前回は米国ブランドを紹介したが、今回は国産としてセーラーとプラチナ、海外ブランドはオマスとウォーターマンを紹介する。最初にパーカーで忘れていたものを一本!![]()
パーカーのデュオフォールド・センテニアルの二代目。模様はマーブルグリーン。日本未発売だった。ただアメックスの通信販売で売られたという噂を聞いたことはある。
未使用で、ペン先はXXB。これはM付きで英国のオークションで入手したものに、米国の萬年筆専門店から取り寄せたニブを取り付けたもの。まったく未調整なので、必要ならペン先調整しての販売となる。価格はグリニッジと同程度か若干安め。![]()
ル・マン100 オペラのスタブ Nib付き。チェイス軸の握りごこち、重さと重心位置、驚くほどスムーズな書き味など、ケチの付けようがない一本じゃ。
縦太横細の線幅が大好きな人にとっては答えられない書き味を提供してくれる。ペン先は調整済だが、希望があればインクフローはさらに良くできる。
値段は上のデュオフォールドの8割程度かな?![]()
オマスが作ったE.E.ERCOLESSIという宝石店の限定モデル。オマスにしては古くさいデザインだが、実に美しい素材のセルロイドを使っている。拙者のオマス遍歴を止めさせた一本!一度もインクを入れていないので、エボ焼け等の調整を施した後の販売となる。10分ほど待たれよ。
値段はグリニッジよりは高価になるじゃろう。![]()
オマスのシネマ。ニューヨークのFountain Pen Hospitalでゲイとおぼしき伊太利亜人の店員さんに、ほっぺを指でツンツンされて、思わず買ってしまったもの。1996年に渡米の際じゃ。ペン先はF付きだったが後日Bに取り替えて保存している。
キャップリングにカメラや映写用フィルムなどが刻印されている。値段はデュオフォールド・センテニアルと同程度か、やや安いくらいでの提供となる。まったく使っていないにもかかわらずピストン吸入はスムーズでまったく問題はない。![]()
Viscontiが日本市場で爆発的人気になった起爆剤がこれ!ミケランジェロのGRANDE。購入時には雑な作りのエボナイト製ペン芯がついていたので、初代のVoyagerについていた世界一美しいエボナイト製ペン芯に交換してある。ミケランジェロも発売直後はこのペン芯だったが、そのうちペン芯が安いエボナイト製になり、最後はプラスティック製ペン芯になった。
まったく未使用でペン先調整もされていないので。筆記に使うならペン先調整してからの引き渡しになる。10分ほどまたれよ。値段はE.E.ERCOLESSIと同程度。![]()
プラチナの創立70周年記念の木軸。ずっとブライヤーだと思っていたが、数年前にスネークウッドだと教えられた。7年前の第二回目のペントレには、この完品箱付きが出たが、最終日にやっと10万円(販売時価格)で売れたほど人気が無かった。国産限定品が絶賛されている現在では途方もない値段がつくかも。
二段式ペン芯、縦圧延ペン先、ピストン吸入機構など、コストの関係で今ではとても実現できない。ボディの大ペン先はB。この表記もプラチナとしては珍しい。
ファーバーカステルのスネークウッドより明らかに良い素材を使っている。値段は、当時の定価より若干高いくらいかな?![]()
プラチナ#3776のエボナイト軸。形状はWAGNER 2008と同じ(予定)。キャップトップが平たいタイプ。銀座の松坂屋デパートの筆記具売場に展示されていたのを15年以上前に見つけて購入した。それ以降、日光にも蛍光灯にも一切さらされていないのでエボナイトに曇りはない。
ペン先は【細】だったが、ミュージックニブに交換してある。もちろんペン芯もエボナイト製のミュージック専用を使っている。価格は上のデュオフォールドセンテニアルよりは若干安いかな・・・![]()
こちらは珍品!セーラーの全面螺鈿。伊勢丹本店でセーラーのペンクリが行われた際、川口さんから【最後の一本】として購入した。川口さんの【最後の一本】は【買って損は無いよ】程度の台詞で、現に拙者は【最後の一本】と言われた萬年筆を6本持っている。たしかに後悔した萬年筆は一本もない・・・
【最後の一本】であっても、このモデルだけは後にも先にも一本しか見たことはない。たしか5本作ったと聞いた。正しい【最後の一本】ということになろう。
ペン先は通常のMがついていた。キャップを後ろに挿せないのでペンを立てて書くのに最適なニブは無いかな?と捜していたら85周年記念シータのクロスポイントがピッタリの筆記角度。これが世に出た初代のクロスポイント!
価格は上記スネークウッドよりは安い予定。ちなみに軸は未使用。ペン先は調整済じゃ。![]()
本日の最後はセーラーのプロフィット80。薄い方のブライヤー軸。ツヤツタした表面だが、これは一度、川口さんにラッカーを剥がしてもらい、そのあとで、ひまし油でツヤを出したもの。プロフィット80は合計20本ほど購入したが、ラッカーを剥がして磨いて、再度光沢が斑無く出て生きたのは4本だけ。現在3本残っているが、あと2本は濃い軸。拙者は濃い軸色が好きだが、ブライヤーとしては薄い軸の方が人気が高いらしい。
ペン先は初期のクロス長刀。シャラシャラという筆記感が現行品よりも強く、実に良い感じ。現在の相場は15万円を越える。まるでヘミングウェイのようじゃ。
今回は拙者が市場に出すプロフィット80の【最後の一本】として上記スネークウッドと同程度で販売する。相場よりはかなり安いですぞ。
一番の珍品は螺鈿じゃが、人気はプロフィット80かもしれない。いずれにせよ、ペントレの扉が開くと同時にダッシュされてはいかがかな?指の間に挟んでから買うかどうかを検討するというのが常道じゃ。そしてその人がペンから指を話した瞬間に奪うというのも許されたルール。手を離したら権利はなくなるのじゃ!