2008年03月23日

Parker Encyclopedia その11

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 前回に引き続き萬年筆用語の説明じゃ!かなり正確な説明なので、おぼろげな覚え方をしていたのを正してくれる。

 たとえば【Gold plated】は金鍍金と考えていたが、正しくは【金合金鍍金】。24金鍍金というのもあるが、合金でない物は弱く、すぐに剥がれてしまう。

 また、ずっとロジウム鍍金だと思っていたペン先の矢羽の鍍金が実は【ルテニウム】鍍金だと知ってショック!鍍金色の判断には自信があったのだが、一挙に自信喪失・・・今後知ったかぶりはやめよう・・・

 パーカーの合金の使い分けは見事で、クリップ素材には【ベリリウム合金】が用いられている。【オクタニウム合金】は白ペンの素材として有名だし、【タングステンカーバイト】はボールペンのボール使われている・・・

 Pelikanの社史を読んでいると、化学会社の趣が非常に強かったが、【Parker Encyclopedia】の内容を見ていると、パーカーは金属加工会社では?との錯覚を覚えてしまう。

 そういう見方で萬年筆メーカーを大まかに俯瞰すると、独逸と日本のメーカーは【化学業】の香りがするし、米国のメーカーは【加工業】の趣がある。

 左端のページの貴金属の価格表!これが当時の【レアメタル】の価格序列じゃ。ロジウムの序列が高いので多少驚いた。ロジウムをペン先の裏側に鍍金するとインクフローが良くなると聞いていた。実際、自分でもそう感じていたのだが、これほど高価な金属ならもっと違う方法も考えなくては・・・

 じつは拙者、銀鍍金の輝きを増す目的で、ベースにロジウム鍍金した上に、銀鍍金をかけていた。これほどまでにロジウムが高価なのであれば、ベースにはニッケルにしようかな。

 左から二頁目にも今までの誤った考えを正してくれる情報がある。

 拙者はラッカーとは工業用漆であり、本漆とは原材料が別と考えていた。ところが本文を読むと、デュポンのライターなどの漆は、本漆を自然乾燥させないで、金属に焼付け処理をするものらしい。【純正漆・星雲】などというデュポンのボールペンや萬年筆は本漆焼付けだったわけじゃ。しかもその技術は仏蘭西でのみ発達したものとか・・・

 日本の本漆はムロでの自然乾燥なので、本漆焼付けとは【乾燥】に関する考え方が違う。これは日本ではベースのなる胴体がエボナイトなどの熱に弱い素材だったので本漆焼付けなど考えてもみなかったからだろう。

 一方でライターへの塗装などを考えると、優先順位No.1は耐熱性であり、焼付け塗装以外は思いつかなかったのかもしれない。

 素朴な疑問だが、Pilotの本漆で金属軸ベースの物があるが、あれは焼付け処理か自然乾燥かが気になる。少なくともオイルライターで炙ってもビクともしなかったが・・・

 カラットの秘密もこのページに書いてある。2種類の使い方があるということ。また、%は重量比である事がわかった・・・これも大収穫じゃ。

 さて前週の課題【ピストンフィラー】。コ、コンバーターだった......
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 それまでのParkerのコンバーターは中押し式だったのに対して、コンバーターを回転式にしたというだけ!一見便利そうだがコストは以前の中押し式の方がかかっているように感じる・・・コストカットか?

 
残インク容量が見えるという点では圧倒的に便利だが、Sheaffer以外は既に中押しを止めていたころ出したので、なんの魅力も感じなかった・・・

 そして最後の頁にホールマークの種類が示されている。

 次週からは【上手なセールステクニック】を紹介する。鴨である我々に対してのフックの仕方だが、【なるほど!】と感心するものから【その手は食わんぞ!】というものまで様々!楽しめますぞ!



