【萬年筆と科學】 その50 は 紙の話であり、相変わらず拙者の興味をまったく引かないのでパスして、Vol.7 vs Vol.8 をテーマとする。
もちろん【趣味の文具箱】の話じゃ。Vol.7が発売になってまもなく、ある方のお誘いで、趣味文編集長と食事をする機会があった。
その席で拙者は【Vol.7は今までで最高の出来。これ以上は難しいのでは?】と問うた。それに対して編集長は【まだまだネタはあります】というような事をおっしゃった。
まずはデータで語るためにVol.7とVol.8を分析してみた。対象は表紙を除き、裏表紙を含めた枚数を分類してみた。全体でVol.7が162頁、Vol.8が154頁。
それらを【スポンサー持込の純粋広告頁】、【商品・商店紹介頁】、【訪問紀行】、【取材・分析記事】、【自社頁:目次、自腹インプレッション、サイドリバー広告頁、読者の文具箱等】に分けて分類してみた。
これらをもっと大胆に【取材・分析記事】と【それ以外】に分けてみると・・・
Vol.7:48% と 52% 162頁
Vol.8:45% と 55% 154頁
となっている。割合だけ見ると誤差の範囲のようだが、かなり趣を異にしている。
そもそも、この2冊は狙いが違うのではないかな?
Vol.7は萬年筆にかかわる生活って楽しそう・・・と読者に思ってもらうこと。登場している人は皆、楽しそうな顔をしている。自分も萬年筆とかかわれば楽しく豊かな生活が送れるかも・・・と思わせるのが狙い。
そしてVol.8では思いっきり物欲を刺激している。【取材・分析記事】と分類せざるを得ない記事の中にも物欲刺激を目的とした罠がたくさん張り巡らされている。
Vol.7は人に焦点があたり、Vol.8では萬年筆に焦点があたっている。
Vol.8を通読しようとすると、拙者でも途中で萬年筆でお腹がいっぱいになりそうじゃ。読むに当たっては一つの記事を読み終わる度に、目次にもどって次はどれを読もうかな?というくらい負荷分散しながら読むのが良かろう。
個々の記事の取材の深さは、明らかにVol.7よりもVol.8の方が上じゃ。にも関わらずVol.7の方が読後感が良い。これは拙者の好みが萬年筆そのものよりも、それに関わる人々にあるからかもしれない。
万年筆に興味を持ち始めた人をターゲットにしたのがVol.7、中級者をターゲットにしたのがVol.8なのだろう。そしてコレクター歴○○年!なんて人になってくると、またVol.7が好みになってくるのではないかな? 仲間の存在が気になってくるから・・・
そして究極の書籍は・・・・
万年筆の歴史を知りたければ・・・【万年筆クロニクル】
職人や調整人を知りたければ・・・【万年筆の達人】
そして、万年筆を愛する人々に興味があれば・・・【ペン!ペン!ペン! ファウンテンペン!】
そしてもう一つの見方もある。
【万年筆クロニクル】と【万年筆の達人】は古山画伯による画集であり、
【ペン!ペン!ペン! ファウンテンペン!】は北郷仁カメラマンによる写真集なのじゃ!