昨日の第20回目WAGNER定例会は40人というこれまでで最大の参加人数となった。(一人は小学校受験準備中の幼稚園児:父上の不良行動防止用に母親から派遣されたらしい)。
昨年度もお盆での開催日に、それまでで最大の参加人数だった・・・。
拙者は参加人数が少ないだろうと予測し【ペンクリも楽そうなので今日は久しぶりに自分の万年筆の調整でもやろう】と前日徹夜で自分用の万年筆調整を行った。結局は予想が外れ、大盛況となり、そのままほぼ8時間調整を続けるはめになった。やはり過去データを参考にすることは重要じゃ!
その調整した中の一本がこれ! 14Cペン先、二段式ペン芯、ラッパ型でない首軸先端、なで肩とイカリ肩の中間時代のクリップのモデル。【趣味の文具箱No.1の時代分類】はかなりアバウトでNo.149に関しては、まだまだ変化点や移行期モデルが存在する。拙者も全て把握しているわけではない・・・
実は、ある野望を持っており、このEFのペン先を必要としている胴体が存在する。その胴体が3ヶ月の熟成期間を経て12日の定例会に到着するとの情報を得ていたので、急いでペン先を外す必要があったのじゃ。
このペン先は左画像でわかるように、中白で開高健型。ただし黒軸のNo.149に装填しても貧者なペン先に見えるだけ。No.149は胴体が地味でペン先が派手。従ってEF付では頼りなく細いニブばかりが目立ってしまう。
EFのニブはもっと派手なNo.149に装填し、軸にばかり目が行くような状態でないとバランスが取れない。ふふふ・・・そちらは近日中に画像をお目にかけよう。すごいですぞ!
このNo.149は入手してから半年あまり調整する時間が無かった。ごらんのように、ペン芯とペン先がずれている。これが目立つのはペン芯が前に来すぎているからじゃ。
開高健モデルはペン先先端までの斜面が非常に急になっている。従ってそれ以前のモデルと同じ位置関係だとペン芯がペン先からはみ出して見えそうになっている。これに左右の力が加われば、この画像のように実際にはみ出してしまう。醜さの極致・・・
横顔を見てもペン芯が前進しすぎているのがわかる。ペン芯とペン先が出来るだけ広範囲で密着している方がインク切れが無いと信じられている為に、こうしたペン芯の前進が行われるのであろう。
しかしちゃんと設計されたペン先であれば、筆記によるペン先のポンプ運動によってインクがどんどん出てくるので、よほどの高筆圧ででもない限り、ペン先とペン芯が離れることによるインク切れを心配する必要はない。これは1920年代の【萬年筆と科學】にも掲載されているのじゃが・・・
軸から外したペン先の状態。恐ろしいほど汚れている。ごめんな・・・こんな状態で半年も放置して・・・
開高健モデルのペン先の美しさは群を抜いている。その別嬪しゃんを何ヶ月も風呂に入れないで監禁していたわけじゃ・・・・すぐに綺麗にしてもっと美しい連れ合いをあてがってやるからな!
裏側もインクカスとエボ焼けで真っ黒。明るめにScanしているので、案外綺麗に見えるが、実際は真っ黒ドロドロ!
裏も表もロットリング洗浄液、金磨き布で綺麗に洗浄して、新しい胴体に装着した。超派手なナイスバディにな!
そして残った胴体には、新しいペン先を取り付けねばならない。そこで選ばれたのが開高健モデルのB。角形Mと、このBが開高健モデルの(拙者が選んだ)最高峰じゃ。書き味云々以前に、シルエットの美しさがすばらしい!文字を萬年筆で書かない拙者にとってはそれが一番大事!多少スリットが詰まっていたので微調整して胴体に装着。
これが装着が完了した画像じゃ。開高健モデルはペン先が薄いので、首軸のかなり奥まではいる。ペン芯を後退させて、首軸内部でのペン先とペン芯の接着面積を増加させておけば、ペン先のぐらつきも多少軽減される。
ペン先のスリットが徐々に狭まっていく様子、エラの張り方、刻印文字の書体、首軸先端の形状とのバランス、そして角張ったペン先・・・眺めているだけで幸せになれる。
横顔も美しい。あとはこの美しい娘をどこに嫁がせるかじゃな。
シャラシャラ娘(軽薄系)にするか、ぬらぬら娘(なんかイヤラシイ)にするか、スラスラ娘(頭良さそう)にするかは、嫁ぎ先次第じゃ。
より時代をわかりやすくする為に、クリップをなで肩にしておこうかな・・・ちょうど海を渡っているNo.149がなで肩だし・・・
それに現行品いかり肩クリップと形状が違う、この時代の貴重な【移行期いかり肩クリップ】はラッパ型首軸のモデルに装着した方が似合う!さて今度はその軸を探さねば・・・こうして無限地獄に堕ちるのじゃ・・・
【 今回執筆時間:3時間 】 画像準備1.0h 調整1.0h 執筆1.0h
画像準備とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間