万年筆評価の部屋:本当に欲しい万年筆はどんなもの？

2007年07月24日

本当に欲しい万年筆はどんなもの？

　昨日、拙者が勤務する会社の新規事業開発チームから取材を受けた。

　それぞれの分野の【コア】な部分に生息する【同好の士】がどういう情報に反応し、どう動くか？またその購買動向は？

　というような内容。種々の【コア】を分析することによって【同好の士】の消費動向を分析し、そのパターンにフィットする商品開発を、そのプロセスから変革する事を狙っているのだと思われた。

　拙者は名誉なことにヲタクの代表として取材を受けたわけじゃ。万年筆界の宅八郎？

　その過程で、万年筆業界について考えた事もある。

　万年筆業界の特徴は・・・誤解を恐れずに言えば・・・

　①完全なプロダクトアウトで商品開発がされている
　②お客様相談室に入る１人の苦情を元に99人が喜ぶ性能が改悪される
　③唯一の最終顧客情報収集手段であるペンクリには満足している人は来ない
　④ペンクリにメーカーの役員がいるのを見たことが無い。営業さんはたまに・・・

　要するに業界として不足しているのは、万年筆愛好家の声を入手する手段じゃ。作る人、売る人、買う人が全て幸せになるべきじゃが、万年筆愛好家という買う人は泣く泣く万年筆を使っている・・・昔は良かった！と嘆きながら・・・

　不思議なことに万年筆くらぶ【フェンテ】に、万年筆メーカーの人はほとんど参加していない。萬年筆研究会【WAGNER】にいたっては皆無。

　この状態では【無難な万年筆】が増えるばかりで【魅力的な萬年筆】は出ないな・・・と絶望に近い感覚を持ってしまった。

　拙者も皆がどんな万年筆が欲しいのかはよくわからない。しかし自分にとって完璧な万年筆が出来たら金に糸目を付けずに買うであろうことは想像に難くない。

　万年筆業界の活性化は、

　①一部の人々に熱狂的に支持される【完全無欠の萬年筆】を作る（フラッグシップ）
　②中古市場を確立する事（カメラのように気軽、中古車のように整備者要）

　に尽きると以前から考えている。

　②はオークションなどで流通が始まったし、修理できるショップも増えてきた。問題は①じゃ。そこで久しぶりに読者の皆さんに①に関して書いてもらいたい。

　ただし今回は機能についてだけアンケートに答える形式で書いて欲しい。前回は【純銀のM300】なんて素材の話が中心になった・・・これでは国産万年筆メーカーの参考にはならない。

　そのまま作ってくれなくても良い。が、作れば非常に付加価値の高い商品になるじゃろう。そしてその商品はメンテナンスが出来る小売店でしか取り扱わない・・・というくらいの覚悟でお願いしたいものじゃ。我々は差別化された商品を求めている。安価である必要はない！時計にたとえるならグランドセイコーかな？

☆以下の質問に対する答え（一部でもけっこう）と、一言をコメント欄に書いて欲しい

①ボディの素材【革、純銀、金無垢、スネークウッド、ブライヤー、エボナイト、セルロイド、樹脂、漆塗、蒔絵など】

②吸入機構【テレスコープ、回転吸入、スノーケル、タッチダウン、レバーフィラー、ツイストフィラーなど】

③ペン先の素材【14金、１８金、２０金、２１金、チタン、プラチナなど】

④ペン芯の素材【エボナイト＋漆、エボナイト、エボナイトもどきの樹脂、樹脂】

⑤どうしても欲しいニブのバリエーション【ステノグラフ、ミュージック、６Ｂ、可変、超軟、超極細、ダブルキングイーグルなど】

⑥キャップの締め方【嵌合（かんごう）式、回転式、差込式、キャップレス（回転、ノック）など】

⑦キャップの尻軸への挿し方【ねじ込み式、かぶせ式、ポルトプリューム式、挿さないなど】

⑧ペン先の形状【イカペン、オープンニブ（通常）、フーデッド、一体型など】

⑨清掃容易性【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解、ペン先ユニットだけ分解、分解不要など】

