2008年01月13日

Parker Encyclopedia その1

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 12月2日まで連載した【Pelikan 125 Jahre Katalog】には残り頁にめぼしい物が無いので、ネタ元を変更することにした。【紙様】からお借りしている【Parker Encyclopedia】から順次話題を提供していく。

 【Parker Encyclopedia】はParkerが各販売店に対して、製品や販売方法に関するあらゆる知識を提供する事を目的として発行したものだと思われる。輸入代理店だけで全てを作ることは出来ないだろうと考えていたが、左から2つめの画像の一番上には、マニュアル作成委員長として日本人の名前が載っている。もし日本だけで作成していたとすれば画期的な事じゃ。

 また単なるデータの羅列ではなく、各製品の頁に、その製品をお客様に奨めるにあたって効果的な台詞や、ありがちな質問に対する回答例まで掲載している。

 筆記具にそれほど興味のない販売員であっても、目を通せばそれなりの対応が出来るようになっている。

 【Parker Encyclopedia】の後半には各種販売テクニックとか、【私はこうしてお客様に満足していただいた】などが記載されている。これは何も筆記具販売に限ったことではなく、全ての商売に役立ちそうな内容。

 もし各ブランドがこれほどまでの販売マニュアルを作ることが出来るとすれば、萬年筆市場はもっともっと大きくなるであろう。

 良くマーケットが小さくなったとか、お客様の嗜好が変わったなどというが、【販売側の萬年筆に対する商品知識が圧倒的に少なくなっている】のも大きな原因なのじゃ。

 その不足を補う為にも、このような販売マニュアルの復活が望まれる!

2008-01-13 05 こちらはペン先やボディに刻印されているホールマーク(認証刻印の一覧表じゃ。もちろんParkerが当時の製品に使っていたものだけに限られる。

 お客様から【この傷は何だ!】と言われたときの返答には十分役立つであろう。

 拙者は均整の取れた活字は好きだが、アンバランスで深さもまちまちのホールマークが好きではない。が、こういうマニュアルに記載されていて、販売員の方からちゃんと説明していただけた経験があれば変わっていたかも知れない。
 
 右側2つの画像は当時のParkerのフラッグシップである【デュオフォールド100】に関する1枚のSheetじゃ。これ一枚で全てが語られている。すばらしい!

 差し替え式なので、新しいモデルが入り、古いモデルの在庫が無くなったら【DISCONTINUED!】というシールを貼るのだが、そのシールもバインダーのポケットに入っている。まさに至れり尽くせり!

  画像はノートPCでもかろうじて活字が読める程度の大きさにしてあるので、存分に楽しんで欲しい。

 初期には14金ペン先付きも売られていたという記憶はあったのだが、確認する文献が無かったので非常に嬉しい。まだペンシルも発売されていないし、インターナショナルのサイズも無し。

 しかもボールペンはノック式じゃ。このノックの感触は最高だったが、すぐに無くしてしまって、二度と縁がない。欲しいなぁ〜!



Posted by pelikan_1931 at 08:00│Comments(2) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
monolith6しゃん

> こちらを取り上げないのは不思議な気がします

このホールマークの写真は本国のを拝借したのかも知れませんな。
Posted by pelikan_1931 at 2008年01月25日 08:14
 今回一番勉強になったのが、デュオのニブ刻印でした。XF=21, F=31, M=41, B=51 と刻印されていたのは、恐らく14Kニブの方だと思います。初期の18Kニブには XF=81, F=82, M=83, B=84, XB=85, XXB=86 と刻まれ、直ぐにBニブから下のサイズは夫々の頭文字に置き換えられて刻印されるようになった筈です。 それにしても75以前では14Kニブは XF=63, F=65, M=66, B=67 と刻印されていたのに、これを踏襲しないとは、ややこしい刻印ですね。

 それからホールマークでは、925銀のマークを下向きの蟹として紹介していますが、実際にこの時期に日本に入ってきた同社の銀製品には、右向きの知恵と武勇の神ミネルヴァの首の部分の刻印が圧倒的だった筈で、こちらを取り上げないのは不思議な気がします。蟹の刻印については、自分の経験から言えば85年の製品以外には見当たりません。
Posted by monolith6 at 2008年01月23日 12:50