2007年06月28日

解説【萬年筆と科學】　その41 と　萬年筆研究会【WAGNER】記念万年筆

イリジウム溶解と切り割りの苦労に迫った・・・【第四十一章】

2007-06-28 04　　昨日、同僚から【そうそう、先週万年筆屋さんから私の携帯に電話があり、依頼のとおりに修理できますって！何の事かわからないけど・・・】と言われた。

　え、おぬしの携帯電話？拙者知らんぞそんな番号？

　で聞いてみたら彼女と拙者の携帯番号は下２桁が入れ替わっているだけで後は同じ。拙者が伝え間違えたか、先方がかけ間違えたかじゃな。おそらく後者。

　それにしても、拙者が万年筆ヲタクである事を知っている同僚で良かった！

　困ったのは、まったくその内容に心当たりが無いこと。そもそも修理の依頼を受ける事はあっても、修理依頼をする可能性は低いし、いくらボケが進行しているからといって、万年筆関連の事を忘れるはずは無いのじゃが・・・

　さて、第四十一章は、イリジウムに関する苦労の歴史が綴られている。もちろん海外での特許を読んで感慨にふけるという従来のパターンじゃ。

　ま、はっきり言って、ここで拙者が解説を加えるほどの事もない。解説無しでも十分理解できるじゃろう。

　上の図は万年筆のペン先にスリットを入れる機械で、1885年ごろに一般公開されたとか。

　薄い銅板Fを二枚の座金Gで抱きしめて心棒Hに取り付け、一分間2500回転を与える。Hにはダイヤモンド粉末を綿実油で練り合わせた物が入っている。

　で回転刃（といっても刃は付いていない。付着したダイヤモンド粉が刃となる）にイリジウム部分を当てて、じっくりと時間をかけて切っていたようじゃ。

　先日の美の壷での切り割りは【一瞬】だった・・・。やはりこういう単純な作業の分野でも技術革新はあるものじゃ。

　イリジウム関連の年表をまとめると

��1804年　イリジウムをスミツソン・テナントが発見
��1852年　イリジウム粉を金ペンの先端に付着させ、これを切り割る方法をジョーン・イサック・ホウキンスが完成
��1880年　イリジウムを溶解する方法をジョーン・ホウランドが発見
��1885年　イリジウムの溶解方法・加工法の秘密をネルソン・ペリーが一般公開

となる。

2007-06-28 01　そこでイリジウムに敬意を払っていた並木製作所の渡部氏にちなんで、WAGNER限定万年筆第一号はパイロット製とした。名称は【WAGNER 2007】と何の捻りも無い。

2007-06-28 02　ベースとなるのはパイロット・シルバーンの【石垣】。通常はFとMのペン先しかないが、今回は特別に２０本限定でBニブ付を作ってもらうことにした。

2007-06-28 03　　そして　WAGNER 2007  という刻印は、右のSTERLING SILVER の刻印の裏側。すなわちクリップ側の正面に彫ってもらう。

　限定２０本じゃが、WAGNER会員で全数がはけない場合は、一般にも販売するので興味ある方は、最初のコメントにあるメールアドレスに連絡されたし。ただし会員優先なので、売り切れたらご容赦を！

　値段はまだ決定していないが、一般の人は５万円程度じゃ。WAGNER会員には特典が付く。値引きかもしれないし、記念Goodsかもしれないし、抽選券かもしれない・・・そちらはお楽しみに。なをこれを機会に会員登録をされてもけっこうじゃよ。

　今後WAGNER会員が増えていく事を前提とすれば、その限定万年筆第１号を欲しがる人は絶対に出てくる。あえて限定番号や会員番号を彫らなかったのは、この万年筆を世代を通じて引き継いで行って欲しいからじゃ。

　拙者もMINT状態（未開封）状態を何本かは確保しておきたいと考えている。特注品は前金が原則なので、今回は20本限定とした。嫁取りの意思表示はお早めに！

　冒頭の【万年筆屋さんからの修理連絡】は解説【萬年筆と科學】　その４０に記載した、キングプロフィットへの漆塗りの事だと思われる。拙者の指示どおり漆がかけられますよ！という連絡だったはず。それ以外に思いつかないでな・・・