ではよろしく！

Posted by pelikan_1931 at 07:00│Comments(18)│

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この記事へのコメント

灰色蛇しゃん

カウボーイの拳銃のような位置づけですな。

Posted by pelikan_1931 at 2007年09月29日 21:16

今更ながら・・

①ボディの素材【チタン】
②吸入機構【回転吸入】
③ペン先の素材【14金】
④ペン芯の素材【樹脂】
⑤どうしても欲しいニブのバリエーション【硬めのEF/F】
⑥キャップの締め方【回転式】
⑦キャップの尻軸への挿し方【挿さない】
⑧ペン先の形状【通常】
⑨清掃容易性【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解】

道具としての万年筆が欲しい。

Posted by 灰色蛇 at 2007年09月29日 17:18

みなさん　ありがとしゃん！

さすがに実現可能性のありそうな仕様がでましたな。

多くの回答の中から販売に結び付けられそうな企画を数回にわたって連載したいと考えている。集約すると10本くらいかな？

その値段、発売本数でも買うかどうかは、その際のコメントで回答くだされ。

Posted by pelikan_1931 at 2007年07月27日 07:11

　一つ追加で…。キャップには、バネ入りのインナーキャップ付きを要望します。できれば、尻軸に差したときの押さえにもなるようなものを。

ｓｔｙｌｕｓｔｉｐさん
キングイーグルミュージックって、ペンポイントだけ見たらところてんみたいに見えるんでしょうね(笑)。

くだらないコメントで失礼。

Posted by しまみゅーら at 2007年07月26日 22:47

こんにちは，次の万年筆ができたら嬉しいです。
実現可能性のある仕様だと思いますが・・・・。

①ボディの素材【純銀、スネークウッド、ブライヤー、セルロイド】

②吸入機構【回転吸入、レバーフィラー】

③ペン先の素材【２１金のセーラーのものでよいです】

④ペン芯の素材【エボナイト】

⑤ニブ【Ｆ】

⑥キャップの締め方【キングプロフィットのような回転式】

⑦キャップの尻軸への挿し方【挿さない】

⑧ペン先の形状【オープンニブ（通常）】

⑨清掃容易性【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解】

セーラーさん，作ってくれないか？

Posted by ペルナン伯爵 at 2007年07月26日 14:20

①ボディの素材…純銀、エボナイト、エボナイト＋国産漆。
②吸入機構…回転吸入式、インク止め式。
③ペン先の素材…１４金、縦延べ。
④ペン芯の素材…ペリカン１０００レベルのインクフローがあれば何でも。
⑤どうしても欲しいニブのバリエーション…ソフトタイプのコース。
⑥キャップの締め方…回転式（５４０～７２０度）。
⑦キャップの尻軸への挿し方…ぐらつかず、経年劣化がなければ何でも。
⑧ペン先の形状…オープンニブ、イカペン。充分に大きいこと。
⑨清掃容易性…通常の保守に必要充分なレベルまでは工具なしでも分解可能。何度分解しても部品が緩まないこと。

