
尻軸には会社名の上に【EXPORT】の文字も見える。輸出仕様のようだがどこがそうなのかな?

尻軸の角が取れているので見え方によっては400Nに見えなくも無い。が400Nはもう少し頭が丸いのでこれは400の角が取れたか、角を取ってEXPORTにしたかじゃろう。縞模様も微妙に違う。年代は下の方が古いと思われるがいかがかな?

思っていたほど汚れも劣化も無かった。本当に当時のPelikanは良い作りじゃ。
キャップを胴軸にねじ込んでいくと、グギュ〜〜っと締まる。通常はカラカラ・・ギシっと締まる。キャップと胴体のネジのピッチが違うのかとも考えたが、キャップと尻軸の色は明らかに同ロットと思われるので、個体差じゃろう。
もっとも通常のPelikan 400よりは、はるかにキャップが外れにくいのでGoodじゃな。

Pelikan 400のニブの特徴は薄にニブをお辞儀させて、弾力を出している。依頼品はお辞儀の角度は同じだが、ペン先が厚い。従って筆圧をかけてもビクともしないほど丈夫。
これは全体重をかけて運筆する人用のペン先かもしれない。Vintageの形状で、書き味は現代的じゃ。
Pelikanでは剛性を出すために2つのハート穴を開け、一つ目の穴までしか切り割りを入れないでガチガチにした【カーボンペーパー用ニブ】があったが、正直美的には苦しかった・・・。今回のHBBは見かけは通常のペン先と同じなので違和感はまったく無い。
外見は正統Vintageだが、日陰者の高筆圧者用ニブ・・・なにかシークレットブーツに似ていると感じるのは拙者だけ?
拙者は大学2年生の時、男用ハイヒールが発売されると同時に購入した!下宿の部屋の中で履いて慣らしていた時、いきなり雨になったので洗濯物を入れねば・・・と歩を進めたとたん鴨居に頭をぶつけてしゃがみこんでしまった。体に染み付いた距離感や高低感が突然狂うと、人間はとっさには対応出来ないもののようじゃ。

極太で剛性の高いニブの調整にはほとんど時間はかからない。むしろ分解してほかに不具合が無いかを調べる時間の方が長い。
拙者の調整とは・・・歯のかみ合わせが悪いといって訪問してきた患者さんに対して、胆石除去から心臓手術、内臓脂肪除去から美白まで施すようなものじゃ。親からもらった顔だけはいじって欲しくない!というような希望があればその旨事前にお伝えくだされ。
ただ、そういう調整なら他所でやっていただいたほうがリスクが少ないですぞ。
拙者はプロではないので修理品として受け付けているのではない。あくまでも生贄じゃ。煮て食おうと焼いて食おうと拙者の好きにする!という条件で受け入れるのが生贄。従ってたまにフランケンシュタインのような物が出来上がる・・・
【 今回の調整+執筆時間:2.0時間 】 調整0.5h 執筆1.5h