ウォーターマン社 創立50周年を祝した その54-1
今回の【その54】に関しては非常に内容が濃い上に、一般には紹介されていない事が盛りだくさん!従って一回でまとめてしまうにはしのびないので、数回に分けて紹介することにする。
第一回目はL.E.Watermanの略歴
唐突にウォーターマン社50周年の内容で、当時のCommunication事情からして、あまりに詳細な内容が渡部氏から紹介されているのでびっくりした!
【万年筆クロニクル】の49頁を読んで合点した。この記事が発表された1934年に、ウォーターマン社の機関誌【Pen Profit】創立50周年記念の【ゴールデン・ジュビリー(1934年)】号が発行されている。それに微に入り細にわたって社史が紹介されていた・・・・ 渡部氏はそれを紹介したわけじゃな。
L.E.Watermanは1837年にアメリカはニューヨーク州に生まれた。祖先は1636年にマサチューセッツ州に英国から移民として渡米した。コロンブスによるアメリカ大陸到達が1492年なので、まだ社会インフラが整っていないうちに渡米したと思われる。
父親がわずか27歳で他界したとき、L.E.Watermanはわずか3歳で長男。下に2人がいた。
何の蓄えもないWaterman家では、7歳になってもL.E.Watermanを通学させる事も出来なかったが、通学出来ないなりに独学していたらしい。
彼が10歳になった時、通学を許され15歳までの丸5年間は学校に通った。16歳になって母の再婚とともにイリノイ州に移り住んだL.E.Watermanは、夏の間は大工をし、冬の間は村の学校で教鞭をとっていたとか・・・。教員免許など無い時代とはいえ、教師としての基本教育を受けてない彼が出来た内容とは何か?
渡部氏は相当感激しているようだが、実際には専門分野の大工作業指導ではなかったのかな?冬だけということだし・・・
その後、L.E.WatermanはFowler & Wellsという出版社と取引を始め、出版物の注文取りに各所へ旅行するようになった。そのころから速記術の練習を始め、わずか24歳のときには、ヴァージニア大学の速記科の教師になっていたとか。
その後、当時普及し始めていた生命保険に目を付け、1862年に26歳で生命保険の勧誘員に転職した。その2年後にはハートフォード市にあるエトナ生命保険会社のボストン支局の代表に任ぜられた。その理由は、文案を作ったり趣意書や説明書を書くのに彼の文学的才能が大いに役立ったからだとか。
その後33歳の時から46歳になるまでの13年間、甚だしく健康を害し、保険の加入をしながら保養がてらに各州を旅していたらしい。当然生活は苦しかったようだが、おかげで病は消え去った・・・よかった・・・なんてつい引き込まれてしまった。
その後、例の有名な萬年筆発明に至るエピソードがあるのだが、【万年筆クロニクル】によれば、この50周年記念号にあわせて作られた誇張話ではないかということじゃ。
1934年はL.E.Watermanが没してから33年が経過しており、それ以前の号には一切この逸話が出てこない。しかもこの時の経営者は商才に長けた甥のフランクに引き継がれていた・・・出来すぎた話ではある。しかも逸話が直接フィッシャーフィードと結びついている。発明なんてそう理路整然と出来る物ではない・・・いわれてみれば怪しいなぁ・・・
次回へ つづく
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