過去の【萬年筆と科學】に関する投稿

解説【萬年筆と科學】　その４０　
解説【萬年筆と科學】　その３６ 
解説【萬年筆と科學】　その３５
解説【萬年筆と科學】　その３４　
解説【萬年筆と科學】　その３３　　
解説【萬年筆と科學】　その３２　
解説【萬年筆と科學】　その３１　
解説【萬年筆と科學】　その３０　
解説【萬年筆と科學】　その２９　
解説【萬年筆と科學】　その２３　
解説【萬年筆と科學】　その２２　　　
解説【萬年筆と科學】　その２１　
解説【萬年筆と科學】　その２０　
解説【萬年筆と科學】　その１９　
解説【萬年筆と科學】　その１８　
解説【萬年筆と科學】　その１７ 
解説【萬年筆と科學】　その１６ 
解説【萬年筆と科學】　その１５ 
解説【萬年筆と科學】　その１４ 
解説【萬年筆と科學】　その１３ 　
解説【萬年筆と科學】　その１２　 
解説【萬年筆と科學】　その１１ 
解説【萬年筆と科學】　その１０ 
解説【萬年筆と科學】　その９
解説【萬年筆と科學】　その８
解説【萬年筆と科學】　その７
解説【萬年筆と科學】　その６
解説【萬年筆と科學】　その５
解説【萬年筆と科學】　その４
解説【萬年筆と科學】　その３
解説【萬年筆と科學】　その２
解説【萬年筆と科學】　その１ 



Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(13)│ このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック │万年筆 
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この記事へのコメント
いぐいぐ しゃん

萬年筆愛好家のサイトですので、それ以外の方はご遠慮くだされ。
Posted by pelikan_1931 at 2008年05月22日 20:14
はじめまして
万年筆愛好というのではなく、イリジウムの溶解を調べていてここにお邪魔しました。ホウランドやペリーの方法はこれから紹介があるのでしょうか。もしないのでしたら、その内容あるいは調べ方をご教示いただけると幸甚です。
門外漢の質問ですがよろしくお願いいたします。
Posted by いぐいぐ at 2008年05月22日 12:58
みーにゃしゃん

７月１日のBlog画像を見ればもっと良くわかるじゃろう。
Posted by pelikan_1931 at 2007年07月01日 11:40
良く分かりました！ありがとうございます。
Posted by みーにゃ at 2007年07月01日 11:06
penroseしゃん

これがBになるとどうなるか楽しみです。
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月30日 14:54
みーにゃしゃん

かものはしというのはペン先の先端部分の方が斜面の傾斜がゆるくなってべろーんと長くなっているような感じを言います。
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月30日 14:53
5
写真をよく見ると確かに「かものはし」になってますね。書いてみるのが楽しみですね。
Posted by penrose at 2007年06月30日 13:11
それは楽しみです
「かものはし状態」というのが良く分からないのですが、くちばしがちょっと反っているような感じでしょうか。
Posted by みーにゃ at 2007年06月29日 20:32
みーにゃしゃん

ＷＡＧＮＥＲ会員にはメールで案内が行っている筈じゃ。

一見して硬そうじゃが、先端部がかものはし状態になっているので、独特の弾力がある。
絶品じゃよ。
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月28日 23:51
わー！これですか〜♪
「WAGNER限定記念万年筆」！
「万年筆の深窓」にも書いてあり、なんだろ〜？と思ってたんです。

すてきですね〜！パイロットのシルバーン！
初めて読んだ「趣味の文具箱　Vol.5」で『魅惑のスターリングシルバーペン』という特集で出ていて、カッコイイ！欲しい！と思ったのを覚えています。
これなんですか〜♪私も欲しいです。

こういうペン先の形状のものは書いた事がないので、書き味が想像つかないのですが、どういう感じですか？
Posted by みーにゃ at 2007年06月28日 23:42
kugel_149しゃん

そうだ、万年筆スタイルに書いてあった！　ありがとしゃん！
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月28日 21:38
その噂は事実です。
何度も関係者から聴きました。
「万年筆スタイル」にもそのことが紹介されている記事がありましたね。
「万年筆スタイル２」だったかな。
Posted by kugel_149 at 2007年06月28日 15:07
コメント欄右下の

Posted by pelikan_1931

の色が変わっている　Ppelikan_1931 　の部分をクリックすれば拙者へのメール送信状態になる。

このシルバーンはパイロットの社員人気トップの万年筆！　との噂を聞いた。
Posted by pelikan_1931 at 2007年06月28日 07:01
 
 
 
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