、写真には出ていない【ポルトプリュームのオーシャン漆】を長年捜している。ボールペンは苦労の末10年ほど前に手に入れたが万年筆は実物を見た事すらない。
いまどうしても欲しいと願っている万年筆は2本しかない。Dupontのポルトプリューム・ブルーオーシャン漆と、Dupontのタージマハールだけ。タージマハールは書斎館で個人の持ち物を触らせてもらったことがあるが、ブルーオーシャンは高島屋の万年筆売場で20年前に古いカタログで見せてもらっただけ。一度で良いから本物を見てみたい。写真に撮るだけでも・・・!というくらいに恋焦がれている。
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