その他…首軸先端の金リングは断じてナシ。尻軸やキャップのリングも出来ればナシで。クリップも不要。

Posted by ぽん太郎 at 2007年07月26日 09:51

mixiでアンケートをとってくれた人もるので、その結果も合わせて日曜日のBlogで報告しますぞ。

ただ、どうやら【特殊工具無しで全て分解可能】というニーズは共通のようじゃな。

Pelikan 1931 と同じで、出来ればペン先ユニットがauroraのようになっていれば、完璧じゃな。

Posted by pelikan_1931 at 2007年07月26日 03:44

なかなか多彩で面白いですな。
拙者も欲しい！というものがたくさんあります。

もっともっと出してくだされ！　その中からメーカーがヒントを見つけてくれるかもしれない。

なんせ金に糸目はつけないで買うということですから。

Posted by pelikan_1931 at 2007年07月25日 07:26

皆様こんばんは。早速ですが①純銀②回転吸入式③金④十分なフローがあれば素材は問いません⑤コース⑥回転式⑦安定してくれれば方式は問いません⑧オープンニブ⑨完全分解可能
が現在の理想ですが、20万円あれば近いものが買えそうです。夢にしては安い･･･。問いの趣旨から外れるかもしれませんが、歴史上、数あるペン先に対応できる萬年筆って作れないのでしょうか。「50年代モンブラン149ペン先対応首軸ユニット」「○○ペン先対応ソケット」とか一部を交換することでヴィンテージを含めたいろんなペン先を使えるという。できたら絶対に買います。

Posted by 花月 at 2007年07月25日 02:18

実用的で魅力ある万年筆
①ボディの素材…漆塗の単色　ワインレッド　濃いブルー　深緑
手に馴染む軸
②吸入機構　カートリッジ（パイロット）/コンバーター式（ｃｏｎ７０）
故障がなく，スポイトでインキが入れられ，吸入も出来る
③ペン先の素材　 14金
④ペン芯の素材　樹脂
⑤どうしても欲しいニブ…ソフトなＭニブで，上下逆にするとＦで筆記できる　ハート穴は長円（古いパイロット風）
万年筆１本で重宝します。
⑥キャップの締め方…嵌合式
サッと書けるので，使う気になる
⑦キャップの尻軸への挿し方…かぶせ式
落としても安心
⑦キャップの尻軸への挿し方…かぶせ式
⑧ペン先の形状…パイロット７４風
万年筆を使っているという気分になる
大きさは，ペリカンＭ４００程度
…夏のワイシャツにもさせる大きさ
◇出来る限り万年筆で書きたい　を実現する仕様と思います。

　
　

Posted by スカブＶＲ at 2007年07月24日 23:53

①ボディの素材　シリンダー型七分軸でマーブルエボナイト、もしくはエボナイトに鎌倉彫か沈金（漆塗りの場合、ド派手な模様でもかまわない）　
②吸入機構　カートリッジ/コンバーター式、もしくはインク止め式
③ペン先の素材　 14金（プラチナの縦のべ式と同等）金一色　刻印も585のみで十分、裏はロジウムメッキ
④ペン芯の素材　エボナイト
⑤どうしても欲しいニブのバリエーション　パーカーのエキストラブロードエグゼクティブ並さもなければモンブランのSポイント並、もしくはプラチナのソフトミディアム並
⑥キャップの締め方　70年代パイロットカスタムと同等かもしくは初期のパーカー61並なら嵌合式、でなければねじ込み式
⑦キャップの尻軸への挿し方　挿さないですむほど長い軸がほしい
⑧ペン先の形状　オープンニブ　20号以上の大きさ
⑨清掃容易性　工具付属
その他　クリップはなしでもかまわない

Posted by 二右衛門半 at 2007年07月24日 23:19

①ボディの素材【純銀、セルロイド、エボナイト＋漆】
②吸入機構【回転吸入】
③ペン先の素材【14金、パラジウム】１４ｋは当然、表金、裏パラジウムの隠れバイカラー
④ペン芯の素材【エボナイト】
⑤どうしても欲しいニブのバリエーション【シャイベン、キングイーグルミュージック(切り割りｘ２)】
⑥キャップの締め方【回転式、キャップレス（回転）】
⑦キャップの尻軸への挿し方【ねじ込み式】
⑧ペン先の形状【イカペン、オープンニブ（通常）】
⑨清掃容易性【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解】
ポルトプリューム式って何ですか？(汗)
日本にしかできない物創り技術で、キャップをした状態ではシンプルビューティー、書くときは世界中が度肝を抜くような物を。
クリップは当然スプリング内蔵の、がっしりした物を希望。

