昨日は名古屋で飲み過ぎた・・・同じ席で意気投合し【メタボ・ブラザーズ】を結成した4人組で、食ったは、飲んだわ・・・
拙者は、酒を飲む度に大脳細胞が数万から数百万の単位で死に絶えるという説を信じているので、普段は痛飲はしないのじゃが・・・
似た体型の人間が集まると、どうしてもお互い無意識に競争してしまうようじゃ。
しかし、圧巻はやはり岡崎の【竹内文具店】の竹内さちよ店長! 刈谷の巨匠とともに日本酒のコップ酒をグイグイと飲み干し、ついには巨匠のネジが切れてしまうほど!
その刈谷の巨匠が萬年筆研究会【WAGNER】の中部地区大会に持ち込んだのが上記のオブジェ。DUNHILL NAMIKIのフランス向け仕様を再現した物。ご夫婦での共同作業とか・・・恐れ入りました。ちなみに写真提供は【世界のコレクター】
帰りの新幹線の中では、頭の中がぐるぐる・・・ここで意識を失ったら、一生の記憶も失われてしまうのではという恐怖心から、箱根の関のように、車内販売が来る度に止めてお茶を買って飲んだ・・・ まさに最高の一日でしたな!
さて今回の依頼品はいわくつき。見てわかるとおり、万年筆博士の水牛と赤エボナイトの軸。実に見事な作りじゃ。赤(マーブル)エボナイトと水牛の角のマッチングがこれほど良いとはな。
左の画像を見る限り、何の問題も無さそうであろう。そう、何の問題もない。なぜならこれは調整後の写真だからな。
調整前の状態は、見事にペン先が上に反っていた。いわゆる【筆でまんねん】状態だった。【筆でまんねん】はペンポイントというよりも、ペン先先端の折り曲げた三角形の金の面でインクをヘラのように伸ばしながら書くものじゃ。
従って接紙面積が驚くほど広いので、書き味も超なめらか!これはこれで良いのだが、依頼人は困り始めた・・・この万年筆が最高の素材を持つだけに、メインの万年筆として使いたくなった!ところが【筆でまんねん】は一般的な筆記にはまったく向いていない。宛名書きか絵用じゃ。
そこで【筆でまんねん】を伸ばして欲しい・・・というが依頼事項じゃ。普通ならハイハイと言って伸ばすのだが、今回はそうはいかない。
なんせ依頼人は、あの【ダメ出しの女王】。そう簡単には満足しない。そこで一計を案じた。
拙者が伸ばしたペン先を自分で研ぐこと!という付帯条件を付けた。自分で研ぐのなら、ダメを出す相手は自分自身。それに拙者が横からダメ押しの【ダメ出し】を出す。ダメを出されるダメ出しの女王。まるでキャップレス用キャップのようでおもしろい。
で、女王が1時間ほどかけて、研ぎまくったペンポイントに多少拙者が味付けしたのが、左の画像じゃ。スリットの間隔も良いし、研ぎも初心者にしてはすばらしい。ダメを出すどころか、すっかり感心してしまった。
やはり調整の詰めに最も必要なのは、鋭敏な感覚じゃな。女王は筆記スピードが速いとき、ゆっくり筆を進めるとき、また書き出し、ハネ&ハライの時の書き味を別々に感じ取り、的確に口で表現することが出来る。そう、単なるダメ出し女ではなかったのじゃ。
こちらが女王が最終的に納得した時のペンポイントの形状。もう一歩でペンポイントを削りきってしまうほど研いでいるが、その形状は拙者が理想とする形に近い。
やはり女王も市井の調整人として育てた方が良さそうじゃ。そして、はやくダメ出ししてみたい!
【 今回執筆時間:4時間 】 画像準備1h 調整1.5h 執筆1.5h
画像準備とは分解し機構系の修理や仕上作業、及び画像をスキャナーでPCに取り込み、
向きや色を調整して、Blogに貼り付ける作業の合計時間
調整とはペンポイントの調整をしている時間
執筆とは記事を書いている時間