2007年12月16日

萬年筆に嵌りかけた【美しき酒豪】からの投稿

 【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】を仕事でお世話になっている方々にお贈りした。郵送した人は数えるほどしか無く、ほとんどは直接手渡した。その際に多少【魔法の呪文】を唱え、サインをしてからお渡しする。【魔法の呪文】には【この人が万年筆に嵌りますように・・・】という呪い込めている・・・

 その呪いにまんまとかかった【美しき酒豪】が万年筆を購入した。その喜びを 【ペン!ペン!ペン!ファウンテンペン!】の投稿文のようにしておくってくれたので掲載することにした。もちろんご本人の了解は得ている。


曰く
あの本にでてくる愛好家の文章に誘発されて私も書いてみました
いいなぁ、こういう人が増えると萬年筆界もほんわかしてくる。
では紹介しよう!

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★

今年、万年筆を買いました。

万年筆といえば若い頃、父が大切にして誰にも貸さなかったモンブランを
内緒で使ってガッカリした経験があります。

それはたぶん父の癖が染み込んでいたからでしょうが
私には書き易いとはとても思えませんでした。

それから私はパーカーやシェーファーを持つようになりましたが、
いつの間にか姿を消して今は一本も残っていません。

 ところが知人が執筆したという万年筆の本を読んだら、
また欲しくなってしまいました。

ちょうど今年、私は還暦を迎えます。
それで自分へのプレゼントとして一本買うことにしたのです。

 どんな万年筆を買うか、本やネットで調べてメーカーはペリカンと決めました。

ペリカン・スーベレーンの緑か青。
写真を見てそう決めました。
値段も手ごろです。

アメ横に行けば格安で買えるというので、
まずは伊東屋に下見に行ってみました。

たくさん並んだ万年筆の中に私の目指すスーペレーンもありましたが、
それとは別格に威風堂々たる一本が目にとまりました。

話には聞いていたけれど高価なので私には縁がないと思っていた
ペリカン・トレドでした。

 やりたい事や欲しい物は声に出して言ってみるものです。

万年筆の話をしたら仕事仲間が
使っていないモンブランを持って来てくれました。

ペン先が硬くてひっかかるので要らないと言うのです。

また、友達が誕生祝に万年筆を買ってくれると言ってきました。

嬉しいけれどトレドが欲しいとは言えないなぁ、と思っていると
娘がネットオークションにトレドが出品されていると知らせてきました。

1万円から始まったトレドは娘が見た時には38,000円。
それからどんどん値があがって翌朝には60,500円になっていました。

そうしたらどうしても落札したくなって、
最高額を定価の6割までに自動設定して入札に加わりました。

その夜23:57がオークションの終了時刻です。
飲み会の帰り、駅のベンチで仕事仲間と一緒に結果を見ることにしました。

皆でドキドキしながら携帯の画面を覗き込むと

やったぁ! 

私が落札していました。

しかも自動設定した限度額よりも安く!

盛り上がってもう一軒飲みに行こうという事になり、
その日は明け方まで騒いでしまいました。

結局、飲み代は高くつきましたが
思い出に残る還暦の記念になりました。

仕事仲間に貰ったモンブランは、
これはこれで少し調整すれば使えそうです。

これからはボケ防止のためにも、
このモンブランとペリカンを使って字を書く習慣をつけたいと思っています。

★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★★


 後でうかがったら、なんと明け方三時まで飲んでいたそうじゃ。【美しき酒豪】は底無しなので平気だったろうが、お付き合いした仲間は大変だったろうなぁ・・・

 ちなみに、【仕事仲間】が持ってきてくれたというNo.144と、その仕事仲間ご自身が別に持っていたNo.144はさっそく調整しておいた。あまりの違いに目が点になっていたのがおもしろかった。これで萬年筆ファンを2名獲得できた!昔の演歌歌手の【レコード手売り】のように非効率な手段だが一番確実じゃ。


そしてその夜、別の友人から時計と【凄い萬年筆をいただいた。

神は見ていてくださった!



Posted by pelikan_1931 at 06:00│Comments(4) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 万年筆 
この記事へのコメント
stylustip しゃん

【自分自身を改めて確認し受け止める】・・・そう、自分から動くことによってはじめて、反応が得られ、その反応を受け止めることによって自分も変わっていく・・・

 拙者は農村に育ったので、田んぼに水をくみ上げるエンジンとしての【発動機】が好きだった。

 自分自身もいつかは、なんらかの【発動機】になれればと考えている。サイレント・マジョリティという立場からは脱却したい。
Posted by pelikan_1931 at 2007年12月17日 02:07
sige しゃん

【弾む気持ち】というのは良い表現ですな。最近萬年筆に慣れきって【弾む気持ち】を少し忘れかけていた拙者にとっても刺激になる文章じゃった。
Posted by pelikan_1931 at 2007年12月17日 02:01
とっても素敵でほのぼのとした内容で、心が温かくなりました。
道具は手に入れるのも思いがこもる行為ですが、それを使うことが歓びを何倍にも増加してくれると思います。

私も最近、散歩写真に関するエッセイを通院している病院の機関紙に寄稿し、その翌月に、院内のプログラムでも、フォトセラピー・写真を通しての自己覚知・自己受容についての30分ほどの講義をしました。
その時の質疑応答でエッセイを読んでカメラを買ったり、仕舞い込んでいたカメラをOHに出したりした人が多くいて、嬉しい手応えを感じました。
撮った写真や日々書き連ねた思いを振り返ることで、自分自身を改めて確認し受け止める行為は、癒しや活力への源になると思います。

今週も温かい気持ちで過ごせそうです。有り難う御座いました。
Posted by stylustip at 2007年12月16日 19:49
いいですねぇ
ただの道具、されど持ち手の心に通じ日常を変えうる存在として万年筆がそこにある喜び。
ご紹介下さいました文章には【美しき酒豪】さんの弾む気持ちがそこかしこに溢れているように感じられ、
日々の風景をあたらしい心で感じ始めているのかもしれない心の様子を想像して、こちらまで嬉しくなって参りました。

ご紹介に感謝
Posted by sige at 2007年12月16日 15:28