Posted by ｓｔｙｌｕｓｔｉｐ at 2007年07月24日 21:43

　初めまして。

　１．ボディの素材・・・セルロイド

　２．吸入機構・・・回転吸入　プランジャー

　３．ペン先の素材・・・１４金

　４．ペン芯の素材・・・樹脂

　５．ニブのバリエーション・・・コースで軟

　６．キャップの締め方・・・回転式

　７．キャップの尻軸の挿し方・・・かぶせ式

　８．ペン先の形状・・・ウイングニブ　エラボー式

　９．清掃容易性・・・クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解

　国産万年筆メーカーの万年筆のデザインに色はありきたりなのが
多いので、もう少しそこに投資してほしいです。

Posted by 閑人 at 2007年07月24日 19:34

①ボディの素材：セルロイド・・・発色の良さと、手に吸い付くような肌触りが好きです

②吸入機構：回転吸入・・・それ以外の吸入機構は使ったこと無いので(^^;

③ペン先の素材：14金・・・ビンテージペリカンのようなしなやかさがあるものがいいです

④ペン芯の素材：エボナイト

⑤ニブのバリエーション：ステノグラフ・・・実物を手に入れたいです

⑥キャップの締め方：回転式

⑦キャップの尻軸への挿し方：かぶせ式・・・基本的に挿さないのですが、かぶせてぐらつくのはいやです

⑧ペン先の形状：オープンニブ

⑨清掃容易性：すべてのパーツを特殊工具なしで分解できると最高です

Posted by shamal at 2007年07月24日 12:33

?ボディの素材　　　　　　【純銀
?吸入機構　　　　　　　　【スノーケル
?キャップの締め方　　　　【嵌合式
?キャップの尻軸への挿し方【ポルトプリューム式
?ペン先の形状　　　　　　【オープンニブ
?清掃容易性　　　　　　　【クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解
の様なものが有れば、師匠のおっしゃるように、
「金に糸目を付けずに」状態になります。

Posted by b787 at 2007年07月24日 09:49

　質問に回答します。

①ボディの素材…エボナイトか津軽塗り（津軽人なもので…）

②吸入機構…パイロットのCON-70をそのまま軸に付けて欲しい！

③ペン先の素材…１４金・バイカラー（スティピュラのようなかっこいいやつ）

④ペン芯の素材…エボナイト

⑤どうしても欲しいニブのバリエーション…スタブとミュージック

⑥キャップの締め方…嵌合式

⑦キャップの尻軸への挿し方…かぶせ式

⑧ペン先の形状…オープンニブ

⑨清掃容易性…ペン先・ペン芯は引っこ抜きできて、クリップは外れなくてもいいからクリップ下もすぐ清掃できるように！

⑩その他…個人的には、最低限のメンテナンス性を確保した上で、重大な欠陥にならない程度に（願わくは大幅に持ち味を向上させるための）、絶対素人にはさわれない「謎」があった方が興味がわきます。その方が皆さんの分解熱も燃える（萌える？）のではないかと…（笑）。

Posted by しまみゅーら at 2007年07月24日 09:29

①、②が抜けてました。失礼しました。

①樹脂、純銀、バーメイル、エボナイト、漆塗り

②回転吸入、プランジャー

です。

Posted by こうたろう at 2007年07月24日 08:44

おはようございます。以下、質問への回答です。

③１４金

④エボナイト、樹脂

⑤軟（現行でいえばペリカン　M１０００くらいは）

⑥回転式、キャップが金属素材ならば嵌合式でも

⑦かぶせ式

⑧通常のオープンニブ

⑨クリップにいたるまで特殊工具無しで全て分解

ところで、７月２６日はマヤ暦の元旦にあたるそうです。
２４日は大晦日、２５日は暦に属さない日と明日生まれの母が何度も言ってました。

Posted by こうたろう at 2007年07月24日 08:42

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