2007年11月18日

Pelikan 125 Jahre Katalog その14

 前回、Pelikan 140と120に関しては詳細データを省いたので、今週追加掲載する。

 No.140は1952年4月22日に発売されている。今から55年前じゃな。その時に発売された軸色は【赤、黒、緑。グレー、青】だった。400NNに敬意を表してか、緑縞はその年には発売されていない。

 緑縞軸が発売されたのは1955年。それから爆発的に売れたようで、最近見かけるのはほとんどが緑縞。

 グレー軸は1952年の4月22日に発売されて、その年の7月29日までしか製造されていない。よほどの素材トラブルがあったのであろう。数が少ないので値段も高いが、普段使いに買うのならやめておいた方がよさそうじゃな。

 このほか、ダークブラウン、ライトトータスシェルも発売された記録はあるが、時期や期間は記録に残っていないらしい。なを1957年5月27には、シルバートリムのスチールニブ付きが発売された。もちろん緑縞だけじゃ。ほかの軸は既に発売終了していた。

 120については1955年の5月23日から1965年7月28日まで製造されている。これにはSerial Numberがついていたと書かれている。本当かいな?今度入手してチェックしてみよう。

 このあと1973年から1977年までMertz & Krellが120を作っていたらしい。

 また、米国市場向けに14金ペン先付きのPelikan 120が販売されたが、これはどの世代のものかな?


2007-11-18 012007-11-18 02 Pelikan Bookによれば、P25は14金ペン先にRelled Gold Capで、P15は14金ペン先に金鍍金のペン先と記載されているが、このカタログで見る限りは銀色・・
・ホワイトゴールドのたぐいかな?

 いずれも首軸先端付近にキャップと合わせるネジがあり、その後ろを持って書くことになる。軸が細いので握りやすく、けっこう具合がよい。

 右側画像のペリカーノはP25やP15とは違い、カートリッジ方式。ペンスタンド付きのペンケースという発想はおもしろい。ガソリンと給油装置を一緒に持ち運んでいる乗用車みたい・・・

 キャップ先端が丸い方が、P1-RGのような尖った感じがしなくてかわいらしいように思う。どうやら写真に色付けしてあるらしいが、作業を施した人はペリカーノのファンだったのかな?圧倒的に綺麗じゃ!


2007-11-18 03 こちらが今回のメイン!ペン先のバリエーションが全て掲載されている。

 ST:Steno-Feder【Shorthand】 速記用
 PF:Pfannenfeder【Flat Nib】 スタブかイタリックというところか・・・
  D:Durchschreibefeder【Manifold】 ガリ版用か?

 どうやらこの時代には、既にシャイベン【Scheibenfeder】はラインアップされていないらしい。

 なにより驚いたのが、P1やP25シリーズに【ST】のニブが準備されていた事。あのような小さなニブからどうやって【ST】のような柔らかいニブを作ったのか想像もつかない。

 それとも【速記用】というだけで柔らかくはなかったのかな? 萬年筆自体は既にお腹いっぱいじゃが、ペン先の世界は未知にあふれている。



過去の【Pelikan 125 Jahre Katalog】

2007-11-11 Pelikan 125 Jahre Katalog その13
 
2007-11-04 Pelikan 125 Jahre Katalog その12 

2007-10-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その11 
2007-10-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その10  
2007-10-14 Pelikan 125 Jahre Katalog その9 
2007-10-07 Pelikan 125 Jahre Katalog その8  
2007-10-02 Pelikan 125 Jahre Katalog その7 
2007-09-25 Pelikan 125 Jahre Katalog その6 
2007-09-18 Pelikan 125 Jahre Katalog その5 
2007-09-11 Pelikan 125 Jahre Katalog その4 
2007-09-04 Pelikan 125 Jahre Katalog その3 
2007-08-28 Pelikan 125 Jahre Katalog その2 
2007-08-21 Pelikan 125 Jahre Katalog その1 



Posted by pelikan_1931 at 13:31│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
初めまして。
ペリカン120の検索からたどり着きました。
私の所有する120は、s/nかどうか分かりませんが、軸に86QKと薄く刻印してあります。
ちなみに、グリーンの柄に黒のキャップ。ペン先はEFです。
Posted by 雲遊 at 2012年11月01日 13:50
P15、P25ともに持っていますがペン先の色目は変わりません。
両方ともBですが、ぺらぺらの薄いニブなためお蔵入りしたままです。

クリップリングが本体から出っ張っているのでいささか不格好です。
上記のイラスト(?)でも確認できますね。
できれば削って再メッキしたい・・。
Posted by 二右衛門半 at 2007年11月18日 19:47
ペリーしゃん

これはおもしろいですな。
線の細太で意味を分けているイギリスでは柔らかいウォーターマン。
わけてない米国ではインクフローが良いパーカーということですな。

独逸ではペリカンということであれば、線の細太で意味を分けているはずじゃ。MontblancのSTも非常に柔らかいのでな。
Posted by pelikan_1931 at 2007年11月18日 19:14
始めまして。いつも楽しく拝見しています。

本の要約が書かれているサイト

 http://www.isis.ne.jp/mnn/senya/senya0279.html

ここでの、
 兼子次生『速記と情報社会』1999 中公新書
についての記述から引用します。

「イギリスのピットマン式では線の肥痩が出しやすいウォーターマンの万年筆が好まれ、アメリカのグレッグ式は線の太い細いを区別していない淡線速記法なので、堅いパーカーのペン先が好まれた。ついでにいえば、ドイツではペリカン万年筆が速記の王者になっている。日本では1ミリ2Bのシャープペンシルが流行した。」
Posted by ペリー at 2007年11月18日 15:08