【過去のシリーズ記事】

Parker Encyclopedia その10  
Parker Encyclopedia その9 
Parker Encyclopedia その8 
Parker Encyclopedia その7 
Parker Encyclopedia その6 
Parker Encyclopedia その5 
Parker Encyclopedia その4 
Parker Encyclopedia その3 

Parker Encyclopedia その2
Parker Encyclopedia その1 
 




Posted by pelikan_1931 at 09:30│Comments(8) このエントリーをはてなブックマークに追加 mixiチェック 周辺Goods 
この記事へのコメント
mochiduki さん、ご無沙汰しております。 最近の万年筆のペン・ポイントに、本物のイリジウムが用いられなくなったこともまた、戦前に遡る事実です。それ以来現在に至るまで、イリジウムという言葉は、単にペン・ポイントに溶接された硬質の金属を言い表す代名詞になっているのみで、実際にイリジウムを含むペン・ポイントは「全く」存在していません。0.1%でも含むものさえ全くありません。ここからは想像ですが、パイロットを始め、各社イリジウム(イリドスミン)と呼び習わしている硬質金属は、実際にはパーカーと同じくルテニウムであると思います。であればこそ、ラッピング・フィルムのようなものでも簡単に研磨できるのだろうと思います。本物のイリジウムを付けたペン・ポイントは、それこそ砥石でもなければ削れないほどに硬い筈です。尤もルテニウムなればこそ、簡単に書き味を調整可能であるという一面もありますが。
Posted by monolith6 at 2008年03月25日 17:50
 坊主さん、こんにちは。

 軸が銀なのにタッシーが赤とは、私は今まで見たことがない物です。もしかしてとてつもなく珍しいものなのかも。
Posted by monolith6 at 2008年03月25日 17:41
monolith6さん
チタンは実物を見たことがないので分からないんですが、ネットで見つけた画像を見る限りチタンじゃないみたいです。
軸自体はスターリングシルバーで間違いないはずなんですが…。
Posted by 坊主 at 2008年03月25日 01:43
イリドスミンといえば、今日偶然見つけたのですが、現在では呼び方が変わっているようです。

ウィキペディアの「オスミウム」の項を一部引用します。「特に天然に産するイリジウムとの合金はイリドスミン (Iridosmine) の名で知られていたが、1991年の白金族鉱物の命名法改定によってこの名は消滅した (現在では、割合が多い金属の名が付けられる)」

「萬年筆と科學」第三十章(2007年4月5日の記事参照: http://pelikan.livedoor.biz/archives/50955806.html)によれば、(当時の)イリドスミンの組成は「イリジウム:62.6% オスミウム:20.2% プラチナ:0.7% ルテニウム:14.4%」ですから、現在では「イリジウム」と呼ぶのが正しいということになりそうですね〜。

くだんの命名法改定についてはこれ以外のソースを見つけられず、また、当然社内的にはいまだに「イリドスミン」で通っている可能性もあるので、萬年筆的には「イリドスミン」でおk?
Posted by mochiduki at 2008年03月25日 01:40
 坊主さんが入手されたという、胴軸のお尻が赤い75とは、もしかしてチタンの軸であるかも知れません。つまり、T−1の胴軸そのものではないかと思われます。
Posted by monolith6 at 2008年03月24日 17:02
 またまたエンサイクロペディアのあら捜し。パーカーのペン・ポイントにイリドスミンが用いられていたのは、第一世代のデュオフォールドの時代にまで遡る大昔の話です。実際には、少なくとも終戦後に製造されたパーカーの万年筆には、全て、ペンポイントにはルテニウムが用いられております。このことは、昔のパーカー製品のカタログにもはっきりと書かれている事実です。こんなことを間違うようではこの辞典そのものの信憑性が...????ですね。
Posted by monolith6 at 2008年03月24日 17:00
坊主しゃん

あ、赤でしたか! いずれにせよ、素材は何か気になります。中に入れたインクの区別用につけたのか? 不思議なマークですな。
Posted by pelikan_1931 at 2008年03月23日 19:15
先日思いがけなくパーカー75を手に入れたので、Parker Encyclopediaを一気読みしました(笑)
ちなみに胴軸のお尻が黒い件、帰ってから洗浄して磨いてみると「赤」でした。
まあ、だいぶ濃い赤なので、照明によっては黒く見えたりもするんですが…。

さて、インクは何を入れよう…。
Posted by 坊主 at 2008年03月23日 12:13