本日より6回にわたってめだかしゃんによる【インク誘導液に関する研究報告】を連載する。
自称学究肌・・・・この2年間、その片鱗さえ見せなかっためだかしゃんがついに爆発じゃ!
お楽しみくだされ!
『ポリエチレングリコールのインク誘導液としての可能性について』
WAGNER会員番号【00256】 めだか
ポリエチレングリコールという物質がある。これは、“ポリ”という名前からもわかるとおり、ケーサツ関係…違った、高分子の重合体であり、非イオン性高分子であるため、材料表面をコートすると物質表面の親水性が向上し、同時に表面電荷も抑えられるという物質。
ようするに「濡れやすくする」ということで、化粧品やトイレタリー製品の基材や粘度調整剤のほか、プリンタヘッドのノズルの目詰まり防止など、日用品の中に多く使われている。
この親水性を向上させる性質を利用して、セーラーからインク誘導液が出ている。師匠からのメールによれば、そのラベルに「ポリエチレングリコール水溶液」と書いてあるらしい。そこで、私宛にポリエチレングリコールを何とか入手できないかという問い合わせが舞い込んだ。
正直、薬品を扱うのは基本的に尻込みしてしまう。私の持っている資格は「ユーキ○○○○作業主任者」という怪しい資格くらいで、この資格は試験監督が「書きにくかったら、テキストを下敷きにしてください」と試験前に言うようなふざけた資格試験である。カンニングを推奨しているようなもので、怪しいことこの上ない。
ましてや、危険物取扱…などのような、リッパな資格は持ち合わせていない。つまり、本格的な薬品の取扱は勉強していない。だから、少しだけかじったことのある化学の知識が、私の中で危険への警鐘を鳴らしている。
そこで、まず考えたのが代替品である。「よーするに濡れやすくすりゃいいんだろ…」。ブツブツつぶやきながら、少ない知識を総動員して考え込んだ。長いこと考え込んで、3秒後に思いついたのが「グリセリン」である。
グリセリンは保湿剤としてよく使われる。だから、確実に濡れやすくなるはずである。化粧品などの基材にもなっており、表面をコーティングして乾燥を防ぐ。これなら薬店でかんたんに入手できる。で、試してみた。
P社のプラスチックペン芯のニブを外し、水で2倍に希釈したグリセリン液につけ込み、その後自然乾燥させてから、再度軸にセット。コンバーターでインクを吸い込んで、さて…。山田の原稿用紙に書きまくってみた。
確かにインクはスムーズに出てきた。でも、初めだけである。そのあとは、インクの掠れが出てきて、ついには書けなくなった。まるで、ミニ檸檬である。
グリセリンではインクを保持しすぎて、流れを滞らせるのかも知れない。因みにこのP社のペンは、グリセリン処理をする前はインクがヌラヌラと出ていた。
このグリセリンの実験は、濃度を変えて何度かチャレンジした。しかし、全く効果は認められなかった。むしろ逆の効果ばかりが目立った。
仕方ない。こうなったら、ポリエチレングリコールとやらをちゃんと入手して試してみる必要がある。いや、試さないといけない。
まず、インターネットでポリエチレングリコールについてしっかり調べてみる。無資格で扱える薬品かどうかは重大な問題であるからだ(正直、まだ、尻込みしている)。扱えなかったら、購入さえ出来ない。
幸い(なんということか)、無資格でも大丈夫のようである(ああ…)。まあ、セーラーではニブのセットと一緒に販売しているくらいだから、資格なんていらないのも当然であるが。
さて、仕事の関係で理科の実験器具を扱っている業者は知っている。まず、そこへ問い合わせをしてみた。しかし、その業者では薬品の個人販売は出来ないという。じゃ、どこか個人販売してくれるところを紹介してくれと頼むと、神田にある薬品専門の業者を教えてくれた。
さっそく、翌日電話して、ポリエチレングリコールがあるか訊いてみると、「ああ、すぐに取り寄せられますが、何番ですか?」との返事。こちらの方が「え?」である。「何番ですか?」ときた。
明日へ続く